お守り
村外れの小高い丘の上にその家はあった
前庭には整然とバラの花が植えられている
夕暮れの中、丘をゆっくりと上ってくる人影
丘を登り切った頃、家の扉が開いた
中から飛び出して来た小さな人影
抱き着いて来た子供を彼は抱き留める
「ただいま」
彼の声は、夕闇の中へととけた
少女は夕暮れの中に幻影を見る
やがて………
逆光の中に人影が見えた
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