(1 SideI)
それを知らせたのは、通りがかった店先のテレビだった ホテルがテロリストによって占拠された ニュースはそれ以上詳しい事を報じなかったが、僕たちはすぐさまホテルへと引き返した ホテルの前には、報道陣や警察、果ては軍隊らしい人物が集まっていた 「すごい騒ぎになってるな」 「それはそうよ、今日はいろんな人がこのホテルを利用してるわ、それこそ、世界各国の人達」 ゼルの漏らした言葉にキスティスが、答える 確かに今日は式典のおかげで、世界各地から人が集まっている、そして、ここには、式典に参加した人達も泊まっている 「なにかあったら国際問題だよね」 というより、もう問題になってる、テロリスト占拠の報は、衛星を伝って、世界各地に報道されたはずだ 「すごい騒ぎになるかも……」 外出していた、ホテルの宿泊客が戻ってくる 家族や知り合いを中に残した人達が、ホテルの周囲に立つ警備員を捕まえて、話しをしている 「スコールは、まだ中にいるのかな?」 セルフィの言葉に、アーヴァイン達は、顔を見合わせた 「スコールだし、いるんじゃないか?」 ゼルの言葉は、正しいと思う 出かけないっていったスコールが今更外に出ていく訳はない 「スコールなら大丈夫だとは思うけど……」 全員の視線が、ホテルへと集まる 「……達は………レストラン…人質………」 途切れがちな声が聞こえてきた 「1人でどうにかするってのは、難しいんじゃないかな?」 複数の人質に、何人ものテロリスト 1人ですべてに対応するのはきっと、難しい 「地下水路から、中に入れるんじゃないかな?」 「デリングシティは、街全体に水路が張り巡らされてるから大丈夫だと思うよ」 アーヴァインは、セルフィの言葉を肯定する どこに出るかはわかんないけど、やってみる価値はあるよ 「そうね、行ってみましょう」 キスティスの言葉で、アーヴァイン達は、ホテルに潜入する事に決めた |