前半だけでゴメンナサイレポ。 於 帝国劇場 2003.02.15‐16

 

今回のSHOCKは2月15日(土)昼、16日(日)夜の2回。またしても事前情報がないままに取りあえず席に着いたというカンジでした。開演の前の時間って何が楽しいって、周りの人の話を聴くのが楽しい。「関西から来てるんですけど昼夜観て日帰りなんです〜」とか、「あの人来てたよ、今回20回以上入ってるっていう○○さん」(スゲ)とか、「舞台の前によくコーラ飲んでますとかCMの記者会見で言ってたけどさー、帝劇で売ってるのってペプシだよね」(←笑)とか、「『堂本兄弟』すら編集するよ。オンリーファンってそういうもの」(そういうものですか…)とか。いやー、勉強になるなあ。←八戸風。

アンケート用紙はもう配布してなかったですねえ。初めて書こうかなーと思ったのに。DVDで光一さんが「全部読んだ」って言ってたから、書く人が大幅に増えて用紙が足りなくなっちゃったのかな。それとも毎回後半の公演では常に無くなっちゃってたんでしょうか。いずれにせよちょっと残念。入場の時に1人1人に配布してくれればいいのにな。月刊ミュージカルとか、普段では絶対買わなそうな雑誌をロビーで購入してみました。

 

輝きの日々

オーバーチュアとともにオーケストラピットがせり上がってきます。ここまでは一緒ですが、今回はコンダクターは光一さんではなく、オケピもそのままセリ下がってしまいます。すると暗転、大音量の音楽(カルミナっぽい)と共に、ステージの真ん中に光一さんの巨大な顔面が浮かび上がります。…やっぱりこの演出ってなくならないのね。ここまでくると意地ってカンジ(笑)。真っ暗な中、ところどころに蛍光ペイントを施したダンサー群がうごめく。不気味。オバケ屋敷みたい。巨大顔面はコワーイ顔で、「迫り来る恐怖…背筋も凍るサスペンス…(非常にうろ覚え)」、などと恐怖感を殊更に煽ります。若干ヒガシヤマ声。しかしこのオープニング、い、要るのかな(^_^;)。

ダンサー陣はけて、光一さんが一人でステージに登場。死んだアニキ、ヒカルとしての登場のようです。衣装はゴーストを表す白い薄手のふわーっとした上下。髪は金髪です。ついでにおかっぱです。勿論ヅラです。アレだね、「キャンディキャンディ」のテリィだね。テリィテリィ!…と一人で盛り上がってのですが、よく考えるとテリィってもっと長髪だったし、別に金髪でもなかった…。あはは。しかし前回は黒髪で今回は金髪と、光一さんのズラへのこだわりは並々ならぬものがありますね(笑)。次は超・長髪とかどうでしょう。

「コウイチの公演にこんなに沢山集まってくれてありがとう」と、あくまで死んだ兄としてコメントしつつ、客席に降りてきて最前列のお客さんと握手しながら、下手から上手へ歩いてきます。最前列って、光一さんの握手込みの値段ですねー。さらに通路に侵入したところで、「枯れない花をプレゼントしましょう。何故枯れないかといえば造花だからです」とミもフタもないことをいいながら、これも幸運なお客さん1人にプレゼント。15日昼は帽子を被ったお客さんの頭に挿してました(笑)。その後、近くにいる子供を抱いて、通路からのフライング。今回は子供がずり落ちそうになるところもよりリアルな感じがしましたね。一瞬完全に体が離れる感じ。「大丈夫。しっかりつかまるんだ。私が必ず守ってあげる」と言い聞かせながら着地。なかなかツボなセリフでした。

「さあ、いよいよ開演だ」ということでブザーが鳴ると、舞台上の大きなスクリーンに、ダンサー陣を従えて踊る光一さんの姿が映し出されます。「アレが私の弟、コウイチだ。どうだ。かっこいいだろう?」「ほら、アップもかっこいい!」「私とよく似てるだろ。でも私の方が少し背が高いんだ」「私とコウイチ、どっちがかっこいいと思う?あっち?」などと袖の近くで先ほどの子供と語りながらそれを見るアニキ。オープニングだけで「かっこいい」って5回ぐらい言いました(笑)。するとスクリーンが真ん中から割れて、向こうから実物が表れます。映像とナマの踊りのシンクロ具合がすごい。アニキは途中で別の人に入れ替わっていたのですね。

 

Put On a Happy Face 〜 Smile 〜 See You Again

御馴染みの「Put On a Happy Face」。余談ですが、この曲は1961年のトニー賞受賞作でもある「Bye Bye Birdie」というブロードウェイミュージカルの曲なんですねえ。随分原曲と感じは変わってますが。「Hellow Broadway」と変奏というか、一連の曲のような感じだったので、「SHOCK」のオリジナルかと思いきや。こっちが先にあって、「Hellow…」を後で作ったということなのかな。「Put on…」「Hellow…」、さらに「Let's go to Tokyo」の作曲者であるこのCharles Strouseは、「アニー」とか「ゴールデンボーイ」とか、日本でも有名になったミュージカルを作った人なんですね。以前Mステで、SHOCKの感想としてタモリが「作曲者見るとすごい名前があったりする」と言っておりましたが、彼のことだったのかー、と今更ながら思いました。

前奏終わりで、光一さんがステージを飛び出すフライング。そして斗真はダブルワイヤーでまるでフィギュアスケートのスピンのように空中で回転。思わず客席から拍手が出ます。あれはかなり目ェ回るわよー。勿論翼がやってたような前方回転もぐるぐるとやっております。するとコウイチがフライングで柱に激突。しかし「ショウ、マストゴーオン!」という決意も雄雄しく次の曲へ。なんかこの時走って下手袖にはけて行く光一さんの後姿が妙にツボでした。光一さんって、結構えっほえっほと走りますよね(笑)。その姿がなんかちょっと必死というか、素朴というか、素というか。舞台の優美さからちょっと浮いてて、逆に愛しい、みたいな感じで。ここだけじゃなくて他のとこでも思ったな。

「Smile」へ。ナニゲにこの曲好き。光一さんをセンターに、斗真と風間くんが左右の後ろで踊ってました。ちなみに前回は秋山君とツバサ。それと比較しちゃうからかどうか、正直言って風間君…手足が短いのよう。手足が短い人、このステージにほとんどいないのよう(笑)。だから目立つのよう。…って言われても風間君も困るだろうが。光一さんもそんなに手足が長いわけではないと思うのですが、やっぱり顔が小さいからバランス良く見えるんだろうなあ。ここで劇中劇が終了します。

無事ステージを終えたカンパニーの様子。「折角の千秋楽なんだ。パーティ楽しもうぜ」という光一さんのセリフが相変わらずおかしい。「パーティ楽しもうぜ」って(笑)。なんつーかありえない言葉だもんな。言い方をどう変えたって浮くセリフだろうなあ(笑)。別名「千秋楽のうた」、「See You Again」では、途中でアッキーからキャスト紹介が入りました。義母・義父・義兄弟関係がますます複雑になってきてますね(^_^;)。

 

Tour

大幅な変更点はなかったかと思いますが、光一さんの衣装のジーンズの細さが若干補正されていたような…。気のせいかな。だって前回はちょっと客席がザワつきましたからね。細すぎて。あれも「3分に1度の衝撃」のうちだったんだろうなっていう(笑)。光一さんは「しゅっと見えるように、舞台の衣装はかなりツメている」とラジオで言ってたようですが、舞台栄え、っていうことではそんなに細く見せる必要はないんじゃないかなー、なんて素人考えでは思ってしまいますね。それとも単に「足を長く見せるため」ということなんだろうか。

クラシックカーの旅の果てに到着したのは、なんと温泉。これ意外でした。舞台には女湯と男湯の入り口のセットが組まれ、男湯の入り口の脇には男湯の脱衣所ということで、曇りガラスから首だけ出してぱんついっちょのカツンが3人。こ、これはあからさまなサービスシーンですねえ(^_^;)。未成年の就労内容として法的に大丈夫なんでしょうか。←オイオイ。女湯を覗こうとしている順さん。すると、男湯から風呂上りのコウイチとトウマが出てきます。トウマは浴衣、コウイチは何故か背中に「SHOCK」と文字の入った白いガウン(笑)。で、ここで脱衣所の田口くんのぱんつの柄(日替わり)について言及するのがお約束になっているようです。15日は、「すごいねそのパンツ。大阪名物がいろいろと…通天閣も描いてあるよ。…つーてんかく!」←どんなアクションをつけたかはご想像にお任せします(笑)。「つーてんかく!」「エッフェル塔!」と光一さん、下ネタで暴走。帝劇でそれ以上はマズイです〜(笑)。「昔、エッフェル塔!っていうCMがあったよね?アレ?知らない?」とか必死に訴えてました。16日はお寿司のぱんつで、「寿司が描いてあるね。いろんなネタがね。♪すっしくいね〜」なんてことを言っておりました。このあと順さんとのボケ・ツッコミのやりとりがあります。勿論ボケは順さん、トウマがツッコミ。そのボケに光一さんが乗っかってキャーキャーゆってました(笑)。しかし順さんの持ち味が生かされたのって、全編通してこのシーンだけだったような気がする…。勿体無い…というかやっぱりそれはキャスティングしたほうの責任なんだろうなあ。

 

追憶のハイウェイ

「クラシックカーなんかでちんたら移動してらんねー!」ということで、コウイチたちはバイクに乗って次の公演地を目指すこととなります。トウマは反対しますがコウイチが押し切る展開。これは前回と同様ですね。トウマは真面目に見えるからとっても自然な展開だなあ。しかしツーリングの途中、コウイチたちがバイクで渡ろうとした吊橋が崩落。タンデムしてたコウイチとトウマは崖から転落します。そしてすぐ病院のシーンへ。KAT-TUNがトウマの怪我をめぐってグループ内で口論するシーンとかが挿入されてました。なんか往年のジャニーズ映画を見るノリ(笑)。しかしなんつーか声を張るっていうのを通り越して、5人とも常に叫んでる風に聞こえました(^_^;)。

事故〜病院のあたりの光一さんの芝居、前回はとってもいいな〜、と思っていたんですが、今回は全然そう思いませんでした。何でかなあ。レベルダウンしたわけではなくって、たぶん自分の記憶の方が美化されていたんでしょうね。実はそう感じた場面が他にもあったんだよなあ(後述)。ちなみにドクター役の俳優さんは前回のオジサマの方が断然良かったですね。カムバッーク。

  

千年経

事故で入院中のトウマがいなくたって、舞台の幕は開けなきゃいけない。「ショウ、マストゴーオン!」というコウイチの言葉とともに、舞台上を覆っていた大きな白い幕が真ん中から裂けて左右に飛び去っていき、ジャパネスクショーの開演。セットは「千年経」のままですが、流れてきたイントロは「月夜ノ物語」です。冬コンソロで既に見てたナンバーでもありますし、ふーん、という感じで最初は冷静に見てたのですが。途中から光一さんの腰がまるで別の生き物のようにグイングインと動き出しまして、しばらく固まってしまいました。わわわ。柄にもない。←失礼な(笑)。だって光一さんって「くねる」とか「うねる」っていう動きが下手じゃないですか。なんつーかキャラという以前に身体的に。それだけに衝撃が大きかったですね。インパクトでかかったです。もう一度見たいわっ。

それから続けて「千年経」〜「マスク」〜「Tell ME Why」〜「竜神」〜「弁慶」と、ほぼ前回どおりに進みます。前回は前々回に比べ、ジャパネスクショーは全面改訂されてたんですよね。そしてそのこと自体にワタシはすごく興奮したし、感動もしたんで、今回も変わってるかなー、と期待してしまってたんですが…。そうそう変わるワケないか。しかしこれでちょっと自分のテンションが下がってしまったのは事実ですね。いやー、やっぱりいくらすごいことをやっても、オーディエンスはすぐ「それ以上」を期待してしまうもんなんですねえ。我ながら欲深い。しかしマスクイリュージョンは前回よりも段取りが良くなってた感じがしましたし、「竜神」の竜も見やすくなってました。前回はデッカいボス竜が下手奥から出てきたんですが、下手端の座席からだと壁の裏になっちゃって見えなかったんですよねえ。それが今回真ん中から出てきたんで、全方位から見やすくなってたかな。ただ、「弁慶」は…刺されて倒れるとことか、なんか光一さんがオーバーアクションというか、ベテラン時代劇俳優かっ(笑)、みたいな動きをしてたのがとっても目についてしまいました。前回は「うわーうわー」って息をするのも忘れて見てたのに。これは光一さんに「慣れ」が出てきたせいに違いない!とか思って、前回の「SHOCK」のDVDを見直してみたら…前回もああいうリアクションとってるじゃん(^_^;)。やっぱ前回は見ることだけで精一杯で気にならなかったのかなあ。それともほんとにわずかな違いに引っかかってしまったのかなあ。自分でも意識できないくらいに動きの違いに。


あの日 〜 白鯨

ジャパネスク・ショーの成功によって、コウイチたちのカンパニーはブロードウェイへと招聘されます。今回は美唯さんも順さんも一緒。遂に「ばあさん」と「ボーイキュート」という役がなくなってしまったんですねー。性別の倒錯したこの2つの役に関しては、ジャニさんの普通じゃない感性が出ててとってもジャニーズっぽいなあ、と思ってたんですが。「SHOCK」というミュージカルがジャニさんのプライベートなものから、万人向けのメジャーなものへと変遷していく過程を改めて感じたりしました。でも、宝塚の男役であるサキホさんももう出てない以上、この役柄はまったく必然性がなくなってしまってますしね。なくして正解。

ニューヨークへ向かう船上、コウイチは眠るたびに夢にうなされていた。…ということでお馴染み「白鯨」のシーン。船の舳先で「あの日」を歌い、歌終わりで羽織っていたコートを脱いで船長へと変貌します。これも前回はユラリと船長に変わっていくところにグッときたもんですが、今回は「ビシッ」と半ば見得を切るような感じで船長に変貌しておりました(^_^;)。こうなると自分の過去の記憶美化って病的なものがあるな…。まあそれも一つの真実なんだろうけどさ。船長は相変わらず頭がおかしくてステキでした。もう目なんかちょっと寄ってる感じ。アブネー。でもね、以前野田秀樹が「役者は集中すると目が寄ったり異常な顔になる」って言ってたんですよね。それだけ光一さんも入れ込んで芝居してるってことなんだと思います。そして鯨との格闘シーンは、「頑張れ!おじーちゃん!」とか声をかけたくなるようなハッスルぶり。何故かおじーちゃんぽい。杖を持ってるからかな(笑)。ちなみに鯨さんは口のパッカパカがちょっと治ってた気がする。

 

New York, New York

ここで前半終了となります。

 

前半だけでゴメンナサイ…以上。