英雄と遺産
(プロローグ)
―――報告書―――
エスタ国籍の貨物船が、海上にて突如消失
姿を消す前の報告は一切なし、が、当日の天候は、波は高く視界悪し
事故の可能性はきわめて高い
よって、直ちに捜索船及び調査船を派遣
同海域において探索を開始
始まりは嵐の海上
貨物船は、天候は悪いとはいえ、慣れた海路をエスタへと向け航行していた
船員達の間には、適度な緊張感があり船内の雰囲気は上々
船員達は、帰国後の予定を互いに語り合っていた
ふいに、船体に衝撃が走った
さほど強くも無いその衝撃は、船員達の油断を誘った
彼等は、小さな漂流物が船体にぶつかったのだろう、とそう思っていた
やがて船は
その船体をゆっくりと沈めていった
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