「ようこそエスタへ!」
エスタの地に降り立つとクラッカーと、紙吹雪が振ってきた
「エスタではあなたの訪問を歓迎致します」
大統領府の制服を着た役人が、満面の笑みを浮かべる
「さぁ、今日とごでも案内致します、どこに行かれますか?」
穏やかな微笑みを浮かべての質問
少し首を傾げると
「もちろん!どこにでも案内致します」
はっきりと断言した彼に望みを告げると、ほんの少しその顔が引きつった

「お願いですから、邪魔だけはなさらないでくださいね」
必死の目で秘書官が懇願する
後ろで、案内役の男性が責められている声が微かに聞こえる
重厚な扉がゆっくりと開いていく
正面に壁一杯の窓が見えた
そして……………
「あれ?どーしたんだ?」
ラグナが仕事の手を止めて不思議そうに見た
隣にいた補佐官がなにかを小声で耳打ちをする
「ちょっと今忙しくって、相手できねーんだけど、楽しんでいってくれよな?」
ラグナは、すまなそうに小さく笑い掛けた
「……大統領……」
「うん?解ってるって……」
うんざりした様な顔をして、ラグナは再び仕事を始めた

「……暇じゃなかったか?」
仕事を終えたラグナが、自ら先に立ち案内をしてくれている
「暇じゃないなら良いんだけどさ……」
廊下の突き当たりの大きな扉の前で足を止めた
「確か此処のはずなんだけどな……」
扉の向こうからは物音一つ聞こえない
………………
「ここで良いみたいだな」
しばらく扉を見つめていたラグナが不意に言った
そして、ゆっくりと扉を開く
まばゆい光があふれてくる
大広間の中には多数の人々の姿
「改めまして、エスタへようこそ」
人々の声が唱和した

人々の声と、美しく彩られた料理の数々に歓迎され、パーティーが始まった

 
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