新編こどもとり図鑑
サカツラガン
全長87cmの大型のガンで、クチバシも首も長い。全体に黒っぽい赤褐色で、上面は濃く下面は淡い。顔と首はこの色の濃淡の差がはっきりしている。クチバシは黒色で、顔とクチバシの間に細い白い部分がある。雌雄(しゆう)同色で足は橙色。声はハクチョウに似てガアハンガアハンと大きな声で鳴く。サカツラガンは漢字では「酒面(さかつら)雁(がん)」と書き、酒を飲んだ時の赤い顔に似ているところからこう呼ばれている。ユーラシア大陸極(きょく)東部(とうぶ)のサハリンから中国北東部にかけて繁殖(はんしょく)する。冬季は中国東部や朝鮮半島で過ごす。繁殖地では川の中州や湖沼の小島などに営巣するが、安心して巣作りをして子どもを育てる環境が減っている。本種はシナガチョウの原種といわれている。日本には冬鳥として極少数が渡来し、ほぼ全国的にみられるが、比較的九州以南に多い。たいていは1羽〜6羽の小群で現れ、他のガン類の群れに入ることもある。1950年代までは数百羽の群れが東京湾に渡来していたが、乱獲により今では絶滅のピンチに立たされている。湖沼や水田などで植物の草や茎、根などを食べている。群馬県多々良沼や東京の水元公園での確認情報があるが、籠(かご)脱(ぬ)けという説もある。


サカツラガン

かつては東京湾の干潟にも飛来していたが、今では群れで飛来することも少なくなった。
首とクチバシはガン類の中でも特に長い。
日本には数の少ない冬鳥として、北海道や九州などの記録されている。
新編こどもとり図鑑
0.標識鳥 1.コブハクチョウ 2.オオハクチョウ 3、コハクチョウ 4.コクチョウ  
5.オオヒシクイ  6.マガン  7.カナダガン 8.シジュウガラガン 9.,ハクガン   
10.カリガネ 11.サカツラガン




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