事実と疑問


 
F.H.
かつてエスタから離れた技術者達の住む土地
暴力を嫌い、平穏を好む
それぞれが取得した技術力を惜しげも無く与える場所
理想と志を抱えて生まれた小さな国
―――理想は理想
争いが起こる事を嫌い、強制的に他者を排除しようとする態度
不意のトラブルに、否定していた暴力へと人を向かわせようとする態度
………底の浅い理想の姿を見せつけられた
結局は行われた戦い
それは―――
攻撃を仕掛けてきたガルバディア軍の目的は、人捜しと言う名の占領
戦いとなったのは必然
聞く気の無い相手に言葉は通じない
力に訴えようとしている人間に………
F.H.の技術者のお陰で、ガーデンの修復は修復した
攻撃を仕掛けてきたガルバディア兵士と、ミサイル基地に侵入していた雷神達のお陰で魔女の目的の一部を知る事が出来た
“エルオーネ”
聞き覚えのある名前
報告を受けてシドが顔色を変えた
そして、今は緊張をはらんだ静寂の時間
目を閉じた耳に、波の音が聞こえる
『魔女を倒す為の旅に出ます』
唐突に宣言された言葉、そしてエルオーネという名の少女が最近までガーデンに客人として居たと言う事実
行方不明になったという現状
次々と明かされた言葉の数々
次々ともたらされる情報を聞きながら
――何かが可笑しい
理由もなく感じたのは違和感
『SeeDは魔女を倒すための存在です』
シドはまだ他に何かを知っている
『全てのSeeDは、今後魔女を倒す事を最優先任務とします』
沸き上がる不可解な感情と共に、確信にも似た想いが脳裏を満たしていた

ようやくガーデンの修復が終わった
ゆっくりとガーデンが動き出す
―――魔女を倒す事
このまま馬鹿正直に魔女へと攻撃を仕掛けた所で、以前と同じ様に圧倒的な力の前に屈する事になる
認めたいとは思わないが、誰一人として異を唱えなかった見解
今の俺達には力が足りず、情報が足りない
「キーとなるのは、“エルオーネ”ね」
その名前に、何か遠い記憶が刺激される
「じゃあ、まずはエルオーネの行方から探して見ようぜ」
手がかりを探して、ガーデンはバラムへと向かった
 
 

 To be continued
 
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