E N D L I C H E R I ☆ E N D L I C H E R I
" The Rainbow Star "
at "THE ENDLI. water tank"(横浜みなとみらい特設会場) 2006.05.06, 2006.05.13
普段は買わないような音楽雑誌や、田舎では売ってないようなおシャレ雑誌には沢山載っていたようですが、それらをことごとく見逃したワタシにとって、「ENDLICHERI☆ENDLICHERIって何?」ということが今ひとつよくわかりませんでした。それはシングル、アルバムを聴いたところでやっぱりそうで。いろんな意味でなかなか感動的だった2ndアルバム「[si:]」の時ほど、ライブに対するモチベーションは上がらないままだったのですが。しかし、とにかく。剛が、剛のためだけに作られた特設会場で46ステージを演るというこの驚愕の事実。それを見届けなければという、わけのわからない使命感でみなとみらいに足を運びました。5月6日は横浜市立博物館で「イサム・ノグチ展」なんかをぼーっと見学してから、5月13日は「吉本おもしろ水族館」で若手芸人(ゆったり感と山田カントリーと、あともう一組はわかんなかった…彦麻呂似の人がいたんだが)のミニコントなんかを見た後、特設会場に向かいました。横浜って面白いなあ。6日はみなとみらい駅から、13日は新高島駅から特設会場「The ENDLI. water tank」へ。みなとみらい駅からくると「どこ?」という感じでしたが(あ、でも駅にあるファミマではエンドリさんの曲をずっと流してた)、新高島駅からくるともう駅の構内からして大きなポスターが貼られてエンドリ一色。また駅を出てすぐのところにある飲食店では、エンドリライブチケット提示で10%OFFなんてこともしていました。開催側と地域、双方のメリットが合致している感じで、いいイベントだなあと思いましたね。白い特設テント内に入ると、ロビーでは大きなビジョンにエンドリさんの映像が流れています。時間がなかったのでゆっくり見ることはできませんでしたが。ああ、そういや5月3日の特番はこちらでは放送されず見れなかったんだよな…。それからENDLICHERI☆ENDLICHERI仕様の紫Virgoも展示してありました。13日のライブでは確か、剛さんが「あのー、Virgoをエンドリに塗っちゃってもいいですかね?」ってダイハツの人に試しに言ってみたら、「あ、いいですよー」と軽ーくOKされた、という話をしてました。そのVirgoの屋根の上には、最初のENDLICHERI☆ENDLICHERIの原宿イベントで使われた剛の等身大人形が腰掛けてます。ギターを弾いているのはいいのですが、毛糸の帽子を被って何故か似合わないメガネをかけている…。これまた13日のライブによると、閉所恐怖症気味なもんだから「剛さん大丈夫ですか?」とメイクさんに励ましてもらい、「あかん、ドキドキしてきた。ちょっと手握ってていい?」とか言いながら40分くらいかけて顔型をとって作ったのに、「全っっ然似てへん」と自分で言ってました。だから展示する時にはグラサンでもかけて…ということになったんだとか。ちなみに「ギターは地味にジミヘンコード押さえてるんですけど」なんてことも言っていたような。テントに入って左側の方に物販スペース。ブックレットだけ購入。豪華な紫の皮袋入りだが…中身に金かけてもらったほうがウレシーかも。あと色落ちするぞこの袋。あとパンは当然のように売り切れ。11時から200個、終演後100個販売するそうですね。Mステでタモリが「美味すぎる」と言っていたので興味はあったのですが、そこまでの執着もなく、結局パンの姿すら見れませんでした。会場に入ると既にミラーボールがグルグル回り、ライトが明滅。そうなんです。ステージ上ではなく、テントの真ん中に大きなミラーボールがある。それから前方半分くらいまで、客席の上にもライトが吊ってあるんですよねえ。まるでクラブのようなサーカスのような…入った途端に既に別世界。しかしチカチカするのでブックレットは全然読めません(笑)。ステージには金色のプロセニアム・アーチがしつらえてあり、薄い白の幕がひかれてます。このへんのクラシックな感じがエンドリさん独特な感じで素敵。その他の内装とかは美輪明宏ばりに紫だらけでした。客席はアリーナはCブロまで平坦、Dブロ以降にゆるやかな段差。左右にも段差席。客席は目測で2500席くらいかと思いました。思ったより多い。いやこれで多いとか言ってたら東京ドームには戻れないわけだが。あとで調べたら2700席だそうですね。それにしてもこれを2ヶ月近く毎日埋める…。すごいよねえ。単純な掛け算でも12.4万人だそうですが、その数よりも、平日も含めて毎日人を集めるってことがどんだけ大変かってことですよ。だからシルク・ドゥ・ソレイユの来日公演なんてうるさいくらいのプロモーションするじゃないですか(笑)。普通こんなことはやらない。だからこそこの試みはすんごいことなんですよねえ。こういうことした人って日本で過去にいたのかなあ?海外ではセリーヌ・ディオンとかいるけどさ。6日には上半身ビキニのコとか、パンダの被り物をしたコ(後ろの人ご愁傷様)とかがいたなあ。13日はあんまりよくわかんなかった。開演時間になるとどこからともなく…というか両日ともサイドの席からのような気がしますが、開演を促す拍手が起こります。なんかコレ、最近ライブ会場でよくみられるようになりましたね。アーティスト側はすごく感動するみたいです。ジャニーズのタレントは淡々としてますけどね(笑)。
M01 ENDLICHERI☆ENDLICHERI開演の拍手がそのままこのインスト曲のビートを刻み、正面の幕に様々な幾何学模様や民族的なテキスタイルが映し出されます。「Coward」のアートディクションからつながってるようなイメージ。途中からゴボゴボと音がして水の中のイメージへ転換。特大のエンドリケリー・エンドリケリーが横たわり、上手から下手へとするっと泳いでいきます。いや、ここは全体的にそんなに凝ったCGではなく、写真のスライドみたいなもんなんですけどね。視覚的な演出はこのOPだけで、あとはもっぱらライティングのみ、って感じでした。次に同じくエンドリケリー・エンドリケリーの正面顔が上から降ってきて、ステージに鎮座まします。正面から見るとホント宇宙人みたいな顔してる。
M02 Blue Berry幕が開くと、人差し指を頭上に掲げたポーズで剛さん登場。つーか最初にこの曲かよ!きっと最高潮のところに持ってくるんだろうなー、と思ってたのに。最強カードを最初に出しちゃった感じですねえ。でも結果的には「ノリ」とかとは違うところに行き着いたライブだったので、この曲順はやっぱりアリかー、と後で思いました。お尻を客席に向けて「プリ」「プリ」「プリ」と振るところで客席の嬌声はMAX。みんな腐ってんなあ(笑)。あとスキンへッドにフリルブラウスのスティーブのダンシングタンバリンが初見ではものすごいインパクトでした。目に焼きついて離れねえ。ステージ上はこれといったセットはなく、中央に大きなクリスタルビーズのカーテンがタップリと一つに束ねられて、シャンデリアのようになってましたね。
M03 闇喰いWind「いたずらなオマエがいる、ずるがしこいオレがいる」と歌詞を変えて歌ってましたね。 落ち着いて剛さんのカッコをよく見ると、紫のラメラメロングジャケットに、パンツの上にスカートみたいなのもはいてるようで、結構厚着。 デッカいサングラスもかけてました(「雄」終わりで外してたと思う)。衣装変え沢山やるのかと思いきや、これと、上脱いだ2パターンのみでした。 6日は双眼鏡なしで行って大層後悔したので、13日はしっかり細かく見れました。5割増でライブが楽しくなったよー。 Bブロ以降だったらワタシは必須だな。
コーラスはチャカ姉さん筆頭に6人の大所帯。オリジナルな振り付けで楽しませてくれました。お客さんもよく合わせてましたねー。 つーかCHAKA。PSY'Sの、だよ?世代的にどストライクなもんで、アルバムに参加してた時も驚きましたけど、ライブにも出てくれるなんて。ワタシは2回も見れてとてもラッキーだなあと思いました。
M04 雄突如アフリカンな雰囲気に。こんな曲あったっけかなー、と思ったら「雄」でした。前半のアレンジが随分違うのね。で、剛さんは傍らに置かれたいろいろな民族楽器みたいなんとか、あとテルミンみたいなのも触ってたんでしょうか?しきりに脇っちょで手を動かしてたもので。しかし最後に絶対聞こえないであろうサンポーニャ(アンデスの民族楽器)を「フー」と吹いてシメてたのが最高でした。あはは。この曲は「Coward」では2番目に好きな詞だなー、と思ってた。剛でないと書けない美しさがありますね。ちなみに一番目は「故意」なんですが。なんでやってくれないんだよー。
ちょっとご挨拶。今日起きた時は雨が降ってて「♪〜(マイナー)」な感じだったけど、今は「♪〜(メジャー?でもないような)」です、とかなんとか。お天気の話で好きですよねえ。イギリス人か。
M05 a happy love wordここでサングラスを外したのかな。前作のライブでは、剛さんは歌うことに徹してましたが、今回は何曲かギターを持ってソロもとってましたね。この曲ではそうでした。熱いけど気だるい、バリバリのブルース。こういうブルースへの親和性って、実は関西人気質からくるものかな。関西ブルースの系譜ってありますもんね。犬井ヒロシとか(笑)。
M06 濡れ鼠好きなんですよこの曲が。これを月夜に運転しながら聞いてた時、ばちっと情景にマッチする瞬間があって、いいなーと思ったのでした。そもそも剛さんの歌って非常にナマナマした感じが強いんですが(そこがたまらない時も多々あるんですが)、この曲はちょっとふわふわしてるんですよね。そこが助かるのかもしれない。この曲だったか、西川先生はギターをチェロのように弓で弾いてましたね。
M07 美しく在る為に今回のライブの真骨頂はここです。暗くなったステージの後方から前方へむけられる幾筋もの放射状の光。その真ん中に剛さんが立っています。傍らの暗がりでは、静かななかではありますが、スティーブが様々なものでパーカッションパフォーマンスをしていました。重い鎖を引きずる。チェーンソーで火花をちらす。でも不思議とそれが軽やかでキレイな音だったりしました。様々なノイズが入りながらも、いやノイズを含んでいるからこそとても厳かな空間だった。後奏のピアノフレーズも美しすぎました。「美しく在る為に」っていう曲は、前作でいえば「DEVIL」のような位置づけにある曲で(ともに初回限定盤から外されてるという意味は大きい)、とても重要な曲だということは理解しているんですが、個人的には好きじゃないんですよ。でも、この曲のパフォーマンスには感じ入りました。これを演り切る剛さんってのはやっぱスターです。13日は、間奏時に後ろを向いて光を受け止めようと手を伸ばす姿が印象的でした。
ここでMC。ここのMCは毎回ほとんど独白というか、非常にシリアスなものでした。
@ 小さい頃から仕事をしてきたので、見なくていい大人の汚い部分とかを沢山見てきました。「美しく在る為に」という曲の中にも「人はいつも自分が美しく在る為に勝手だったでしょ」とありますが、人は自分を守るために人と争ったり、傷つけたりしてしまうねんけど。人を傷つけるよりは、まず自分を傷つけたほうがいいと僕は思っています。@ でも、そうやっていくうちに、なんだかわからないけど涙が出てきて止まらないとか、自分でもどうしたらいいかわからない時とかがあって。そんな時、街で「剛くんのペースで、お仕事に戻ってきてくださいね」という優しい言葉をかけてくれた方がいました。また、プロなんだからと厳しいご意見もいただきました。どちらも心に残っています。@ 次にやる「ソメイヨシノ」という曲。毎年、母と桜を見に行くんですけども、何年か前に「この桜をあと何回一緒に見れるんやろね」ということを母が言ったんですね。その時は「そんなん何回でも見れるやんか」と冗談めかして答えることしかできなかったんですけど、はっと胸をつかれる思いがしました。それから、「もし死んだとしても、剛の子供になって生まれてくることができるやろか?」なんてことも言ってて。「おかんやったらできんのちゃう?」って答えましたけど。@ 桜は毎年違う花を咲かせんねんけど、そこには、その土地に住む人の思いとか、そういうものが花と一緒に地上にあふれでてきているような気がします。だからもし母が死んだとしても、桜になってまた会えるんじゃないかな。そんな思いを込めて作った曲です。いつかは会えなくなってしまうかもしれない、母親や家族、恋人、友人、大切な人のことを思い浮かべながら聞いてくれたら嬉しいです。@ この歌をライブでずっと歌ってきて、本当にこの曲を作ってよかったなと思ってます。この曲をこうして歌うことは自分にとってとてもいいことなんだなと。
終始真面目で、声も張らず、笑いなし。だってかなりな内容ですし。そして客もそれを真摯に受け止めている。冷やかし半分の人には居場所がない感じがしました。これだけの濃ゆい空間ってのは、勿論、剛さんのある意味(ある意味!)非常にオープンなパーソナリティがあってこそですけども、彼がこういう人である、ということに対する客の深い理解がなければ成立しない。この理解度の深さに感じ入りました。そこに「歴史」みたいなものもしみじみ感じたりして。いや、オールドファンがエラい、なんてことが言いたいんじゃないんですよ。とにかく剛さん自身が、「こういう自分」を受け入れてくれる場所を探す、という作業を諦めずにトライし続けた結果、こういうお客さんがちゃんと集まるようになったと、そういうことなんだと思います。追加公演を決める時に、ジャニーさんが「いいお客さんだね」って言ってくれたそうですけど、ジャニーさんが誉めたのもこういうことなんだろうな。ワタシは剛さんの話を半分聞きながら、どうしていつも剛さんは「終わり」のことを考えてしまうんだろうなあ、なんてことを考えていました。今が幸せであればあるほど、楽しければ楽しいほど、その「終わり」を考えて切なくなってしまう、という。そういう性格!と言ってしまえばそれまでですが。40代・50代とかの人生の折り返し地点に近づくにつれ訪れる、人生の「秋」ってものを、人よりずっと早く、強く感じているからこそなんではないかと思えてならないですね。ワタシ達が通り過ぎる20代とは全く違う時間の流れを感じているのではないかと。
M08 ソメイヨシノステージ両サイドに桜のスライド。この曲を初めて聴いた時は、完全に2ndアルバム「[si:]」の延長線上、いや「[si:]」に入っているべき曲だなと思いました。シングルにしてはユルいってのもあるし…。こだわるようですが、「[si:]」およびそのライブってのは、1stからの成長率(マインド面も含む)、レベル云々というよりはそこに大きな感動があったんですよね。だからこの2年間の成長は?とか、だったらENDLICHERI☆ENDLICHERIって何なのよ?みたいに思ってしまったのでした。でも、ライブではこの曲を聞きながら泣いている人が沢山いて。それを見ながら、ワタシはそこまでピュアにはなれないなと思い、珍しく羨ましいなと思いました。この後のコーナーで「尊敬してます!」って剛に声をかけてた人がいるんですけど、ああ、違いはそこかあ、とか妙に納得したりした。
ここで上の衣装を脱ぎ、黒と赤と黄色と白と…みたいな原色のTシャツ姿に。またMCぽいコーナーになるのですが、さっきの独白とは一転して、客席と軽口を交わしたり。とってもリラックスした雰囲気。ここは今までの剛さんのソロにはあんまりなかった光景で、すごくいいなと思いました。つーかこういう楽しいMCもできるんだったらこれだけでダメなのか、と思ったり(笑)。
@ (いろいろ剛さんに声をかける客がいますが…)ここはボクが息を整えながら散歩するコーナーであって、別に質問コーナーではないですから(笑)。@ これからメンバー紹介をするんですけども、僕が紹介するとね、やらしい話高額なギャランティーが発生してしまうので、あのsankakuにやってもらいたいと思います。ただ、sankakuも高額なギャランティーをふっかけてきたもんですから、「魚民」で話し合って。奴は「はんぺん食っていいスか?」とか言うんですよ。「いや、悪いことはないけど…」「はんぺんみたいな奴がはんぺん食ったらダメですか?!」とか妙に挑戦的で。「オマエが紹介すればええやんけ!」「でもジャニーさんが『ユーはスターだからダメだよ』って」、最終的には殴り合いですよ。でもそれで「なかなかええパンチ持ってるやん」って、和解して。なんとか紹介してくれることになりました。しかしsankakuは黄色い声で呼んでくれないと出てきません。皆で「さんかくー!」と読んであげてください。ではそのかけ声のリーダーを決めます。
sankakuくんの話はまーこんな感じでテキトーだけど妙に面白かった。はんぺん(笑)。13日は魚民じゃなくてデニーズとジョナサンで話し合ったとか言ってたな。「ジャニーさんと、ジョナサンに」とか(…駄ジャレ?!)。ここで馬のマスクを被った人がやってきて、カードを剛さんに手渡します。13日はスパイダーマンだったな。
@ リーダーになる人は、座席の下にカードが貼ってあると思うんですけど、皆さん探してみてください。…いない?ホントに?…オレの方には○列×番って書いてあるけど。(「あったー!」という声)ホンマに!イマドキの若い娘はカード一つ探せへん(笑)!@ じゃあリーダーが「せーの!」って言ったら、みんなで「さんかくー!」と読んであげてください。リーダーの人は「せーの!」でなくても「ふぇーふぉ!」でも「ふぉーふぇ!」でもなんでもいいですよ。今日という日は二度とやってこない。是非弾けた感じでお願いします。(西川先生が大爆笑)…先生これ好きなんですよね。「フェンフェーふぉふぁふぉーふぉふぁふぃふぁふ」。…あはは(完全に内輪ウケですが)。ここはメンバーが喜んでくれればそれでいいんです。@ それでもsankakuが出てこない時があります。その時は、君(客席の小さい男の子を指す)、振りつきで「フュージョン!ワンモアタイム!」って言ってください。じゃあ、練習しよっか。「フュージョン!ワンモアタイム!」。…なんかお母さんのほうが必死にやってましたね。あ、関係ない人なん(笑)?その人がほとんど「フュージョン!」言ってたがな。
ちなみに13日はメガネ男子に何か言わせてましたね。結局リーダーは普通に「せーの!」と言い、2回目ぐらいでsankakuがステージ両サイドのビジョンに登場。「みんなー…………………イエーーーーーイ(あくまで抑揚なし)」「…………………イエーーーーーイ(あくまでなし)」と富士山口をパクパクさせてコール&レスポンス。「バンドメンバーだけで…………………イエーーーーーイ」「モノマネをしまーーーーす・・・・・・・・・どーもーーーーー、聖徳太子、でーーーーーーす」とかも言ってました。自由なやつ。文字では表しにくいが喋り方がすんげえカワイイ。音楽が始まり、曲に合わせてメンバー紹介をしていくんですが、sankaku何言ってるかほとんどわかんなかったよ。紹介には不向き(笑)。
メンバー紹介を改めて見ると、本当に前回参加してた皆さんがほとんど集結してくれてるんですねえ。十川さんが「つよし最高」という掛軸を披露したり、西川先生がキューティクルヘアーのお手入れにはにかかせないブラシで、ギターを弾いたりしてましたね(剛に「何仕込んでるんですか?!」と言われていた)。アルバム聞いた時も、ライブ見た時も思ったんですけど、西川さんとか十川さんとか、剛ソロではめちゃくちゃなことやってるんですよね。普通ここまで実験的というか挑戦的というか、ギリギリなことは、そのセンセイ方のポジションになったらもうしないだろうというような。で、剛さんが、こういうセンセイ方にいいように利用されてんじゃないかしらー、なんて思ったりもしたんですけど。それは誤解も誤解で。「そこまでやってください」って指示しているのは剛の方であって、センセイ方が剛によって音楽的に解放されているわけですよ。それを剛も求めるところとしているわけですよ。これはなんか素晴らしいことなのではないかと思いました。メンバー紹介、最後は剛さん。いつのまにかキンピカのエンドリケリー・エンドリケリーのかぶり物をかぶっております。魚の口から剛の顔が出てるよー。ムーンウォークをしながらのギターソロ。バック演奏もないので完全にフリーです。故に収拾つかなくなって倒れこみ、倒れこんだままさらにプレイ。ムクッ、ムクッ、と勿体つけて起き上がりながらさらに弾き続け、最後はターンで締めてました。オモロイ。ジャニーズならではのギターソロだ。ヨッちゃんにもできまい。大爆笑しながら見るのが正解だと思いました。M09 16
前作でいえば「PINK」みたいな位置づけの曲かな。それにしても「a happy love word」とかこの曲とか、全くキャッチーじゃないにもかかわらず、聴いている客の集中力は高かったです。「16」という数字(それは「16時」という意味だけではないでしょう)に込められたものを余すことなく受け止めている感じがしましたね。それに応えるように演奏にもさらに熱がこもる。それがありありと伝わってきました。だからこそ終わった時には大歓声。特に13日は熱かったですね。何回も言うようですがこの曲でこういうリアクションができるってすげえよ。
M10 Chance Comes Knocking歌詞のほとんどないこの曲。妙にホッとします(笑)。ホッとするというか何も考えずに盛り上がれるのがいいですね。だから終盤に「Blue Berry」とこの曲立て続けで盛り上げるのかなー、とか考えていたんですけども。
途中からまたしてもバックの演奏が消えまして、剛さんのフリーなギターソロに。そこで剛さんが「CHAKA、CHAKA、 ここへきてオレに愛の言葉を囁いてくれよ〜♪」とかなんとか歌ってて(こういうことよく言えるよなー)、コーラスのチャカ姉さんがセンターに呼ばれます。姉さんも少し照れながら出てきて、ボーカルとギターでひとしきりの掛け合い。姉さんは見た2日間とも全然違う感じの即興スキャットでめちゃカッコ良かったです。フリーなコーナーなので当然収拾つかなくなるんですが、最終的には演奏に戻り、エンドレスな「higher〜♪higher〜♪higher〜♪」で再び盛り上がりました。
M11 Six Pack「Coward」では一番ポップな曲。特に曲頭がイイですよね〜。そのイントロをバックに毎回言う剛さんのご挨拶が激萌えでした。「とうとう最後の曲になっちゃったよぅ」。「よぅ」って。書き文字(in "Love Fighter")じゃなく音声で聞いたのは初めてだー。うぎゃー。「みんなで歌って、踊って、ジャンプして、×○△☆!!」と何言ったかよくは覚えていないんですけど(オイ)、とにかく音楽とのシンクロ具合が絶妙で感心してしまいました。その言葉に煽られるように、前奏、間奏、後奏ともに、一瞬のブレイクの後ブラスが入ってくるところでみんな思いっきりJump!してましたね。
関係ないけど、ワタシはテレビで叶恭子さんが「ワタクシSix Packありますのよ」と言ってたのを聞いてこの言葉を初めて知りました(笑)。
これにて本編終了。すぐに客席から「ケリー!(チャチャチャ!)」「ケリー!(チャチャチャ!)」というアンコールが起きます。そういやみんな剛さんのこと「ケリー」って呼んでたね。ワタシは「エンドリケリー・エンドリケリー!」ってフルネームで声を掛けたかったが(笑)。なんかこの「ケリー」って呼び方、GS時代の「ジュリー」とか「ジャニー」(爆)みたいに、英語のニックネームをつけて呼んでるみたいで妙に昭和のニオイを感じた。でも在り方としてはそういうGSスターに近いものが実際あったよなあ。コールに応えて再びケリーさんが出てくるまでは結構時間かかりました。
E01 The Rainbow Starゴールドのハンチングを被って登場したんではなかったでしょうか。新曲だということでしたが、もうお客さんにとっては「お馴染み」という感じで振り付けもバッチリな人が多かった。ワタシは全然歌詞が聞き取れなかったぞー。それだけリピーターが多いということなんでしょうな。リピーター率が知りたいなあ。ちなみに愛知万博は40%だったそうだけど(関係ねえ)。多分6割超えてるでしょ。曲前、曲後ともに結構MCありましたね。。@ (通路を歩いている人がいて)帰るんですか?いいよ、電車の時間なんでしょ?じゃあね。…いいんですよ。これぐらいユルい感じの方がボク的にはいいですね(笑)。@ ライブも残すところあともう少しですが。皆さんが望んでくれるんであれば、ボクはまたこの場所に立ち続けたいな、と思ってます。でもボクの一存ではどうにもならないことですので、それは事務所にね、要望の手紙を送ってください。ファンの力で政治を動かしてください。…政治て(笑)。@ 次に歌う曲は…この曲が今一番歌いたいことを歌った曲かな、と思ってます。
E02 これだけの日を跨いで来たのだからいよいよオーラス。いつ回るんだろう?と思っていたテント中央の大きなミラーボールがようやく回りはじめます。「悲惨な出来事なんてあるのが当たり前じゃない」と繰り返し歌う剛さん。…そうですよ。そうなんですよね。こないだ偶然伊東四郎が「人生は苦しいことが9割」と言っているのをテレビで見、そして井上ひさしも「人生は苦しいことが9割」と言っているのを新聞で読みました。だからこそ喜劇が必要なのだと。だからこそ1割の笑える日が人を生かすのだと。日本なんかに住んでると、ついつい「人生は9割が楽しくて当然」なんていうふうに勘違いしちゃって、ちょっとした苦しさに行き当たるたびに苛立ってしまいがちなのですが。何故かこの2人の喜劇人の言葉は、「そうかー、そうだよなー」って、妙に素直に受け入れることができたんでした。これもワタシが「これだけの日を跨いで来た」からなのかもしれませんね。そういう意味では非常に共感できる曲です。剛さんの年齢では早い気もするが…でもやっぱ四半世紀も生きたわけだからな。
後半はコーラスの「♪NAーNA」というフレーズを手を正面にかざしながら客が歌い、剛さんの即興詞(でも大体決まってるフレーズだったのかな?)と長い掛け合いをします。…長いもんでお友達のお付き合いできた人とかはここ辛かっただろうなー。いや、6日にね、明らかにそういう感じの人がいて、ドン引きしてたのがアリアリと。わはは。剛さんが何て言ってたかあんまり覚えてないですけど、「光を放て」って、旧約聖書(「起きよ、光を放て」イザヤ書60章1)みたいなことを言っていたのは印象的です。最後の方では、♪10代だけで (♪NAーNA!)
♪ウソはいけませんよ 20代だけで (♪NAーNA!)
♪ウソはいけませんよ 30代以上だけで (♪NAーNA!!!)
♪正直でカワイイね 最後に ボクを愛してる人だけで (♪NAーNA!!!!!)
♪大正解!イヤーン。なにコレ(笑)。書いてるだけでオバちゃん赤面しちゃうわっ。ほんとにこんなことが出来ちゃう剛さんはスター…ってかアイドルの中のアイドルだな。天然だな。あと「♪男の子だけで」とかもありました。男子は音域が高くて苦労してた。剛さんはなんてことなく歌ってる音域なんだけどねー。6日は正直ノリきれない場面もありましたが、13日はとてもお客さんのリアクションおよび演奏内容も良く、最後に剛さんが「今日のライブで、皆に抱きしめられた時の「きゅん」とする感じは、クるものがありました」と言ってくれました。そのコメントにヤラれた西川先生が、剛さんの後ろで自分の肩を抱きながら「イヤーン」ってなってたの、見逃しませんでしたよー。ってかワタシもそういうふうになってたから!
「ENDLICHERI☆ENDLICHERIって何?」という問いに対する答えは、ライブを見た限りではやっぱり「?」でした。前よりもいろんな意味でラクそうになったよなあ、とボンヤリ思ったくらい。でも、家に帰ってパンフ読んでよくわかりました。アーティスト活動に「堂本剛」という名前を使うと、それがいかにも「本当の姿/本当にやりたいことをやっている」ように取られてしまい、ということは、「KinKiの剛」は「ウソの姿/やりたくないことをやらされている」んだ、というふうに短絡的に受け止めてしまう人が多い。それが剛さんのいう「ソロが生んだ弊害」ってことなんだと思います。実際ワタシもまんまとそんな風に考えて動揺したりしてましたしね。そういうことじゃないんだ、ということを明確にするために「堂本剛」という名前を封印したということなんですね。それだけ剛さんがKinKiとしての活動を大事に思ってるってことがわかって、逆に感動したりした。いまやグループ活動とソロ活動は、一方が一方の存在を負担するような、切っても切れない関係になりつつありますもんね。でも、「名前」ってやっぱり重要。意識してないつもりでも、やっぱり知らず知らずいろんなものを背負っちゃう。そういうのをまだ背負ってた前回のライブなんかは、自分はここまで伝える努力をしました、さあ、客に伝わるか、受け止めてもらえるのか、という緊張感が滲んでた。でも、それが叶った感動ってのもその場でダイレクトに伝わってきた。そういうミラクルがありました。剛さんがメジャーなものへの最大限の歩み寄りをみせたという点でも素晴らしかった(ちなみに前々回、ファーストライブは客の理解を否定するようなところすらあった…気がする。若かったねえ)。それが今回は「勿論受け止めてもらえるでしょう!」というような確信に満ちてた。これは、「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」という自分のカラダにピッタリした動きやすい服を手に入れたことで、背負ってたものをちょっと下ろすことができたということもあるでしょうし、これまでのソロで積み上げてきた「歴史」も自信になったんでしょう。それからなんといっても、ここ「THE ENDLI. water tank」でライブを重ねる中で増していった確信なんだろうな。とにかく剛さんとバンドさんと客、全員によって初めから完成された空間、というような印象が強く残りました。でも、これだけのパーフェクト・ワールドを作り上げたんだから、剛さんはさぞ満足であろう、と思い、ライブの間中、ずーっと双眼鏡で見ていたんですが。剛さんは決して笑ってはいなかったんですよね。MCの時は笑ってましたが、歌いながら、演奏しながらはなかったと思います。意外でした。もともとライブではそんなに笑いながら歌う人ではないですけど…やっぱり違和感。ワタシ達が思っているほど剛さんは「たのシー!」って感じじゃないんだと。以前だったらこれに対し、「やっぱり客への不信?」なんて思っちゃってたところですけど、これだけライブを重ねてきて、客のリアクションがこれだけアツいなかではそれも考えにくい。…………KinKi Kidsをやり続けるということと、自分を保つということ、「男子一生の仕事」を持つということ、周りも大事にすること…様々なものの折り合いをつけて生きていくなかで、「これしかない」というような、切実さを持って臨んでるってことなんだろうな。前にも書いたような「ソロ活動」=「本当の姿/本当にやりたいことをやっている」=「充実」なんていう単純な図式じゃない。…そういや、以前は舞台にいることが「しゃーわせ」って感じでほにゃーとした笑顔を振りまいていた光一さんが、04年の「SHOCK」以降その笑顔の「質」が変わったことがずっと気になっていたけど、それも同じことなのかもしれない。でも、全てが満たされたら人間はそこで終わる。いわんや表現者は(どこかで聞いたなこんなセリフ)。このパーフェクト・ワールドにどっぷり浸かりながらも、どこかむずがゆさみたいなものを感じていたワタシにとっては、より良い「次」への希望がすごくあるってことなんじゃないかと。勝手に思いました。ライブ終わりで「あと5回しかないなんてマジありえないんだけどー」とかしきりに言ってるお客さんの声を聞きながら。以 上