相談
もたらされた情報の数々
複雑に絡まり合った情報の数々は打開策や、様々な変化をもたらすための手段になるはずだ
だが、思い付いた事を片っ端から試してみるだけの時間はない
―――そんな余裕を暮れる程優しい相手じゃ無いだろう
情報を把握して、状況を把握して
最良の道を選ばなければならない
現在解っている事と導き出される最悪の出来事
さけられそうも無い事、どうやっても避けなければ成らない事
いい手を思いつけって言われても、今の状況だと思いつきようも無いぜ
今手元にある情報の数々は、どれもが報告としてもたらされたモノ
情報を持ってきた人間と直接話をした訳じゃない
少し話を聞いて見る必要があるかもしれねぇな
ラグナが口を開こうとしたその時、ゆっくりと扉が開いた
室内には、思い沈黙が立ちこめていた
月の涙の発動やガルバディアの襲撃、魔女の復活
立て続けに起きた出来事を考えればこの雰囲気も仕方が無いのかも知れない
けれど………
「ちっと今はめんどうな事になってんだ、悪いけどなんか良い手が無いか考えてくれないか?」
いつもと変わらない口調と声
当たり前の様に自分達を会議の場へと手招く
「確かに1人で考えるよりも、皆の意見を参考にした方が考えもまとまりそうですね」
室内の空気が微かに緩んだ
魔女の狙いはエルオーネだ
“魔女”が複数いる上に、多少複雑な事になってはいるみたいだが
アデルにしろ、ガルバディア兵を操っている魔女にしろエルを狙っていた事に変わりはない
エルの元に“魔女”の手が伸びないように周囲をガードするってのは最優先事項にして間違えは無いはずだ
後は魔女の目的や、ガルバディア兵の目的だが………
状況報告を聞く限りでは、ガルバディア兵士は“魔女”の命令で動いている様だ
だとすれば、ガルバディア兵の目的は今のところ“魔女”と同一として考えて良いはずだ
………魔女が居なくなった後どうなるかは警戒する必要があるけれどな
ついでに言えば、月の涙の影響でエスタ各地に出現しているモンスターの方は目的も何もある訳が無い
そっちは考える必要は無いだろう
それで肝心の“魔女”の目的だが………
「良くわからねぇな」
魔女が何を目的に行動しているのか、聞いた話だけでは把握出来ない
エルを欲している事は解っただが、それはなんの為に?
そして、最終的な目的はなんだ?
改めて一度話を聞くべきだろうな
「オダイン博士を呼んで来た方がよそさうですね」
あんなのでも魔女研究の第一人者ですし………
オダインの名前に微かにエルオーネの肩が揺れる
さりげなくキロスがエルオーの傍へと近寄る
視線で送られる合図
「―――だな、その他にも詳しい話が聞きたいからSeeD達も呼んでくれるか?」
ラグナの言葉を受け、兵士が1人足早に退出していく
「んで、エルはキロスと一緒に避難しててくれるか?」
エルを探しているというSeeD達、それと理由は合ったらしいが確かに敵対していたはずの“魔女”の存在
下手に居場所を知られると危険にさらされる可能性が高くなる
安全の為にもエルの存在は隠した方が良い
ほんの僅かの間エルオーネと視線が会う
「………解った、けど後で必ずどうなったのか教えてね」
昔と変わらない笑顔が返ってきた
To be continued
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