平安神宮は昨年に続き2回目です。仙台~伊丹は空路で、そこから京都まではリムジンバスで。 三連休の京都、相変わらず人多いっすね。 夜用に三越で和久傳の「鯛ちらし」を買いました。この豪華弁当への散財も1年ぶり。 ホテルの隣が二条城だったけど、体力温存でゆっくり休んでから平安神宮へ向かいました。 交通手段が結構ばらけているせいか、開演前も後も、 駅に入場規制とか車両がぎゅうぎゅうになったりしなくてよい。 東山駅から平安神宮までの夜道の暗さ、ふと漂う線香の匂い、あとちょっと漬物の匂い(笑)。 京都だなあと思う。奈良も概ねそんな感じですけど、もっと草とか土の匂いがする。 何よりも京都の夏の夜は、やっぱりこの世ならざる雰囲気がある。不思議なところだ。
天気は曇り。しかし台風の影響か、暑い! 最高気温34℃の日でしたからね。虫除けスプレーガンガンにしてきたから無事だったけど、蚊はいたのかな。
虫の声はリーンリーンと大きく聞こえてきました。 砂利がサンダルの底に入ったりして難儀しつつ、自分の席に着席。 6列目だーい!っつって来たけど、上手の端っこだったので、
ステージ奥はかなりの部分がスピーカーで見切れておりました。 さらに撮影用の大きなクレーンがしょっちゅう視界にイン。まあそんなにうまい話はないっす。
特設舞台はあいかわらずぐるっと四方に細い縄が張られており、注連縄を垂らしてる…と思いきや、吊り下がってたのはガラスの風鈴! しかも短冊のところに白いLEDがプチプチとついてた。他のアーティストは平安神宮でやるとき別にこの縄張りしないよね?
最初は、神楽の舞台とかを意識したセッティングなんだろうなあと思っていたんだけど、風鈴だし。 どういうこだわりなんだろう。
さて開演。音もなく暗転の中に皆さん登場してスタンバイ。
M01 Welcome to shamanippon
ちょっと「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」に似てるこのインストでのOPは予想通り。 剛さんはギター弾いてたけど、何のフレーズ弾いてるとかよぐわがんね(訛れば毒吐いても許されると思って)。
太極殿の碧瓦一面に映像が写し出されていたのは圧巻。こういう使い方できるんだねえ。 もはやプロジェクションマッピングに近い。 剛さんのお衣装は、サテンのようなテロテロした生地の、裾の締まったパンツ。
かなりハイウエストだったので、オールインワンみたいにもみえた。 腰のあたりにギャザーが沢山入っててキレイ。 その上に黒いショートジャケット。赤とかシルバーとかのラインストーンだかスタッズだかがびっしりできらきらしい。
しかしこのスタイリングもshipを踏襲してるかな。ギターもマイクもship仕様のやつだったし。 そういや、赤い曲線のマイクスタンドに、榊でもない何かの葉がー枝さしてあって。
赤と緑のコントラストが鮮やかだった。 剛さん、たまにいただいた生花をステージに置きますよね。あれ不思議と記憶に残る。 「十人十色」の百合とか。多分すごい違和感なんだと思うが、それがいい。
平安貴族も頭に枝花とかを飾っていましたよね。そんな雅な感じもある。 タイガー&バ…平岡さんは赤のミニワンピでかわいかったな。他メンはほぼ黒。
ダッチとスティーヴはスピーカーで見切れていたのか、影さえも見えなかったです。十川さんが上手の一番前にいておおっと思った。もはや鍵盤メインじゃないすか!
M02 shamanippon~くにのうた
M03 I gotta take you shamanippon
少しアレンジ変わってたけど、「くにのうた」のイントロのホーンが聞こえるなり、shipリピーターとそうでない人のこの曲に対する反応は二分された感あり。
前者「うおいーーー(shamaサイン)!」、後者「おお…」みたいな。そういう場面が散見されたな。
ワタシは「くにのうた」は「うおいーーー!!」だけど、「I gotta…」は「おお…」みたいな。これはship行った時期にもよるんだろうね。「I gotta…」とか後期だもんな。
どうでもいいけど、「くにのうた」のコーラス、なんで剛さんは歌わないんだろう。CDは剛さんの声なんだけどなあ。ライブではギターに専念してますよね。前々から気になっている。
M04 Clap Your Mind
とってもライブ向きだなあと思ってたので聴けて嬉しい。メッセージはなかなかシリアスですけどね。つーかこの曲のベースすごいな。
結構ここまで畳み掛けるようにアッパーなノリの曲が続きます。ちょっと意外だった。客は総じて大人しいっすけど。
しょうがないか。やすすも言ってたもんね。「心の中でアイドルを応援するタイプのファンもいる」と。良い悪いじゃないくて種類が違うだけだと。
でも、客が盛り上がると、何より演者が盛り上がるんだよなあ。ライブは互いを映す鏡のようなもので。だから盛り上がった方がよりハッピーだと思うんだけど。
余談が過ぎた。
M05 …ラカチノトヒ
これはさすがにテンション上がりました。この曲のカッコ良さ異常。唯一無二の存在感。タケちゃんのギターソロもやっぱかっけ一!
この曲といえば、shipでの剛さんのダンスも非常に印象深いのですが、今回は軽く踊るぐらい。今回はギターソロとかも身体あんま動かしてなかったかもね。
M06 縁 -groovin'
CDになってるものよりもさらにスローな感じ。ここまで来てちょっと感じたのが、剛さんは今年もshamanippon shipをやりたかったんだろうなということ。
他の場所でもやるみたいな話ありましたよね…?そういう思い残しがあったからなのかどうなのか、ちょっと昨年7月で時が止まってる感がした。 むしろ去年の平安神宮の方が、shipでの成果を踏まえた上で、いろいろ前のめりだった感じがしたんだけどなあ。すごくチャレンジングで。
M07 時空
そんなことを考えている時に「時空」。またかよ感がかなりありました。「時空」は2011年の平安神宮でもう十分だよ。つーかそもそもこの曲ってすごく大陸的だから奈良には合うけど京都には合わないよ。てかシャボン玉の演出てどうなのよ。
とか、心のなかでいろいろ考えてたんですけど。 最終的に最初考えたことを全部否定しなきゃなんなくなった。 剛さんがつまびくエレピの音。十川さんのピアノ(キーボード)の音。太鼓の音。ギターの音。コーラスの声。
それらがだんだんとグルーブしてきて、最終的にホーンが乗っかって、大変な盛り上がりに。 そのさなか、無数のシャボン玉が吹き荒れる。このシャボン玉は全然「ファンシー」なんて感じじゃなかったんですよね。
様々な色のレーザー光線が飛び交う中を、わーーーって、まるで桜吹雪のように舞っていった。その激しさ。 音楽との相乗が素晴らしかったです。しばし呆然。「時空」って結局いつも感動しちゃう。なんなんだこの曲。
M08 赤いSinger
このイントロ…何の曲だろう?って思ってたら、「♪瞼落とせば…」って、「赤いSinger」じゃないですか! これは私にとっては今回最大の嬉しいサプライズでした。 「十人十色」以来だ。今まで3回しかライブで聞いたことない。いやそんなこと言ったら新曲は聞いたことなくて当たり前なんだけど、 CDで聞いただけでも紛うことなき名曲にもかかわらず、ライブではなかなかやってくれないという印象があった。 だからほんと嬉しかったです。それにしてもこの曲の陶酔感はすごい。曲というか、剛さんの声だよな。剛さんが振り絞るように高音域の声を出す。 それだけでもうなんか胸がいっぱいになってしまう。一瞬にして客の心が全部持っていかれたのをアリアリと感じました。 しかも盛り上がるはずの大サビで、バックの音がすうっと薄くなり、剛さんの声がさらに全面に出てきたところは鳥肌ものでしたね。 最後、「ああ、終わらないで!」って皆が思ったのもアリアリと感じました。そして終わった途端にふわっと吹いた風も感触もきっと忘れない。 個人的には、「赤い…」と同じくらい名曲なのに何故かライブでやってくれないなあと思ってる曲がもう一つあるんですよね。 それが聴けるまでは死ねないなと思っている。平安神宮には合わないからいいけどさ。
M09 technologia-意思
意外性という意味では「赤いSinger」よりもこちらのほうがそうかもしれない。アレンジが変わっていてメロウな感じが増していました。 ここではなかったと思うんだけど、曲の間奏部分などで、剛さんは顔を真上に向けて空を見ている場面がありました。
どうやら月を探していたらしい。しかしこの日は曇りでほぼ月も星も拝めなかったですね。
M10 瞬き
「赤い…」と同様に、十川さんのピアノソロから始まりました。はじめ「縁を結いて」かなと思っちゃった。 それぐらいスローで張り詰めたアレンジにガラリと変わってます。
剛さんには正面から照明が当たらず、逆光の薄暗い中で終始歌ってましたので、表情はぼんやりとしかうかがいしれず。 しかし終盤にかかると、剛さんの声は急に頼りなげに震えたものになっていきました。泣いてはいなかったと思いますけど、こみ上げるものをそのまま声に出していたような感じ。
こうした演出は決して作為ではないと思うんですが、こういうことができちゃう、というのが、ミュージシャンじゃなくて、スターよな。
M11 TUKU FUNK ~ SESSION
再び碧瓦一面に映像が。剛さんの巨大な目とかインパクトあった。 そして、平安神宮といえば「TUKU FUNK」ですよ。月の下でできれば最高だったんですけどね。
和テイストの強いギターフレーズがかくいいっす。 どこまでが決まりごとかわからない感じで、ダッチのソロもたっぷりやってました。 ツーバスとかでドカドカやってるさまを剛さんが楽しそうに見てたのが印象的。
どんどん盛り上がって、最終的には歓声も上がってた。 こっからの剛さんのギターソロはなかなか熱かったと思います。 さらにバンドセッションという名のムチャぶりタイムへ突入。ここはもう決まりごとないでしょ。
剛さんがバンメンにランダムにソロを振っていきます。かなりたーっぷりやりましたね。
最後にMC。
昨日も今日も雨に降られることもなく無事終了しました。
お月さんは隠れてしまってますけど…。
こういう空の下でやれるってことは、アーティストにとってはとても贅沢な時間です。
昨日、平安神宮の宮司さんとお話をしました。
日本には八百万の神、という考え方があって、すべてのものに神が宿っていると。
でもその神様がみんな、けんかもせずうまくやっているんだというお話がありました。
確かに、一人ひとりが、自分はこうするんだってことを強く持っていれば、争うこともない。
自分を信じていれば、このステージをやっている間も、どんなことが起きてたって、焦らず、緊張もせず、何が起こっても対応できる。
最後まで楽しくライブをすることができる。そういうことをより深く感じるようになっています。
ここに立つたびに、ほんの少しだけ成長している自分を感じます。
また、お互いに成長した姿で、ご縁があれば、このステージでお会いしましょう。
運が良ければ夢の中でも。
平安神宮でのライブは、1時間半と尺が短いこともありますが、自分としてはなにか物足りなさを感じるんですよね。 客のノリなのかな、とも思いかけたのですが。どうやらそうでもない。
剛さんは、平安神宮でやるときは、音楽を神に捧げる気持ちでやってるんじゃないかと。 だから音や想いは、客ではなく空に向かっているんだと思う。もしくは、空に放つために自分自身に向かっているのかもしれない。
そう思うと、「瞬き」の時の剛さんの思い入れ方なんかはなるほどなあという気がする。以前、「縁を結いて」では泣いてましたしね。 だから平安神宮では、オーディエンスは傍観者というか目撃者みたいなものなのかなと思う。それが客としてなんか物足りない感の正体かなとボンヤリ考えた。
個人的には、昨年の方が興味深い目撃だった感は否めないか。でも、今年のあの碧瓦の使い方とかはかなり衝撃でしたし。 なによりも15日の台風ライブは、これはもう伝説の目撃以外の何者でもなかったと思われます。
是非映像化して欲しい。カメラ入りまくってたので勿論期待してます。
以上
堂本剛
平安神宮公演 2013
at Heian-Shrine , 2013.09.14
