六地蔵尊

六地蔵尊

六地蔵尊
六道の世界を輪廻転生しながら彷徨い続ける人すべ
てを救済し、極楽浄土へ導いてくださるという誓願をお持ちの菩薩様です。

「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天」の六道を行脚される地蔵菩薩の御姿を、それぞれ六体の尊像に表したものがこの「六地蔵尊」です。

お地蔵様は身近でよくお見かけする仏様ですが、実はお釈迦様が亡くなられて(涅槃)、次の仏陀として弥勒菩薩様がこの世に降りてこられるまでの間(56億7千万年後)、六道すべてを救う任を命ぜられたのがお地蔵様、つまり地蔵菩薩なのです。

すべての人が、悟りを開いて仏になったり、極楽浄土や天国に行けるわけではありません。
生きている間の行い、良いことや悪いことの報いつまり「業(ごう)」に依って次の世に生まれ変わると言われています。
それが仏教の説く「六道輪廻(ろくどうりんね)」です。

気の遠くなる程長い時間苦しみを受け続ける「地獄道」。
常に飢え、渇き、他人を蹴落とし決して満たされない「餓鬼道」。弱肉強食、或いは人に使われ続ける「畜生道」。
出会う者同士殺し続ける「修羅道」。そして我々の居る「人間道」。人間よりも優れ、寿命も非常に長いし空も飛べるが、煩悩が無いわけではない「天道」。

人が亡くなってから四十九日の間に七度裁判にかけられ、閻魔様や仏様達によって裁かれ、生前の行い、罪の軽重、積徳の多少、遺族による法要の模様等々吟味されて行き場所を与えられるのです。
ちなみに、「地獄」と「天」とでは、救うために使う力も違うので、最も威力のある「地獄道」に対応される尊像を上座(右側)に奉安し、後は順次左側へ向かって並んでおられます。

人は徳を重ねて生きるものですが、知らず知らずのうちに罪も重ねているかも知れません。
どこへ行っても救っていただけるよう、手を合わせましょう。

合掌