曹洞宗の宗名由来について

 曹洞宗の宗名由来について、少々の説明を致します。「曹洞」の二文字は、どちらも中国の禅者の頭文字からとられています。しかし、法統(宗旨)の祖である道元禅師は「曹洞宗」や「禅宗」であるとは示されずに、「正伝の仏法」と申されました。
 さて、中国禅宗のお祖師さまに洞山悟本禅師という非常にすぐれた方がおられました。その弟子の曹山本寂禅師も大変優れた方でありました、その二人の系統を受け継ぐものということで「曹」と「洞」を採って中国では「曹洞宗」と名付けたと伝えられるのです。ところが、洞山が御開山であるなら「洞曹宗」とすべきではないのか、これでは師匠の名前が後になってしまっていて、どうもうまくないじゃないかということがとりあげられるのです。そして、日本では次のような説明がなされました。
 中国禅宗の初祖は達磨大師でありますが、達磨さまから数えて六代目にあたる六祖慧能禅師が非常に重要なお方とされています。この六祖大師がおられた場所が曹溪山であったことから、曹溪六祖大師の「曹」の字を採り、それを洞山大師の「洞」の字に重ねて「曹洞宗」とするのが望ましいというように説明されているのです。それに曹山本寂禅師は洞山様の弟子ではありますが、洞山様の後継ぎは雲居道膺禅師(46仏)でありますから、やはり曹洞宗とは曹溪の「曹」と、洞山の「洞」とを合わせたものだと考えるほうが筋が通ることになります。
 つまり、道元禅師の宗門とは曹谿六祖慧能大師の正しい宗風を伝えていると共に、達磨様の正しい仏法を伝えている。さらに遡れば、お釈迦様の正しい仏法を伝えているということから、「正伝の仏法」と示される訳であります。