海上から遠目に見えるガルバディア軍の船 港には我が物顔で歩き回る兵士の姿が見える このまま素直に近づけば、すぐさま発見されるだろう 今までの状況、情報を思えば、ガルバディア軍がバラムガーデンを発見すれば攻撃さるのは必至 このままバラムへ近づく訳には行かねぇ 取れる行動は2つ 今はバラムへと近づく事を諦める 発見される事の無いポイントから密かに上陸を果たす 考えられる事はこの程度だ 「このままガーデンを近づけるのは自殺行為だわ」 ガーデンの一室で今後の行動を巡る話し合いが続いている 「即発見、受攻撃」 「バラムに駐留するガルバディア軍だけでなく、直ぐに本国の方にも連絡が行くはずよ」 「もし攻撃から逃げ切る事ができたとしても、追跡される危険性が出る」 夜の暗闇の中ぼんやりと、明かりが見える 「でもよ……」 「今も何時発見されても可笑しくない」 こっちから見る事が出来るという事は向こうからも見る事が出来る、かもしれねぇ 性能の差もあるだろうから一概に見えると断言はできねぇが、それほど技術差は無いって話だ 「ガルバディア軍……というより、魔女の動向を探る為に、情報が必要なのは確かだわ、けれど私達が求めようとしている情報が何処まで重要なのかはわからないわね」 ガーデンから姿を消し、ガルバディア軍が探している一人の少女 ……………? 「ガーデンから姿を消した?」 「ええ、白い服を着た客人達がそのことで………」 話をしに来たんだよな?シドの野郎に…… 言葉を止め考えこんでいたキスティスが視線を合わせる 「重要な意味があるわね?」 「だろうな」 ガーデンに招き入れた客 それと、特別とも言える待遇 「シドに聞く必要がありそうだな」 考えて見れば単純な事だ 今現在の居場所を知るとはいかなくとも、何者なのか、何故狙われるのかの心当たりくらいはなければおかしいよなぁ? ガーデンという安全な場所へ護衛と一緒に匿っていたようだしな 「……あなたは何か聞いてないの?」 「何も聞いて無いわ、そもそも依頼者の依頼内容は秘密事項だしね」 会話を交わしながらシュウが立ち上がる 「学園長を呼んで来るから、話を続けていて」 扉が閉じる音が響く そして、沈黙 「続けてって……何話してればいいんだ?」 今回ばかりは、その意見に賛同だ 「バラムに向かうも、向かわないも、今から聞く話次第だ」 追う必要がある相手なのか、それとも違うのかも全部判明すれば楽なんだがな 皮肉気に笑ったサイファーの耳に、言葉として聞き取る事の出来ない、小さな呟きが聞こえた To be continued
|