With Rain ...  


「どうしよっか」
「んー、どうしようか」
こそこそと部屋の隅で顔を寄せ合って話をしている
「何の話?」
どうしようかの言葉を繰り返す二人が気になって声をかけた
「なんでもなーい」
「ないしょー」
そういって二人で顔を見合わせる
「あら、教えてくれないの?」
私の言葉にくすくすと楽しそうに笑い合う
「じゃあ、教えても良いって思ったら、教えてね?」
もう一度顔を見合わせて、楽しげに笑いながら了承の返事をする
意味ありげに動いた視線の先はカレンダー
………ああ、そっか
「じゃあ、あっちに行くね」
パタパタと忙しそうに走り去っていく
そうね、もうすぐだもんね
「さて、私は何を用意しようかしら?」
あの子達も何を贈るか相談している
あの様子からすると、まだ目処はついていないみたい
あの子達は、なにに決めるのかしらね
最近何か欲しいものがあるなんて話、聞いてもいない
贈り物を決めるのはなかなか大変
特に何が欲しいか言わない相手だと困るのよね
欲しいものがあったとしても、手が出せないようなものでも困るけど
何となく浮き立つ気分で、計画を考え始めた

「おめでとう」
の言葉と、差し出されたプレゼントに相好を崩す
「ありがとう」
嬉しそうにそういって、一人ずつぎゅっと抱きしめる
家族だけで迎える穏やかな時間
テーブルの上には、いつもよりも張り切って作った料理が並ぶ
子供達が、いつもよりはしゃいで過ごす
ラグナも、一緒になってはしゃいでる
ラグナの視線がこちらへ向けられる
嬉しそうな笑みに、つられて笑顔が浮かんだ

「おめでとう」
言葉と同時にそっと小さな包みを差し出す
驚いた顔をして、それから照れたようにプレゼントを受けとる
「ありがとう」
指が包装を開ける
気に入ってくれると嬉しいけど

もうすぐ今日が終わる、そんな時間の出来事