Shoking SHOCK

2004.2.14(Soiree)  於帝国劇場

プロローグ
今回はお友達にチケットを取ってもらいまして、B席かなーと思っていたらS席で大変オドロキました。むーさんありがとう(T_T)。それなのに罰当たりなことに遅れて入りました…。入るなり客席の真ん中の上空に光一さん(扮するヒカル兄さん…あ、でも今回「ヒカル」って名前出てきたかなあ?)がいたのでビビった。細くて短いバーを吊るした空中ブランコようなものの上に立ってるんですね。さらにそのバーから足を滑らせて観客をヒヤリとさせます。出た出た!これが3分に1回の衝撃だ(古い?)。舞台に足をつけると、今度はこれまでのSHOCKの歩みをダイジェスト映像で振り返ります。この辺でワタシはやっと席に着かせてもらいました。席に着いたあたりで劇中劇のオープニング。前回のような大写しの映像のスクリーンが上がって背後から実物が出てくるという演出は無くなってました。


オープニング 「Put On a Happy Face」「New Horizon」
もうすっかりお馴染みといった感じの「Put…」ですが、特に支柱にぶつかる所やそのまま舞台に落ちてくる所なんかはよりリアルになってましたね。そんなに勢いつけて落ちてきて大丈夫かと思った。しかし今回のSHOCKでは、こんなんはまだまだ序の口だったのですね。それは後に思い知らされることとなります。


バックステージ 「My Pleasure」
ツアー 「Begin the Tour」「Tour」
開演に遅れそうになって全力疾走してきたもんですから、正直オープ二ングからこのへんまではゼエゼエしてて余り憶えてないのですが(^_^;)、このへんから光一さんの表情というかたたずまいが今までとは違ってるなあと感じ始めました。うーん、いろいろ何が違うのかワタシなりに考えたけど、「笑顔にスイートさがない」としか表現のしようがないんだよなあ。なんじゃそりゃ。「目が笑ってない」というか…。いやいやそんなマイナスイメージばかりを受けたわけではないんです。要するに、日記にも書いた通り「より男っぽくなった」ということなんだと思うんですけど。カッコイイと思うと同時にチョト寂しくもあった。そんなふうに感じたのはオレだけかなあ。

ツアーの場面はお馴染みですが、列車内でのシーンではなぜか牛乳をみんなで一気飲みしていました。


ホテルの一室
前までは結構ここでアドリブコーナーなんかが長くあったような気がするんですけど、今回はシンプルに。そしてシキリの役割を全面的に任されている秋山君が、登場人物の入り組んだ親戚関係を説明してました。

  コウイチ(堂本光一) … カンパニーの座長
  コウイチの兄(堂本光一・二役) … 元座長。ブロードウェイでの失敗を苦に自殺。
  ナオ(伊織直加) … コウイチの兄の元妻。コウイチの義姉。カンパニーの役者。
  カズ(東新良和) … コウイチの兄とナオの息子。コウイチの甥。
  ツバサ(今井翼) … ナオの弟。コウイチの義弟。カンパニーの役者。
  リーダー(尾藤イサオ) … コウイチの兄が座長の時代からカンパニーを取り仕切る。ナオの再婚相手。
  シュンスケ(風間俊介) … リーダーの連れ子。

うわー、義理関係が入り乱れてますねえ。しかし、この複雑な関係がほとんどストーリーに生かされないというのもSHOCKのイイ所です。←オイ。それにしてもこの一族に最も近い位置にいるくせに、全く関係ない秋山ジュン…。彼のジャニーズにおける立ち位置そのものを表しているようでややナミダが(笑)。いつになったら主役一族に入れてもらえるのか?!


吊り橋 「BEAT MIND」
乗り気じゃないツバサを連れてバイクでのツーリング。「BEAT MIND」は初聴きでしたがすげーカッコよかったです。光一さんは全然ワイルド系ではないのに、こういうロックナンバーがすごくハマるから不思議。


病院
バイクで渡ろうとした吊り橋が崩落し、ツバサは大怪我。運び込まれた病院でのカンパニーメンバーのやり取りになります。ここで以前はコウイチが「そんな気持ちでこの仕事をやってるんじゃない」とか言ってたような気がするんですが、徐々に変わっていってますね。「ショーを続けることがツバサのためにもなる」とかって。見てる人がより納得しやすいようにだとは思うんですけど…やや説明的かも。ワタシはもっと語らないほうがカッコいいなーと思うのですが。そのほうが、公演を続けようとするコウイチと、ツバサを思って中止しようとする他のメンバーとのわかりあえなさが際立つように思います。「何があっても幕は開ける、以上!」みたいな感じで、あとは各メンバーに考えを委ねてステージへ向かって行く、なんていう演出もいいなー。


ジャパネスクショー
  「月夜ノ物語」「千年マスク」
きたきたきたーっ!無条件にテンションの上がる「ジャパネスク・ショー」。やっぱりジャニさん、アンタ正しい!こうなったら「三味線ブギ」も復活させよう(笑)。しかしテンションが上がったのも束の間、「月夜ノ物語」から「千年マスク」にかけては、「なーんだ、前と一緒か」なんてことをちょっと思ってしまったのも事実。ファンなんてそんなもんです。

でも、一人で幕を開けたはずのコウイチのバックに、いつのまにかジュンと町田が駆けつけて踊っている。それにコウイチが気づき、それぞれと腕を交わすというシーンが挿入されてたんですね。布によるフライングの着地時に2人がサポートし、それで初めてコウイチが気づく、という感じだったのではないかな。この時間にして数秒の場面が、ワタシ的には今回のSHOCKで最も印象に残ったと言ってもいいです。気づいて、腕を交わす光一さんの表情がすっごくアツイんですよ。悪いけどKAT-TUN相手では光一さんのあの表情は出ませんね。光一さんとMAの実際の信頼関係が背景にあるからこそ出てくるものだと思いました。男の子っていいなあ。この熱い気持ちのまま、スグ後の「じょいやっさーダンス」(←勝手に命名)になだれこみます。このマスクイリュージョン前の短いダンスが以前から激しくツボで、見るたび腰砕けだったのですが、以上のような流れがあったんで今回はさらにキましたね。この部分をもっと引き延ばしてもらいたいー。

布フライングも勿論すごい。もうぶら下がってもいないんですもんね。体操の吊り輪の技みたいに、完全に腕の力で身体を支持しながら飛んでる。中学時代に器械体操部にいたこともあるという光一さんですから、いわば昔取った杵柄なのか。それにしても、フライングの降り際にみえた上腕筋の感じなんて、ぞわっとするくらいな太さでした。腰回りとかはあんなに華奢なのになあ。

マスクイリュージョンでは、相変わらず、マスクをかぶっているにもかかわらず光一さんがオトコマエでした。何がって動きがオトコマエ!入れ替わりになる人は前よりは良い気がしますけど、やはり光一さんに再び替わった時の動きのオトコマエさは際立ってます。顔って動きにまで影響を及ぼすんだな!


 「Where is Tomorrow?」
「Tell Me Why」から変わった新曲。難易度の高そーなダンスでしたけど、光一さんは動きをセーブしているようにも見えましたね。筋肉つけたせいで、フルの力で動くと動きが速くなりすぎちゃうのを制御してるような感じを受けました。


 「竜神」
装置に大きな変更がありました。ボス竜がさらにパワーアップ(笑)。頭の上に光一さんが乗っかってグイングイン動いたりしてました。USJのアトラクションのようでしたわー。あと、コウイチが天にかざした剣にレーザー光線が集まって剣が燃え上がったりしてましたね。ココ見て、「ドラゴンクエスト」とか「聖闘士星矢」とか、往年のSMAPミュージカルってこんな感じだったのかししら?とか勝手に想像したりしました。わはは。

それから少年役は前は塚田くんだけだったと思うんですが、今回はABC4人全員出てきてピョコピョコと頑張ってました。だから、最後に塚田くんが光一さんの腰の辺りにひしとすがる、やや意味不明なシーンも無くなってましたね。それはそれで寂しい(笑)。あ、こないだちょっと歌舞伎を見に行って思ったんですが、歌舞伎ってしょっちゅう出演者が身を寄せ合って見栄を切りますよね。男女の場合なんかは男がひざまづく女形の肩に手を乗せて、女形は男の腰の辺りに寄り添ったりして。場面の流れに関係なくそんな決めポーズが入ってくるのを見てて、あの塚ちゃんがすがるトコロもそういう文脈だったのか…なんて今更ボンヤリ思いました。

それにしても、よりによってここにそんな力を入れて更改するかー、って良い意味で呆れましたね。ハイテンションなジャパネスク・ショーの中でも、観客がちょっと力を抜いて見ちゃってるコーナーだと思ってたんで、そこを敢えてというか、だからこそというかテコ入れしてきたというのがすごいなと。


 「弁慶」
オープニングから牛若丸(東新くん)のフライングが追加されてました。笛のピョロロロ〜具合とフライングのユラユラ具合がやや笑いを誘っていましたが。さらに弁慶の仲間たる山伏軍団(MA中心)も追加。敵方リーダーの般若面の男も追加。ホント今回は演目そのものは変わってないのに、中身は一から見直してる感じ。手間としては新しいことやるのとほとんぼ変わらないぐらいだったんじゃないかなあ。でも、クドイようですが、変更するなら是非弁慶の金頭巾(イカ状)を、ノーマルな白頭巾に変えてほしかった…。あとできれば剣じゃなくて槍ね。もうこれはオレの個人的な悲願ですね(笑)。

見るたびにテンションが上がってしまう「弁慶」。光一さんの殺陣は相変わらずスピーディでかっこいいです。かっこいいんですが…表情が。今回再三言ってますが表情が違う。その中でも「弁慶」の時は終始顔筋の緊張がすごかった。それ見て「一体何が起こってるんだ舞台上では!」ってちょっとビビっちゃったくらい。

敵をばったばったと斬って行く弁慶。しかし何故か死者を蘇らせる女たち(妖精?)が現われまして、倒したはずの敵がゾンビのようにまた立ち向かってきます。遂に追い詰められ、般若に斬られる弁慶。そのまま中央の大きな階段を転げ落ちていきます。前はここスタントの方が代わりにやってましたけど、今回は光一さん本人が。…なぜそこまでやる?見ながらつい口が動いてしまいました。「なぜそこまでやる?」と。ここまで来ると彼のショウマンシップは病的ですらあります。しかも、スタントマンの転がり方はくるくるくるーっとブレイクダンスのような感じで、きっとその分痛くないようになってたんだと思うんですが、光一さんの落ち方はあくまで自然。頭打ってないってだけだと思いますね。そこからまた立ち上がって、遂に敵を討ち果たして終幕。全てが無言にもかかわらず、もんのすごい熱い芝居で息苦しいくらいでした。でも、階段から床に転がってきた時の表情や、その後の辛そうな立ち居振る舞いが感動的なのはもはや芝居じゃないからなんですよね。眼前ノンフィクション。ミュージカルってこんな虚実ないまぜのもののことを言うんだっけ?としばし呆然としました。

全く「弁慶」には満足なのですが、敢えて言うなら。死んだはずの敵が生き返ったりなんだり、というモチーフが増えたので、やや流れが見えにくくなった感じが個人的にはしました。倒しても倒しても向かってくる敵を、最終的に倒すことができたのは何故かもよくわかんなかったし。しかしアレかな、実際は人繰りとかそういう問題なのかな。少数のエキストラで不自然じゃなく(一回斬られた人がまた何気なく別の人として参加するというような不自然さを回避するため?)戦いを長引かせるための方便だったのかもしれませんね。


リクエスト芝居 「御存知堂本光一九変化相勤申候」
さて、事前から話題になっていたリクエスト芝居。舞台上のスクリーンにパネルアタック25風に9つの演目(3×3)が赤と青で表示されました。アッキーの説明に従って、皆がそれぞれに心の中で観たい演目を1つ選び、隣の青パネルへ、さらに上の赤パネルへ…というふうに移動していくと、あーら不思議、皆が1つの結果に行き着いてしまう。それではこれからその演目を上演いたしましょう。だって。…素直に「どうやってアンケート取るんだろうな?ボタン?赤外線?」なんて思ってたオレ(T_T)。自分の呑気さにも笑ってしまいますが、でもコレは暴動起きてもおかしくないぞ(笑)。まあ、アッキーの健気な仕切りに免じて受け入れましたよ。

ワタシの行った回は「ハムレット」。他に「リチャード三世」「白鯨」をやった回もあったようですね。舞台全体の色が黒っぽい一方、城での新王の宴がぼうっと浮かび上がって見えるとこなんかなかなか美しくて、うっかりジャニーズミュージカルだということを忘れてしまうぐらいでした(←失礼)。

しかしなんといっても「ハムレット」の見せ場は光一さんのお衣装でしょう。キッパリ。正しく王子然とした衣装を光一さんに着られちゃうと、もうそれだけでありがたい気分になってオールオッケー出しちゃう自分がいる(^_^;)。至極単純。だって黒のベロアでー、白のレースのブラウスでー…たまらんッスよ。あれは一応喪服だから黒かったのかな?

平安朝アレンジの以前の「ハムレット」に比べると、より話の流れはコンパクトになっててテンポ良かったです。王妃ガートルードが死に、新王クローディアスを殺し、自らも死を迎えるという悲劇のクライマックスまで観れたし。満足感がありました。できればハムレットが狂気を装う部分も観たいなあ。そういう突き抜けた芝居の方が光一さんには合ってると思ってるんで。こうなるとやっぱり通しで、ということになるのか。ヒガシの次は光一さんの「ハムレット」を是非グローグ座で!P.ストルマーレ演出で!…は無理にしても鴻上演出じゃないほうがイイな(^_^;)。

それにしても、ガートルード=ナオ、クローディアス=リーダー、亡き父の亡霊=亡き兄という、本筋に沿ったキャストが揃っているにも関わらず、この演目にメタファーとしての意味がほとんどないってのもスゴイよな。平安朝バージョンの時はちょっとありましたけど。芝居の中でリーダーとクローディアスを重なって見えて、コウイチがふと素に戻る、みたいなとこがあってもイイ。もっとリンクさせていきましょうよ。


甲板 「New York, New York」
京都でのジャパネスク・ショーが大成功し、ブロードウェイに招聘されるカンパニー。ニューヨークへ向かう船の甲板。バレンタインデーだったこともあり、それに関するコントをMAが繰り広げてたような気がしますが…正直、町田君のスカート姿しか憶えてないです(^_^;)。海の向こうにニューヨークが見えてきて、ジュニアが「New York, New York」をワンフレーズだけ歌って1幕の終了、という流れは今までと同じ。しかしコレをセンターで歌ったのがABCの河合くんだったのには驚きました。歌で選ばれたのかな。


インペリアル・ガーデン・シアター(13年前) 「Swing Jazz Medley」「Moonlight Serenade」
グリーンルーム(13年前) 「レクイエム」
長い休憩があって、ここから2幕。前回から大幅に変わったヒカル兄さんのミュージカルシーン。個人的には頭の中を二木ゴルフがぐるんぐるん回ってやや困るナンバー(そんなんオレだけ)。しかし振り付けはだいぶ変わってたような気がします。ここから、新聞の悪評にショックを受け、自殺に至る、という流れはとってもシンプルになってましたね。しかも自殺というニュアンスもだんだん薄くなってってる。何者かによる「謀殺」であるという感じが強くなってきてますね。これもわかりやすさを求めた故なのかな。


バックステージ(現在)
ブロードウェイ・ツアー 「On The Town」
バックステージ 「Lucky Star」
わー、この辺全然憶えていない(^_^;)。ただ、インペリアル・ガーデン・シアターのバックステージで、普通にガイジンと英語で喋る(二言三言ですけど)コウイチに、SHOCKの経てきた年月を感じましたね。最初は「全然ワカリマセーン」って感じの演出だったハズ。それから「Hellw Broadway」がなくなっちゃったのは寂しいなあ。Charles Strouseのオリジナルって、もう「Let's Go To Tokyo」だけなんじゃないかしら。


ワールドアドベンチャー 「ラスベガス」「ジャングル」「アイリッシュ」「スパニッシュ(我が愛しきDeva)」「ウェストサイド」
前々回はジャパネスク・ショーの大改編に驚き、そして前回驚いたのがこの2幕における「ワールドアドベンチャー」の大追加でした。今回はほぼ前回を引き継いだカタチ。だから、何回も言ってますが前回や前々回のような「そ、そんなー!」といった驚きは正直無かったんですよねえ。でも「ワールド…」は相変わらずバラエティに富んでいて面白かったです。

何といってもビジュアル面で心惹かれてしまうのは「ジャングル」。テンガロンハットにイエローのノースリーブ!ヤバイヤバイ。歯を食いしばってファイヤーダンスしてる時の腕とか超ヤバイッス。…しかし、ファイヤーダンスするアイドルって結構すごい。ハワイアンセンターにも再就職できますぜ。なんちゅー食いっぱぐれのなさ。その後に出てくる綱芸といい、SHOCKのサブタイトルって、「堂本光一ひとりかくし芸大会」だったっけ?と思うほどです。いやー、マチャアキを継ぐのはヒデちゃんじゃなくて光一さんだったか(笑)。決して芸達者な人だとは思えないんですけどねえ。

「スパニッシュ」は明らかに「アンダルシアに憧れて」の代替曲なんですけど、なんで「アンダルシア…」じゃダメなのかなあ?確かに最後の方の盛り上がり方とかはこちらの曲のほうが華やかですけどねえ。

それから2幕の最高潮を演出する「ウェストサイド」。摩天楼を彩る背景が武者絵だったり、音楽に和太鼓を入れたりして、より日本的にパッションのあるウェストサイドになってます。ケンカのシーンとかも「今のほんとにぶつかってない?」ってぐらい荒っぽかった。十分やり尽くした上での自然さなんでしょうけど。ワタシはノーマルなやつよりこっちのケレン味のある演出の方が熱くて好きですね。それにしてもセリフや歌がなく、ダンスだけでこんなにカタルシスを味わえるってすごいよなあ。でも決してダンスそのものに感動しているわけじゃないんだ。もっと違う何かなんだよなあ。そこがジャニーズミュージカルの醍醐味なんだろうな。深い。しかし、ナオさんにコウイチとタイマンを張るゾクのリーダー役は辛いものがあったなあ(^_^;)。アレはミーさんだったから成立した役だったと思う。


バックステージ 「What 10 wanna say」
もしかしたら今回、ファンの間ではここの反響が最も大きいんではないでしょうか(笑)。これまではあくまで初日の大成功を謙虚に受け止めるコウイチ(しかもピンクのスーツとかで!)でしたが、今回はとがったサングラスに真紅の革ロングジャケット・フリンジつきまくりなカッコですっかり「スターなオレ様」状態。ラフなロックでプレスを挑発します。意外な展開で素敵でした。この後にあった著作権問題のくだりはスッパリカットされてましたね。英断。


深夜のグリーンルーム
ジュンとツバサのことで言い争いをするシリアスなシーンなのですが、この直前のシーンが例のロックスター様なので(笑)、入りの部分はコミカルになってました。スタージャケットをハンガーにかけながら、「♪めりあ〜ん、めりあ〜ん」と超ハイトーンで歌うコウイチ。そうか…あのジャケット見てたかみーを思い出したんだなあ、光一さん(笑)。ジュンはやや戸惑いながら、「…コウイチって、一人のときっていつもこうなのか?」とか言ってましたね。しかしここから超シリアスモードに切り替えていく秋山くんのシキリ直し能力はやはり素晴らしい(笑)。あの、激情のあまりに2人して踊りだすっていう、SHOCKの中でも随一のミュージカルっぽい演出はなくなってたな。


崖の上 「消えない悲しみ 消せない記憶」「輝きの日々」
以前は、白いウッドデッキに車椅子姿が非常に叙情的だったツバサのシーン。前回から巨大なただの岩場になってしまい、密かに残念なワタシ。しかもこの岩場が、回り舞台でぐるぐる回るんですよね。確かに普通の舞台では考えられない岩場自体の大きさ、かつ動く、ということでスペクタクルな感じではありますけど…こんなシーンをスペクタクルにしてどーする(笑)。

このシーンで歌われる「消えない悲しみ…」は、非常に場面に合った曲調となっておりまして、まるでここで使うために書き下ろされた曲のように聞こえました。アルバムで聴いたときは、オーケストラが逆に辛くてしょうがなかったんですが(ホントすいません)、SHOCKで聴いて初めて「いい曲なんだなあ」と思いました。これでソロが実質1曲になってしまった翼(及び翼ファン)には大変申し訳ないけど(^_^;)。

それにしてもこのシーンの位置づけは微妙ですね。離れた場所にいるはずのコウイチとツバサが本音をぶつけ合って、ふとしたきっかけからツバサの足がまた力を取り戻す。これまではゴーストであるヒカルがツバサを叱咤するって設定だったんですけどね。SHOCK全体が「わかりやすさ」とか「整合性」を求める方向になってきているんで、ゴーストっていう不条理な存在自体の出番が少なくなってるみたいですね。よく考えると、オープニングとエンディングにしかもう出てきてないわ。でも、それによって逆にこのシーンみたいに整合性のつかなくなってくる場合もあると思うんですけどねえ。ゴーストって、ストーリーを豊かにするためにはなかなか重要な存在だと思うんだけどなあ。兄のゴーストなんだけど、もう1人のコウイチである、みたいな部分をうまく使ってさ。もっとうまく登場させて欲しい。


オンステージ 「Let's Go To Tokyo」
バックステージ 「Get Down」「Motown Medley」
まず「Let's Go…」の振り付けが変わったことに驚きました。あの空中で足を打ちつける(カブリオルって言うんでしょうか)バレエダンサー風の振りがなくなってましたよー。

いきなりブロードウェイのバックステージに現れ皆を驚かすツバサ。コウイチは驚きながらも、「お前の衣装も用意してるよ!」とツバサに黒いアミアミのロングワンピースを手渡します。「セ、セクシーだね」とかなんとか引きつりながら言うツバサに、「オレはね、このへん(股間)の穴がもっと大きくないと着れないんだよね」と軽口を叩くコウイチ。フツーに下ネタ(笑)。だからオヤジって言われるんですよ。もう。しかしナオさんとか笑っちゃってましたねえ。でもアドリブっぽいところがすごく少なくなってたので、なごめたのは確か。


バックステージ 「レクイエム」
諸悪の根源がリーダー(尾藤イサオ)であったことをコウイチが暴くシーン。しかし尾藤さんは井上順にも増して悪人には見えないなあー。MASKのお父さん役なんかピッタリでしたけどねえ。それに当代一の「歌バカ」なんだから、もっと歌わせてあげたかったという気もします。

このシーンの主役はなんといってもシュンスケ。そう、前回から突然リーダーの連れ子として登場したシュンスケは、このシーンのためだけに存在するといっても過言ではないでしょう。明らかに芝居に厚みを出すためのテコ入れ要員だー。父の悪の部分を見て同様し、泣き叫ぶシュンスケ。アンタ、その芝居…ジャニーズミュージカルには勿体無さすぎだよ(笑)!しかし、風間君がジャニーズでの存在意義を示すとすればやっぱりここで頑張るしかないんだろうな。うーん、SHOCKってジャニーズ人生の縮図のよう。

さらにリーダーの凶弾にナオさんが倒れます。前見たときは、殺すなんてあざといー、とか思ったんですけど、今はそう思いませんね。つーかあんな人生だったらあの後生きていくのは辛すぎるかなとか思った。うん。あんまりよく考えたこと無かったけど、この義姉さんの描かれ方ってさんざんですよ。女の扱いがぞんざいだってトコこそジャニーズっぽいと言えなくもないが…。ワタシはここまできたら、コウイチと義姉さんのラブ要素を入れるべきだと思いますね。だって夫だった兄にソックリなんですよ?そんでずーっと一緒のカンパニーなんですよ?あるだろそういうの。あって自然な流れですよ。死ぬ間際に「好きだったわ…」とかいきなり言っても大丈夫なくらいだと思うんだが。かえって何も無い方が変だ。だって、傍に息子がいるのに、最後の言葉を死んだ夫の弟になんてかけないよ普通。それなのにこの義姉さんは、「コウイチ、ありがとう」とか言って死ぬんだもん。いや変だって。


フィナーレ 「New York, New York」「One」「輝きの日々」「Let's Go To Tokyo」
「New York, New York」といえば、圧倒的な歌唱力で歌い上げていたサキホ姉さんの印象が余りにも強く、義姉さん役の唯一の見せ場という気がしてたので、この曲を光一さんが歌い出した時には、「うわー、座長、おいしいとこ全部持ってくなあ」なんて意地悪なことを思ってしまいました(^_^;)。でもホンが変わって死んじゃったんだから義姉さんはもう歌いようがないのは当然なんですよね。

そんなことよりも、この曲の最後の方で、大きな奈落から、黒人男性ダンサーさんと日本人男性ダンサーさんが、ニットにスラックスといった妙に生真面目な格好でぞろぞろ出てくるんですよね。しかも2人1組になって。思わず、「なんだなんだ、ゲイの解放を表しているのか?これがニューヨークの朝なのか?」とか思っちゃいました。わはは。

「One」ではお約束のヒカル兄さんの帝劇縦断フライングがあり、後半、コウイチになって再び舞台上に光一さんが登場するんですけど、この時のコートが不思議なコートでしたね。袖口を締めるベルトがついてて、しかもそれが長ーく垂れている。どことなくパンクテイストでした。


カーテンコール 「薄荷キャンディー」
光一さんからの相変わらずのとつとつとしたご挨拶があり、最後に「薄荷キャンディー」を。最初はノーマルに一人で歌ってましたが、途中からアップテンポなアレンジになりまして、出演者が舞台に大集合するというのもこれまでと同様です。光一さんの熱演もあって自然とスタオベになりました。

最後の方で、光一さんが客席に向かって、他の出演者に囲まれながら手を振ったりしてるときに見せた顔が、いつものほにゃーとしたスイートな笑顔だったことに、ちょっとホッとしました。そうそう、今回はこの顔が本編には全然出てこなかったのよう!内容的には、シンプルにわかりやすく、それていてこれまで以上にアツいSHOCKだったなあ、ととても満足しました。しましたけど…みんな、そんな体力の限界超えたとこでやってる光一さんの姿なんて求めてるのかしら?ワタシはもっと余裕の持って楽しんでる姿が見たいなあ。だって演じてる人が楽しくないと、見てる人だって楽しくない。特に舞台なんてそれがダイレクトに伝わる場所です。光一さんは勿論楽しんでいるとは思いますけど、気持ちの楽しさを享受できるだけのフィジカルな余裕はやっぱりなかったんじゃないかな。なんて、日記には「もう止めない」なんて書いておきながら思いました。


以 上。