とりひき


深夜、二人だけの時間

「連絡があったのよ」
不思議そうな顔を見つめて
「今、走って帰りましたっていう電話」
微笑みながら、一つだけ残った謎の種明かし
声も無く呆然として、がっかりと肩を落として
「驚かしてやろうと思ったのにな」
本気の混じった冗談
「それは残念だったわね」
答えを返し
続く会話を楽しみながら
頭の隅で思う
今度は、時間通り帰ったら教えないでくださいって、頼まないとならないかしら?

 
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