「MILLENNIUM SHOCK」 ちょこっと観覧記
2000.11.11 帝国劇場
◆私の「MILLENIUM SHOCK」は11月11日夜公演。ポッキー&プリッツの日に行ってまいりました。帝国劇場に入ったの2回目(^_^;)。芝居は好きだけど日比谷には滅多にこないですねえ。開演前までは座席で飲み食いできるのに感動したりしました。そして定石、とりあえずのパンレットGET。で、でかい…。へへ。でもこれで2,000円はお得かも、な内容です。四天王の麗しいお姿満載〜。稽古場のフォトもたくさんのってるんですが、なぜか劇中劇「ハムレット」での、光一さんがヒガシの腰にとりすがるシーンの稽古の写真がたくさんあって笑えました。
◆舞台の左右(ま、花道脇の壁、天井まで一面)に白くておっきなマスクのオブジェがしつらえられてまして。緞帳は下がっててそれしか見えないものですから、「なんでジャニさんってマスク好きなんだろうねえ。マスクプレイ愛好者の性向とはいかなるものか?」なんてくだらない話をしてました。←死。そんなうちに開演。
◆人物整理。
ヒガシ…長男。ミュージカルカンパニーの座長だったが、ブロードウェイでの興業の失敗を苦に3年前に自殺。現在はゴーストになってカンパニーを見守っている。
コウイチ…次男。亡き兄の後、カンパニーの筆頭役者として興行中。
アキラ…カンパニーの重要な役者。
ツバサ…三男。同じくカンパニーの役者
他に、ヒガシの妻(鈴木ほのか)、カンパニーのリーダー(篠井英介)。◆あらすじ。
割愛。◆光一さんの登場シーン。ただ立ってるだけなんですけどね。やっぱりここが全てだと思うんですよねえ。ものすごい凛々しいです。髪の毛のサイドがササーっと流れて、ピンっとなってて、まるでマンガのようです。ああかっこいい。そしてしょっぱなからフライングの嵐。4人が客の頭上を、あのアジアツアーさながらにびょんびょん飛びまわります。そこの方!手を伸ばしても触れませんヨ(笑)。
◆にしてもジャニーさんのミュージカルって、なんでこう「ショウに関するショウ」なんでしょうねえ。自己言及的と言うか。ショウビジネスの成功とその影。ジャニーさんの心のうちは、余白がないくらい「ショウ」ってものに占められているのかなあ。他の物語が入り込む余地がない。なんか、それはそれで感動的。…なんて思ったんですが、「劇中劇」っていうと、物語の枠にとらわれずにいろいろなナンバーを見せることができるからか。結構当たり前の理由によるものかもしれません(^_^;)。
◆「舞台では人が死ぬ」。よく聞く言葉です。ジャニーズの舞台を見るといつもこの言葉を思い出す。だって、あれは死ぬ(笑)。特に今回は数十億円規模なだけありまして、装置転換がものすごいめまぐるしい。特殊効果もばしばし。マジックばしばし。スタントばしばし。段取りの違い一つが大変なことにつながります。現にこのときは光一さん、「津軽」のナンバー(幻炎)のところで、翻った衣装の裾に特効の炎が燃え移りそうになってましたもん(>_<)。それぐらい張り詰めた緊張感がある。うん、この緊張感はジャニーズの舞台って他の追随を許さないかもしれない。見てるほうも心地よいです。
◆光一さんのナンバーで一番好きだったのは、アキラのタップ(これもよかった☆)が終わったあとのMA従えたソロ。曲名はあまりにも不明なんですけど(^_^;)。振り付けも面白いんですよねえ。いっつもサン○ェさんの振りばっか見てるから新鮮(笑)。かの有名な「幻炎」も堪能させていただきました。冒頭部の最初の日本舞踊のようなスローな動きがとってもキレイ。炎がスーッと動いていくさま。そして光一さんって、連獅子のあのカツラみたいなんがめっちゃ似合う!ヒガシってとっても和風な顔ですけど、ヒガシより絶対似合うって!←力説。たぶん顔のカタチがいくぶん丸いからじゃないかなあ。博多人形のようです。そして激しく頭を振りながら空中ブランコで上がっていくところは、狂気(madness)が伝わってきてよかったッス。そうか、獅子ってこういう狂気なんだなあ。それから祇園祭りのところも、冬コンの「FUNK2000」をホーフツとさせまして好きでした。
◆しかし、続くヒガシの「カルミナ・ブラーナ」でワタシは魂を抜かれてしまったのでした。…なんだコレ?なんだコレ?!巨大な日本間の奥に赤い十字架。白ブラウスのヒガシと沢山の女性ダンサーが優雅に舞う。かかる曲は「カルミナ・ブラーナ」。…この曲で踊れる人なんて日本にヒガシしかいねえッス(除くバレエダンサー)。あまりのことに客席みんなが固唾を飲んだッス。ワタシは見てる間中、昔「みなさんのおかげです」でノリさんがやった「ボレロ」が頭から離れなかったりしましたけど(爆)。あとヒガシは「back to BACK」良かったな〜。
◆特筆すべきはやっぱり、劇中劇「ハムレット」!しかも平安王朝風にアレンジされております。衣装がとてもウツクシイ。寝殿造りふうなセットもウツクシイです。3幕1場の「生か、死か。それが問題だ」というあの有名なセリフが登場するところですねえ。母の不実を亡き父の亡霊に明かされ、「復讐せよ」と告げられるハムレット。いんや〜、光一ハムレットの懊悩には女々しさがない!これは一重に人柄であります。うんうん。シェイクスピアもおもしろかろ?>光一さん。いろいろな演出家のいろいろな舞台を踏んで欲しいなあ、なんて思いました。ワタシのお友達は「『復讐せよ』ってゴーストのヒガシが亡き父の役を借りて言ってるんだから、実はヒガシは誰かに殺されたんじゃないかと思ったよ」なんて言ってました。あはは。それナイ(笑)。ジャニーズミュージカルは伏線ゼロっす(笑)。それからここの幕切れは、亡き父の亡霊(ヒガシ)にとりすがるハムレット(光一さん)、舞う吹雪、ってシーンなんですけどね。ここではハムレットはまだ復讐を決意するには至らなかったとは思うんですが、「父を愛するあまりに母を殺す」ってモチーフはなんか、とってもジャニーズの世界に合ってるなあ、なんて思いました。えへへ。シーン自体も目に焼き付く美しさです。雪は紙と、あと人工雪(泡みたいのかな?)両方舞ってました。
◆だいたいお気づきかもしれないですが、ワタシはコスプレ好き(笑)。だからジャパネスクなナンバーを和風衣装でやられちゃったりすると、ほんとヤラレます。「忠臣蔵」のワンシーンもやってましたねえ。ここに殺陣がちょこっと入ってました。光一さんの殺陣ってスピーディで好き。もっと長く見たかったッス。それからコスプレといえば、メーテル(>_<)!兄の墓前のシーンで、黒のロングコートを光一さん着てるんですけどね。襟とソデが同色(黒)のファー(T_T)。もう、もんのすごいメーテルでした。衝撃。帽子かぶせたい…。
◆気になったセリフは、「そんな気持ちでこの仕事をやってるワケじゃない」ってコウイチのセリフです。重傷のツバサ抜きでも幕を上げようとする場面です。このミュージカル通して一番重要なシーンなんじゃないかと思います。あざといな、とも思いますけどね。コウイチさんにこういうセリフを言わせるのって。でもやっぱりドキッとするんだよなあ。だって真実ですもん。
◆多分恒例になっているらしいアドリブコーナー。ツバサは回復してニューヨークにやって来たシーンで、「こんなに元気になった!」と反復横跳びをしてました。できてなかったけど(笑)。光一さん、「リーダーはいつも反復横跳びだよな!」(←なんじゃそりゃ)と篠井さんにふったんですけどねえ。「簡単には見せられない…」とかわされてました。惜しい。赤坂君にも。で、再びツバサが何かしてみろ、ってことになって(←不憫なコ)、「じゃあ、バク転に似たものやります」って宣言したら、光一さん、「バク転を煮るのか?」ですと(^_^)。ここ一番おかしかった。テンドンして(2回やって)ました。赤坂君は身を切るような光Gネタのアドリブが多くて、「オレ笑えねえ」と思いながらも笑っちまいました。あはは。
◆しかしなあ…「ストーリー」を求めてしまうのって、やっぱ野暮なことなんですかねえ。「『MASK』と一緒やん!」とか、言っちゃいけないのかなあ(^_^;)。ミュージカルって普段見ないんで、見方がよくわかんないんですけどね。でも、ただの歌と踊りのショーじゃなく、底に流れるストーリーがあるってことは、2時間なり3時間なりの時間のなかで、その時その時の曲と曲を繋いで大きくうねる「何か」がなくちゃならないハズなんじゃないかなあ、と思うのです。シロートながら。そういうgrooveみたいなものをあまり感じなかった。その時その時はその曲の素晴らしさ(「One by One」を始めとしてほんとイイ曲多かった!)やダンスの素晴らしさに感動したんですけども、幕切れに、「これが僕たちの『SHOCK』です」って光一さんが言うのを聞いた時、「これが僕の『MASK』です」って言うのを聞いた、昨年ほどの説得力を感じなかった。そういうgrooveが「MASK」にはあったからだと思います。
◆一旦幕が降りて、レビューに突入。ちょっと衝撃だったのは、ヒガシのナマ胸筋です。ヒガシのナンバーで前をはだけるところがあったんですけどね。噂にたがわぬ泣く子も黙る胸筋でした。見る者全てを威圧する〜(笑)。それからなんと言ってもアンダルシア揃い踏み!4人横に並び、一人づつピンスポで見栄切ったとこなんか死にそうになりました。光一さんがジャケットをバササッって回して片手で肩にかけるんだな!これがまたカッコ良かった。音がしましたもん。ジャケットの音がビュッって。ここはほんと、「四天王」というより「四人衆」。「なんとか顔見世公演」みたいでした。もうジャニーズの常打ち小屋作ろうよ!>ジャニーさん。初日はアンダルシアでざわめきが起こったという話ですが、今回一番ざわめいたのは、赤坂君の「ガラスの十代」が始まった時でした(笑)。
◆最後は一人一人のご挨拶。これがまた長い。でもちゃんと面白い。光一さん、ほんとトークもたせられますよねえ。「グループを超えたこういう共演を恒例にしたいね」って話で、「じゃあ次回は、剛と、滝沢と、敦啓と、…植草?」「そのメンバーすごい(笑)」などとお話してました。確かにそれはすご過ぎてミュージカルになりません(笑)。
以 上