庄内の釣り<磯釣り編>

庄内発"磯釣り"ということで、当面の間魚信が執筆し掲載された雑誌等の内容をメインに、釣りの醍醐味を紹介してゆきたいと思います。また、磯に限らず様々なフィールドでのレポートも随時お待ちしております。

Volume 03 中通し釣法とウキ釣り釣法を比較してみたら...(釣りを3倍楽しむ法〜釣り東北連載より)
残る最古の直接法の魚拓が庄内にあり、それが庄内藩の藩主氏家直綱のものである事を知る人は少ないが、本当の話だ。従って竿を使った釣りもかなりの歴史があり、その伝統的背景を語るにはいくら時間があっても足りないだろう。ただ今もって受け継ぐ釣法が庄内竿(竹竿)によるり−ル使用の中通し釣法である事は以前に紹介済みだ。

現在は竹竿に変り、カーボンロッドの並継ぎヘラ竿を中通しリール竿に改造したものが最も庄内竿に近いと思うが、用途と好みにより同じカーボンロッドでも振り出しのヘラ竿やコイ竿、それに長竿ではアユ竿を改造している。また、各メーカー及び地元の釣具店の一部ではオリジナル中通しロッドを販売しているが、いずれも好評だ。
中通し釣法にこだわる理由

さて、中通し釣法での基本仕掛けはこのシリーズの初回で説明したが、もっと突っ込んだ話をしたい。中通し釣法を分かり易くするためあえてウキ釣り釣法と比較させたのは、決っしてウキ釣り釣法を否定するものではなく、むしろ両者の長短の部分を理解する早道と判断したからだ。

話はチョット横道にそれるが、江戸時代の釣り人は庄内の場合武士が多かったため、釣りそのものを勝負と称していた。従って竿は刀同様大切に扱ったと記録されている。勝負の相手は勿論魚だが、この勝負を他の釣り人と競うのであれば同じ竿(刀)でなければならない暗黙のルールがあった。今も庄内のベテラン同志なら当たり前の話だが、ウキ釣り用のタックルは飛び道具のピストルに匹敵する感があるため、両者を相対すには多少無理がある。釣果の面では明らかにウキ釣り釣法に分があると思われるからだ。にもかかわらず、中通し釣法にこだわる釣り人が庄内に多いのはなぜだろう。
ここで別表を見てほしい。両者個々のメリットとデメリットを私の独断と偏見で比較してみた。勿論見る人のフィーリングで賛否両論があるのは承知の上だが、私の一言いたいのは両者の釣法を同一視するのは根本的に違うということだ。釣法自体のスタート位置と状況などあらゆる面で異なっている訳だから、はっきり分けて考えた方がべ夕−だ。話のついでだが、長竿による中通し釣法で釣るぐらいなら、ガイド竿でウキを流した方が楽で有利だと思う人も多いだろうが、図AとBを見て考えてほしい。長竿だからこそ得られる釣果の一例だ。
さて、誰もが気になる実釣データ−だが、私の知っている限りでは次の通りだ。釣り場は秋田と庄内に絞っての数釣り記録で、36cm以上対象の1人l日の釣果は、中通し釣法で36枚、ウキ釣りでは27枚だ。数はともかく中通し釣法の方が良型の出る確率が高いというデーターも出ている。なぜだろう……。この続きは次回だ。

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