真室川町「伝承野菜」図鑑より)

山形県真室川町の谷地の沢地区にある屋号、姉崎勘次郎家に約120年前(平成20年現在)に隣村の鮭川村から嫁いだ方が携えてきたのが、この黄色い胡瓜の種だった。

勘次郎家ではその後、この胡瓜に寄せる代々の当主の遺言にも似た思いを受けて一年も欠かさず栽培を続け種を継いできた。平成19年までは、勘次郎家の縁者数人が先祖の思いをつなぎ、細々と栽培を続けてきたが、各種の伝承野菜が脚光を浴びてから珍しいこの胡瓜の魅力に惹かれ、町内の数軒の農家が栽培を試み始めている。

この勘次郎胡瓜の系統は、果実の食感や表面の黒いトゲの特徴からかつて日本の関東以西でよく栽培された華南系品種の特徴を伝えていると思われる。在来作物に詳しい、元山形県職員の大野博氏によると、勘次郎胡瓜のような白いキュウリは、30〜40年前まで、新潟をはじめ日本各地に少しはあったようですが、今は全くなくなってしまっているとのことです。よくぞ、山形県、真室川町に残っていてくれたものだと、うれしく思うとのことだった。

果色は、成り始めは、白みを帯びた黄緑色で、成長とともに黄緑色が抜け、白身を帯びた黄色に変わり、やがて全体が鮮やかな黄色に変わり、その後黄褐色にかわる。

形は、だいたい18〜20p前後になる頃から収穫できるようになり、可食適期とみられる。一般のキュウリに比べると若干長さが短く太さがあるずんぐりタイプ。普通のキュウリは花落ちの部分がとがっているが、勘次郎は尖らず丸みがある。そのまま成らせておくと、太さも長さも更に大きくなり最終的には長さ28〜30p、直径7〜8p程度まで成長する。一般の胡瓜に比べて収穫量は少ない。

食味は、一般的なキュウリの特徴ともいえる青臭さなどがほとんど無く甘みや旨みが感じられる。皮が柔らかく、水分は多く、瑞々しい。甘味のない少し若いメロンのよう。フルーツのようなキュウリである。また、塩漬け(置き漬け)にすると、勘次郎胡瓜は黄色が鮮やかとなり、青キュウリの漬物と盛り合わせると彩りがよい。普通の青キュウリよりも早く浸かり、味も沁みやすい。皮が柔らかいせいかもしれない。

長く市販されてこなかったが、伝承野菜として多くの方に広く親しんでもらえるようにと、真室川町内の農産物直売所「産直まごころ工房」に加入する農家に種を譲ってもらい、平成21年の夏から販売が始まっている。

平成21年10月1日には最上伝承野菜にも追加された。

【区分】胡瓜(キュウリ)
【別の呼び名】黄色いきゅうり

【問合先/入手先】産直まごころ工房
【入手時期】7月〜9月上旬
【問合先住所】〒999-5311 山形県最上郡真室川町大字平岡894-1
【TEL/FAX】0233-62-2316/0233-62-2316
【ホームページ】産直まごころ工房
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