状況確認


 
「さて、状況を確認しよう」
ホテルの一室に落ち着いた所で報告が始まる
キロスの視線は、オルロワへと向いている
「バラムとガルバディア、何か得るものがあったのだろう?」
何か確信しているかの様な口調
「何か、報告が?」
口から、思わず零れたオルロワの疑問は、笑みを浮かべたまま無視される
「バラムとガルバディア、不穏な動きはガルバディアの方が大きいですね………」
言葉を続けながら、集めてきた資料を順を追って並べる
「バラムガーデン及びバラムでは、やはり“魔女”の事が波紋を広げてましたね、そっちの方は、あいつが引き続き状況を探っていると思いますが……」
ホテルの小さなテーブルの上一杯に置かれた機械
「“魔女”の件に関しては、バラムガーデンの方は全く知らされていなかったようですね」
機械のスイッチが入り、不鮮明な音が流れ出す
何事が、相談する様な、言い争うような、声
『魔女の話、聞いてない』
『………魔女の件について、ガルバディアガーデンの方へ問い合わせる必要がありますね』
どこか噛み合わない話
命じる声が聞こえる
「バラムガーデン内部についても、不審な所はありますが……その辺りは後に回します」
ガルバディアへと、書状を運んでた人物の事が詳しく語られる
自分達の任務の内容を知らない
自分達の仕事の必要性も知らされない
ただ、書状を運ぶ事を命ぜられただけ
オルロワが語る事に
スコールは内心首を傾げる
……機密性は大切だけれど、それだと何かあった場合、状況判断が出来ないんじゃないか?
それともこういうのが普通、なんだろうか?
「それで、問題はガルバディアガーデンの方です」
オルロワの声が、考えに沈みかけたスコールの意識を引き戻す
「あそこが“魔女”の存在をどう思っているのかは、不明です」
ゆっくりと言葉を句切る
「ガルバディアガーデンは、SeeDに魔女暗殺を命じました」
オルロワの言葉に、サイファー達がされていた依頼を思い浮かべる
「重要なのは、SeeDに任務を命じる事ができるのはあくまでも、バラムガーデンだと言う事です」
………?
あの時の命令は、確かに“バラムガーデンのシド”って……
「ガルバディアガーデンには命令権は無い、けれど……」
「魔女の存在を掴めていなかったバラムガーデンには、命令する事は出来ない、という事かな?」
「勿論、魔女の存在が確実なモノであるなら、といった命令を下す事は可能です」
2人の会話がゆっくりと頭に浸透する
「……だが、都合良くSeeDがその場にいるとは限らない」
SeeDがあの時あの場所にいたのは、スコールとキロスの手助けがあったから
「むろん、時間を掛けて実行されるという可能性もありますが……」
「いや、それは無い」
キロスが窓の外を指し示す
「もうすぐ、魔女のパレードが始まる」
窓の外からざわめきが聞こえてきた
 
 
 To be continued
 
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