(傍視 SideL)
何を見、何を思うだろう “セントラ”という場所 今のセントラの姿から、スコールは何を知るだろう ぼかした言葉で“セントラ”という場所へ意識を向けさせたのは自分だ そして、その意志に従うように、スコールは“セントラ”を気にしている だが……… 「いったい何を望んでいるんだろうな」 俺は、いったいスコールにどうして欲しいと思っているんだ? “セントラ”は触れてはいけない場所 不用意に手を出し、刺激しては危険な所 目を閉じるラグナの脳裏に、セントラの壊れた大地が思い浮かぶ かつての陸地は破壊され海に沈んだ かつての豊かな大陸は粉々に壊された あそこは人が住む場所ではない セントラを逃げ出した男が淡々と語った言葉 怒りでも憎しみでも無く、それがただの事実 ならば何故あの地に暮らして居たのかと問えば、答える者はいなかった モンスターの襲撃 モンスターが蔓延る地 月の涙の落下 セントラ崩壊の理由 ラグナはエスタの街並みを見つめる 月の涙は世界各地に落ちている 月の涙は世界各地に被害をもたらした けれど滅んだのはセントラ、ただ一つ 月から落ちるモンスターの衝撃に変わったと言われる地形 規模の大きい、変わったと言える地形の変化は世界に2つ あまりにも違う規模 誰も口にしない事 誰も思いもしない事 けれどとても単純な事 つい最近エスタにも月の涙が落ちてきた 都市を直撃した訳じゃない 自然発生したものよりも多少規模は小さかったかもしれない だが、それでも、都市に近い所で月の涙は発生した エスタは滅んではいないだろう? 確かにモンスターの被害は受けたが、エスタの街や村は一つも壊滅したりはしていない エスタの軍事力、科学力が高い? そうだな、他の国よりも高いかもしれない だが、セントラの科学力はこんなもんじゃないだろ エスタでは、月の涙で落ちてきたモンスターの討伐が完了している セントラの地を未だモンスターが覆うのは何故だと想う? 月の涙が起こったのは随分前だ 世界中が、目を背けていた事実 夕日が街並みを紅く染める 「大統領」 背後から聞こえた呼びかけの声に、ゆっくりと意識が現実へ戻る 「おう、今度はなんだー?」 いつもと変わらない日常、いつもの光景が戻ってくる 真実を知りたい
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