■庄内の釣り<船釣り編>
庄内発"船釣り"ということで、当面の間魚信が執筆し掲載された雑誌等の内容をメインに、釣りの醍醐味を紹介してゆきたいと思います。また、磯に限らず様々なフィールドでのレポートも随時お待ちしております。
Volume.04 庄内近海のハナダイ釣り
(釣り東北連載より...一部変更・加筆あり)
How to.2〜中・上級編〜
前編では、庄内のハナダイ釣りの簡単な紹介と説明を、初級レベルに合わせて述べたが、今回はさらに踏み込んだ形での解説をしよう。
攻めの釣法その1
攻めの釣法には、ロッドを大きく振り上げながら仕掛けとエサを踊らせる"シャクリ釣法"がある。
この釣法に適すロッドとしては、やや先調子(8:2〜7:3調子)が適し、細身で短め(1.8〜2.4m)のロッドで、持ち重りのしない物。
ロッド操作をしやすい物として、ガイド付きのほうがロッドに徴妙な調子と、バランスが生かされた物が多いのは確かだが、インナーロッドでも最近は外ガイドタイプに劣らぬ性能を持った物が発売されているので、この場合もやはり細身で先調子系の物を選ぶと良い。
海底のオモリもハネあげるようなシャクリとなるため、いずれのロッドにおいても、オモリ負荷は30号クラスで、リールシートの下部となるバット部分を脇の下にはさみ込む操作が有利なので、バット部の長い物がお勧め。
前述したように、シャクリ釣法の場合は、エサが踊っているようにロッド操作で演出する事により、ハナダイの注目を集め、さらに食い渋りの時も注目を集めることで食い気を起こさせ誘うものであるから、仕掛けにもひと工夫が必要だ。シャクリ釣法の場合、枝ハリスが長いとエサまで動きが伝わらず、せっかくのシャクリ効果も半滅するので、枝ハリスは20cm前後が適当。ハリスが短い分、仕掛けも絡みにくく針数は5〜6本と多くできる(図A)。この仕掛けだと数釣りにも対応できる。
攻めの釣法その2
ハナダイの最初のアタリ(前アタリ)からキャッチして、効率良く確実に針掛かりさせるためのロッドは、カレイやカワハギ用も流用できるが、先調子(9:1〜8:2)のロッドで、穂先が特に細い物が適す。
食い気を促すためには時々ロッドをサビくことも必要だが、アタリを取るためには、オモリを底着させたままラインを張り気味にした状態にする。そして、穂先のトップの変化に応じて引き込みを待つまでもなく、エサを口に含んだ状態時に針掛かりさせる。よって、アワセは素早く、小刻みに鋭い操作が必要となるため、ロッドの長さは短めの1.8〜2.1mが適す。
オモリ負荷は30号クラスを用いるが、ロッドは胴がやや強く、短めを使用するため、ロッドの曲がりなどによるタメが不足する関
係で、ハナダイを巻き上げる途中バレが生じやすい欠点はある。とにかくアタリ取り重視のため、仕掛けは細さが身上となるので、ミチ糸がPEの2号クラス、ミキ糸が3号、ハリスは2号で長さは20cm未満が適す(図B)。
以上の釣法1、2は繊細に、より多くのハナダイを釣りたい人のためのタックルと釣法であるが、次は大型を対象にしながら、外道も色々楽しみたい釣り人のためのタックルと釣法を解説しよう。
攻め待ち釣法
ロッドは7:3〜6:4調子で、マダイ用のロッドも流用できる。ガイド付、インナーのどちらでも良いが、オモリ負荷は50号クラス、長さは3.0〜3.5mが適す。
ミチ糸はPEの4〜5号クラスとし、仕掛けも太めで大型魚にも余裕のタックルとする。外道には、マダイの30〜70cmクラス、ヒラメの30〜90cmクラス、それにイナダやソイの大形魚が出るので、ハリスは長めの20cm以上で5号前後を用い、針は掛かりが良くてバレの少ないチヌの4〜6号が良い。ミチ糸の最下部に3〜4号の中通しゴム付き鉛を遊動にして入れておくと何かと便利だ。
その理由としては、まず仕掛けを取り付ける前のミチ糸がリールをフリーにするだけで、このオモリの重さにより自動的に手元まで引き出すことができるので、風のある時や、船が走行中は助かる。仕掛けをセットした後も、このオモリを穂先のトップ手前の30cm程の場所に離して吊り下げておくと、仕掛けがロッドに絡みつくのを防ぐなどの利点がある。
仕掛けを海底に着底させてから、さらに仕掛けタを海底に這わせたい時にも素早く簡単にできる。
以上のタックルの場合、ハナダイのアタリは取りにくくなるが、その反面大型が食ってくる確率は高くなることと、魚を巻き上げる時のバレが少なくなる利点がある。魚の食ってくるアタリが取りにくく、小型のハナダイや他魚のエサ盗りが多い場合は、仕掛けを投入してオモリが着底したら、素早くラインのフケを取り、2〜3度大きくロッドをあおり、空アワセをすると魚が針掛かりすることも多いので、エサ盗り対策にもなるテクニックのlつとして覚えておくと良い。
このタックルによる仕掛けの場合、ハリスを長くする分、針数は少なくするが、下オモリのすぐ上に"ハワセ針"を更に長めのハリスで付けておくと、居着きハナダイやマダイの大型が釣れる確率が高くなる。これは当店のオリジナル仕掛けとしても発売されている(図C)。
乗船位置
操船の基本として船長は潮上(潮が流れてくる方向)に船首を向けて船を立てるので、仕掛けを投入した場合、船尾方向に仕掛けが流されるため、船尾に入座したほうが他の釣り人に迷惑を掛けずに、自分のペースで投入と巻き上げができるし、仕掛けの這わせもやりやすくなる訳だ(図D)。
また、船長側に居ると、魚探などの計器を確認することも楽だし、船長の言動の把握や情報のキャッチが誰よりも早く分かるため、それらの対応もいち早く適切にできるなどの利点があるので、ビギナーの釣り人が希望する時には、席を譲ってやりたい(潮流が一定でなかったり、風向きやその強さにより仕掛けが安定しないこともあるので参考まで)。
渡りと居着き
渡りハナダイの場合、その泳層は比較的底離れしており、居着きは底に定着していることが多いと思われるので、個々に攻めるタナが違ってくるのと、仕掛けの操作やエサを食わせる演出にも工夫が必要となる。渡りや底離れしているハナダイの場合は、オモリを着底したら仕掛けを張り気味にしながらエサを踊らせるか、オモリを底から難した状態でロッドを大きくシャクリながらタナを変えてゆく釣法が適すと思う。
居着きや底に定着したハナダイの場合は、底に生息するエビやゴカイ類を索餌していることが習慣的になっているので、仕掛けも底に這わせてアタリを待つが、ロッド操作により、エサを時々踊らせて食い気を促してやるテクニックも必要だと思う。また、ハナダイはその日の天候と海水温や濁りなどの自然要因で浮いたり、沈んだりするのだが、食いつかないことなどもあるので、色々な状況をイメージしながら、その日の状況に合わせた釣法、タックル、テクニックで釣果を伸ばしたい。しかし、数を釣るよりも船上でのんびりアタリを待つ釣りを楽しむも良し、いつくるかも分からない夢の大物を専門に狙っての期待感を満喫するのも素晴らしい釣りである。
要は、あなたに合った釣りをいかに楽しむかで、船のハナダイ釣りをさらに面白くするはず。
今度は私達と一緒に釣行しましょう。
《*注》前編で、ハナダイの産卵期は9〜10月頃としていますが、6〜7月頃であるとの説もあります。全国各地での産卵場所によっても異なると思いますので、いずれも参考程度として下さい。
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