幻
遠くで聞こえる小さな機械音
微笑みが遠ざかっていく
不愉快な音
ゆっくりと意識が引き戻される
時計は、毎朝同じ用に仕事をする
幸せな時間を奪い取る
聞こえたのは小さな目覚ましの音
見ていたのは、二度と手に入らない、幸せな時間
優しい微笑みも
懐かしい声も
そのすべては幻
すべては夢の中の出来事
もしも願うことが許されるならば
夢の中の世界がどこかに存在する事を
幸福に生きるもう1人の自分がどこかに存在する事を
静かに捧げる祈りに
もう一度目覚ましの音が重なる
現実へと引き戻す音
夢を見ることをゆるさない
そんな哀しい音
第1回目アンケート実施後アンケート回答者に対するささやかなお礼として、UPされた“時計”の対になる作品
この部屋もそれと同時に密やかにOPしていたのだが………
それに気付いた人は…………いなかったらしい(大破)