近年、「葬式はしない」「墓はつくらない」「遺骨を山や海にまく」という論旨を見受けます。世相の背景にも関係するのでしょうが、特に直葬に対しては危惧杞憂するところがあります。ところで、有名な仏教評論家が「葬式仏教」と揶揄し、「仏教とお葬式は無関係」「霊魂(ホトケ)は、無我・空を根幹とする仏教教学と対立矛盾する」「葬式はいらない」などと書いていますが、それも個人の見解であろうと思います。参考 
 又、文化人と称する人の中には、「人は死んだらゴミになる」とか「遺骨にこだわるのは日本の悪習の最もなるものだ、墓参りなんてするもんじゃない」「葬儀やお別れ会はしない。できあいの思想や宗教や学問には寄りかかりたくない。寄りかかるとすれば、それは椅子の背もたれだけ」という強い意志で「葬式など不要」という方もおられる。又、葬式も戒名もいらない。自分の葬式で親族や他人の時間を拘束したくない。誰にも迷惑をかけないで、消えるように死にたい、という形の締めくくりを希望する方もある。しかしながら、いずれも自分の権利主張の範ちゅうであって「送る側の気持ち」を大切に考えているとは思えない。
 その葬礼にしても偲ぶ会とかお別れ式とはつまり告別式でしょう。でも、それだけのことなら原始社会の人類でも行っていたことです。葬儀の虚礼は戒めるべきでしょうが、法事の葬送とは告別式というだけではなく、老人に対する「翁」としての尊重、「大悲」や「慈悲」の心をもって仏さまとの出会いを願い、死を考えることは生を充実させる故の「願」が込められているのです。
 ところで、葬儀事情の変革は都会においては殊に顕著のようです。住宅事情や駐車場の問題、地域住民との関係も変化しており、自宅葬が困難ということもあるのでしょう。少子化で豪華な結婚式も低迷する折、そこに狙いを定めた葬祭業者の生き残りをかけたセレモニーホールが全国各地に次々と建てられています。「葬式仏教」どころか、時代は葬祭が産業化しており、その関連業者は葬儀社、花屋、仏具屋、石材業者、運搬業者、ギフトや飲食業者等がかかわり、更に資金と事業の巧みな葬祭業者はこれらを総合的に取り扱かって僧侶の派遣までしている。寺を持たない僧侶の布施の半分はハネるという。もっとも、すべての葬儀社がそんな扱いをしているとは思えないが笑えない話しです。それで、葬儀社が葬家に「お経料は高いんですよ」などと説明していたら笑い話にもならない。そんな現今の儀式が現状に相応しくないと感じ、「葬儀無用論」が生じてくる背景を感じるのです。 しかし、「魂」の概念を忘れ、直葬などという簡便な死体処理で死者をいったいどこに送ろうというのであろう。ロケットで打ち上げ大気圏で燃やしてしまうという散骨のニューバージョン「宇宙葬」というのもある。けれども、地球環境にやさしく、且つ経費節減というのであるなら太陽光で全部灰にするほうが理には適うかも知れない・・・。

 冗談はさておき、世は無常です。 いざ、お葬式となればどんなに悲しく落ち込んでいようといろいろな打ち合わせや判断をしなければならない。三日戦争ともいわれるが如く、短時間の間に種々煩雑な決断を同時に迫られ、葬儀が終わるまでこの状態は続くのです。
 最近の葬儀形態は田舎でも葬儀社依頼が主になっています。遺体の搬送から遺骨になるまで、その過程はシステム化され衛生的、効率的になった故に「鎮魂」の概念が変化しているようです。昔は地域共同体の掟を破った者に対してのルールとして「村八分」の慣習がありました。それでも葬儀と火事の時には助け合うというのが二分の心だったのです。昔は葬儀社や火葬施設はありませんでしたから葬儀準備は親族や地区の互助しかありません。遺族だけではどうにもならなかったのです。遺族は入棺や通夜と悲しみの行事を遂行するなかで、地区の人々は土葬なら穴を掘ったり火葬の為の準備をしたり、棺箱や墓地まで担いでいく棺台や位牌、飾り物など一式を手作りしたものです。食事の準備にしても仕出し料理などありませんでしたから、互助の取り決めや助け合いの精神がありました。時代は変遷して、今はわずらわしいしきたりを嫌がり、家の中に入れることさえ嫌って隣近所のつきあいを拒む。又、「葬儀哲学」のないような社長が葬儀社を経営する。良い葬儀社やお寺さんにめぐり会うならば有り難い仏縁となるでしょう。しかし、遺族が何も知らずに「どうぞ、よろしくお願いします」「お任せします」などというのは営利主義の葬儀社にとっては「実にイイお客さん」になってしまうのです。「葬儀一式」といっても、葬儀に必要な備品・サービスすべてが含まれているわけではなく多額の別途費用が必要になる場合の方が多い。「葬儀一式」の内容が葬儀会社によってまちまちなのです。わかりにくい分からないことをいいことに、「亡くなられたお父様も喜んでいらっしゃいますよ」という言葉に惑わされ過剰なものまで勧めに応じてしまう。いつかは必ずの「お葬式」に慌てないように「備えあれば憂い無し」、事前に心しておくならば、事にあたって冷静に対応できるし、費用を抑えながらも納得できる葬儀ができるのではないでしょうか。

ポイントは
葬儀社を決めておく(入会の有無は別)
葬儀会場を決めておく
葬儀の宗派を決めておく
葬儀の世話役を考える
葬儀費用について
葬儀社の「スタンダード」「プラン」の内容を確認する
参列者の範囲と予想人数の考え
お墓がない場合の考え
自分史(履歴や思いで、メッセージなど)をまとめておく


さて、仏式葬儀の流れを列記してみます。

病院にある遺体をどこに(自宅・斎場・寺院)搬送するか
病院を出るときには、病室を整理し死亡診断書をもらう
突然亡くなられた場合
搬送する葬儀社はどこに頼むか
遺体安置から納棺、通夜の準備
葬儀会場をどこにするか
お葬式の形式と規模をどうするか(身寄りの無い場合にはどうするか)
葬儀の日取りはどうするか(通夜・密葬・葬儀・火葬などの日程)
葬儀委員長(世話人代表)は誰に頼むか
寺院への連絡(お布施・戒名・通夜や葬儀日程・納骨について他)
親族、会社、地域への通知(お葬式の日時、場所が決定してからのほうがいい)
自分や家族のその日に入っている仕事をどうするか
「おくりびと」を頼むかどうか・・
遺体に対し「末期の水」「湯潅」「死に化粧」「死に装束(衣服)」をどうするか
しきたりの問題(末期の水・北枕・守り刀等々別ペ−ジ参照)
故人の写真の選定
予算並びに現金はいくらぐらい用意するか
喪服、礼服の準備(喪服がない場合にはどうするか)
食べ物や飲み物、引き物はどうするか(どのくらい、どこから用意するか)
弔問客のお悔やみに答える作法や挨拶の仕方
焼香の仕方とその順序
受付や香典の管理は誰に頼むか
弔辞の依頼や喪主、親戚代表の挨拶
火葬場での作法(僧侶の読経依頼はどうするか)
精進落としの方法をどうするか
遺品の整理(形見分けはどうするか)
香典返しはどうするか
お墓、納骨はどうするか(散骨について)
葬儀後の供養をどうするか(初七日から四十九日迄と100ヶ日(卒哭忌)をどうするか)
香典返しはどうするか

 これらの難問が悲しむ暇もなく葬儀の遂行に向かって進行しますので、身内だけで行う「ジミ葬」を希望していても、そのつもりで準備していなければ「緊迫した時間」のなかで遺族は疲労困憊してしまいます。先に申しましたように葬儀社に「お任せします」では、あとで文句は言えません。尤もジミ葬をした為に、人徳ある故人の知人にずるずる来訪されてかえって時間の浪費になってしまったということもあります。
  葬儀後にも遺族にとっては事務的な手続きがいろいろあります。葬儀社、病院、仕出し業者への支払いなどがそれです。故人が生命保険に加入していた場合には、二ヶ月以内に必要書類を揃えて保険会社に提出しなければならないし、遺産相続の手続きなどについても考えなくてはならない。死はいつ誰にどのようにおとずれるかわかりません。故に、「自己の葬儀」「最後の教授」を考えておくことは大切なことと思います。

 次の要項は、下記の具体的内容「葬儀の手続き全般について」に記しています。

 病院で亡くなったら遺体を運ぶ手配と死亡診断書をもらう  
 搬送をする葬儀社を決める 
 主な親族、特別な友人知人に電話で知らせます 
 葬儀場の準備 
 遺体の安置と枕飾り 
 喪主の決定 
 菩提寺に電話で死亡の知らせをし、相談(寺つげ)に行く日時を確認する 
 寺院と打ち合わせをする(寺への相談には必ず二名で行く)
 葬儀委員長(世話役代表)を選任
 死亡の通知 
 市区町村の戸籍係に死亡届けを出し、埋火葬許可証を交付してもらう 
 葬儀社の決定 
 葬儀社の具体的な手配内容 
 世話役(各係役員)の仕事内容 
 入棺(納棺)・お通夜の準備 
 葬 儀 
 出 棺 
 灰寄・初七日法要 

 葬儀を終えて 
 35日(49日)忌上げ法要と納骨 
 生命保険や遺族年金関係の相続関係手続き 

当寺永代供養塔「絆」 平成23年完成

具 体 的 内 容
葬儀の手続き全般について
司会者用葬儀差定      
葬儀しきたりの由来説明    
喪主並びに葬儀委員長の挨拶文例 
事故死、変死、自殺などの時の手続き    
都会で葬儀をしたが田舎の菩提寺が納骨拒否!
焼香の作法
戒名とは何か
10 永代供養塔「絆」へ


仏事・葬儀の参考リンク
葬儀ベストネット 著名人の葬儀スケジュ−ルもある
仏事百科 仏事マニュアル
葬儀の死亡ケース別対応
葬儀、挨拶com 葬儀や法要寺の挨拶例文
葬儀仏事センター
葬儀社紹介センタ− あさがお葬儀社紹介センタ−
葬儀社 アーバンフューネス
もんぜん 仏教関連ホ−ムペ−ジをジャンル別に 網
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