復活
空から降り続くモンスターの群れ
月に住む凶悪なモンスター達がエスタへと降りてくる
人々を護る為に起きた数々の戦闘
あちこちで起きる小規模な戦闘に紛れて、戦いが起きていた
地表へと機関するいくつかの装置
ただ少しでも早く月の涙から逃れる事を考えて発射された装置の到着地点は様々で、地上のエアステーションの職員達が必死でそれぞれの着地点を割り出していた
―――決して扉を開けない様に
―――エスタ兵が救出に向かう迄は外へと出ないように
小さな機械の中で、警告が幾度も鳴り響く
無事月の涙に巻き込まれる事無く脱出を果たしたとはいえ、モンスターの集合体である月の涙が辿り着く先も、脱出した自分達が辿り着く先も、同じエスタの地
運が悪ければ、同じ位置へと辿り着く可能性がある
不用心に扉を開ければ、モンスターの群れの中ということも充分に考えられる
兵士達が安全を確認し扉を開ける迄、決して外に出てはならない
幾度と無く繰り返される警告に紛れて、地上からの通信が飛び込んで来る
位置を確認されたとの報
既に兵士達が現場へ向かっているとの報
通信が入るたびに、自分達が乗った脱出艇の番号を確認する
流れてくる通信に、地上の状況が確認出来る
突然起こった月の涙の原因
月のモンスターの他の敵―――ガルバディア兵―――の存在
伝えられる情報に、脱出艇に装備された護身用の武器を取る
助けが来る前に、ガルバディア兵が来る可能性
そして………
『出来る限りの準備はしておこう』
武器を手に装備を調え、ウォードがエルオーネへと幾つかの品物を手渡す
―――魔女アデルが地上へ落ちた
力を無くさない限り魔女が死ぬことは無い
ならばアデルは確実に生きているだろう
そして地上へと落ちた衝撃で、封印は壊れてしまったかもしれない
幾度か聞かされた魔女の物語
スコールは、渡された品々を不思議そうに見つめ、身につけるエルオーネの傍へと身を寄せる
魔女アデルが墜落した現場がここから遠ければ良い
ウォードに倣うようにスコールもまた武器を手にし準備を固める
準備万端とは言い難い頼りない装備
今魔女と相対しても、勝てる自信は無い
次第に高くなる鼓動
聞こえてきた通信が、兵士達がスコール達の元へ向かった事を知らせる
到着までに必要とする時間は―――
ゆっくりと時間が過ぎてゆく
衝撃が身体を襲う
強い衝撃が風となって髪を巻き上げる
舞い上がる砂塵の中へと近づいていく身体
砂煙の中に見える金属の塊
楽しげに、ぞっとする声で
魔女が声を上げて笑う
―――頭が痛い
ゆらゆらと揺れる視界
巨大な金属へと手が触れる
しっかりと触れた手の感覚が遠い
私の身体を返して
幾度と無く言った言葉に、小さな反応が返る
手の動きが止まる、背後へと向けられた意識
微かに音が聞こえた
To be continued
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