雑談を交わしながら扉を開ける
とたん、すぐ近くで聞こえた破裂音
反射的に振り返ったラグナへと色とりどりのテープと紙吹雪が降り注ぐ
―――なんだぁ?
疑問に首を傾げたラグナへと、続けて降り注ぐ紙吹雪
瞬いて見た視界の先には、知り合い達の姿
そして、彼等が手にしたクラッカーがラグナへと向けられている
派手な音を立ててクラッカーが鳴り響く
「いったいなんの騒ぎだ?」
不思議そうに問いかけたラグナの言葉に返ってくる様々な表情
互いに視線を交わす間の一瞬の間
「Happy Birthday!」
そして、幾つもの声が唱和する
「………誕生日?」
ラグナの問いかけに笑顔で頷く幾つもの顔
誕生日で、祝い事でクラッカー、か
単純と言えば単純な理由
「さぁ、主役がそんなとこに立ってないで―――」
エルオーネに手を引かれるまま部屋に足を踏み入れる
部屋に施された色とりどりの飾り付け
机の上に置かれた簡単な軽食の数々
正面の壁に飾られた“誕生日おめでとう”の横断幕
思わず問いかけの視線を向けると、何故か一様に視線をそらされた

つまりやりたかったのは、誕生日にかこつけたホームパーティーってヤツだな
収集がつかない盛り上がりを見せる少年少女の姿にラグナは苦笑する
「まぁ、こんなのも楽しいけどな」
呟いたラグナに向かって、スコールが嫌そうな顔をした
 

 

 

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