良く知った建物の中 見たことも無い兵士の姿 好きではなかったけれど、毎日の様に生活していたその場所が見知らぬ場所へと姿を変えた 救いなのは、知り合いの姿が無いことかな? 今共に戦っている友人達の事はそりゃ大事だけれど 別れてから再び出逢うまでの時間が存在していて その生活の間にちゃんと家があって、友人がいる 「次、どこに行けば良いんだ!?」 それなりに入り組んだ通路で、足を止めてゼルが問う 「何処って言われてもねぇ〜」 ゼルの声に我に返りながら、 どうしようも無い考えに捕らわれて居たことが気付かれないように アーヴァインはわざとのんびりした言葉を返す 「ガーデンのことは良く知ってるけど、魔女イデアが何処にいるのかは知らないよ〜」 “魔女イデア” 口にした言葉に小さく心が痛む 戦わなければいけない敵で、今まさに戦いを挑もうとしている相手 解っていても心のどこかが主張している ―――戦いたくないって 「…………そうだな、何処が目的地なのかなんて知らねえよな」 微かに曇ったゼルの顔 なんでも無い事の様に続けられた言葉は何処か弱々しい 戦う事に対して何処か納得出来ない気持ちも、すっきりとしない感情も 多分みんな一緒 「とりあえず中心部を目指しましょう」 「簡単に攻め込まれない位置がセオリーだしねぇ」 毎日通った建物内 見かけたこともない妙な仕掛けが所々に見えるけれど どれもそう大したことじゃない 時折現れるモンスターやガルバディア兵を退けてアーヴァイン達はガーデン内部へ 大講堂へと向かった 武器を構え、周りに散ったナカマ達と視線を交わす
始めて見る建物
「よく此処まで来た」
To be continued
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