夜遅く1日続いたお祝いが終わる
残されたのは2人
2人だけの部屋
漸く訪れた2人の時間
暖かな湯気を立てるホットミルクが差し出される
「ああ、サンキュウ」
暖かな温もりに安らいだ息が零れる
「おつかれさま」
彼女からのお祝いの言葉は朝一番に貰った
「そうだな、祝ってくれるのは嬉しいけど、こう長い間祝われ続けると流石に疲れるよな」
朝から、様々な人に祝われ
祝いの言葉と贈り物を手にひっきりなしに客人が訪れた
訪れる人が引いたのは、夕刻
そこから家族の時間を過ごして、興奮した子供達が漸く眠りに着いたのがつい先ほど
なかなか大変な1日だったが
幾人もの来客をもてなしてくれたのはレインだ
俺よりもレインの方が疲れたはずだ
「レインこそ、お疲れ様」
俺の言葉に漸くレインが力を抜く
「流石に疲れたわね」
空になったカップを手に立ち上がる
「なんか飲むか?」
立ち上がろうとしたレインを手で制し
少し休んでいろよ
の言葉にレインが改めて腰を降ろす
「なにが良い?」
キッチンに用意されているいくつもの飲み物
「そうね………」
考えこむ気配がしばらく続き
リクエストが告げられた

漸く訪れた2人だけの時間
静かに穏やかに時間が過ぎていく
時折交わされる静かな会話
ふと、時計を見上げる
時間が1日の終わりを告げた