スコールの目の前には、モンスターが立ちふさがっていた ガンブレードを構え正面から斬りかかる 振り下ろした腕に肉を切り裂く感触が伝わってくる 痛みに身悶えるモンスターの身体から、ガンブレードの刃が抜け掛ける スコールは、力ずくで刃をねじ込み引き金をひく 鈍い音をたてて弾丸が発射され、振動で動く刃が肉をえぐる 弾丸が発射されたその反動を利用して、スコールはモンスターから離れる 着地したスコールの視線の先で、モンスターが咆吼をあげる ガンブレードを構えるスコールへ手傷を追い、凶暴化したモンスターが襲いかかる 鋭い一撃をガンブレードの刃で弾き、返す刃でモンスターを斬りつける 長く絶叫を上げモンスターは息を止める モンスターが生命活動を停止した事を確認すると、脇を通り抜け先を急ぐ モンスターが死んだのを確認して移動するのは、死にきれていないモンスターの必死の攻撃を背後から受ける危険性をさける為 道を遮り、立ちふさがるモンスターをスコールは排除し、先を急いでいた まずはモンスターの発生源をどうにかすること、取りこぼしはそれからでも遅くない スコールは、モンスターが現れる方へと急ぐ 何かに気づいた様に立ち止まり、幾分顎をあげる様にして前を見据える 来るっ……… 前方から新たなモンスターの気配 人々は息を潜め静まり返っている 数が多いな…… 生き残りにしては多すぎる気配がする 遠くで微かに銃声が聞こえる きっと、軍が動いているのだろう それならば、取りこぼしたモンスターは、後から来る兵士達が片づけるはずだ それにしても、これだけのモンスターを見逃していたのか? 現れるモンスターの数、感じ取れるその気配は、半端ではない エスタの街中では、モンスターは一掃した、と言っていたはずだ 命じられた任務はモンスターの殲滅 ………いい加減だな…… この状態で、一掃したという報告、そして真実を確かめなかった相手に無性に腹が立つ スコールは、タイミングよく現れたモンスターに“飼っていたんじゃないか?”という疑問を覚えずにいられなかった ……そこまでいい加減でもない、か…… 人々を危険にさらすような真似はしない、だろう…… 今回の任務は、モンスターの殲滅 事態は当初の目的と多少のずれが生じたが、仕事をしない訳にはいかない 視界の先にモンスターの姿が見える 構えた掌に魔法が凝縮される まだ遠い……… スコールは、モンスターとの距離をはかる 掌に光が生まれる スコールを見つけ突進してくるモンスターに対し、魔法を放つ モンスターを中心に爆発が起きる 光に隠れる様にして、ガンブレードを引き下げ走る 魔法の力にどうにか、モンスターが耐えきったその瞬間、ガンブレードが突き刺さった 条件反射の様に繰り出される攻撃は、スコールにかすりもしない ガンブレードを動かし、モンスターの肉体を切り裂く あがる悲鳴は弱い ? 刃先が伝える来る感触がいつもと違う ……やわらかいな…… 絶命したモンスターから、ガンブレードを引く抜く ずいぶんとあっさりと息を止めた様に感じる …………まだ身体ができていない? 成体へ変化した虫は、身体の外郭が柔らかい事が多い、もし、モンスターにもその法則が当てはまるのならば……… …………今は、考えてる場合じゃないな…… スコールは考えるよりも、先へと急ぐ事を選ぶ モンスターが現れる方角は常に一定 それから考えるならば、きっとモンスターの発生源は1つだろう ガンブレードを一振りし、中心街へと一直線に走った 失敗した………
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