2020年1月1日 → 2019年12月31日(カウントダウン)はこちら。
少し前面に突き出した巨大なプロジェクションスクリーンがステージ全面を覆い、そこにはツアータイトルがシンプルに映し出されています。
ステージの左右には噴水がずらりと並んで。30分ごとに「Anniversary」、「Time」、「Family」、「Harmony
of
December」のオーケストラ音源に合わせた噴水の演出がありました。ライブ前の客席の素明かりが嫌いなのでこの演出をつけた…と光一さんは語ってました。
会場に入ったらもうコンサートは始まっている!って考え、なんか早くもジャニーさんを彷彿とさせますね…。
また今回は2人のステージングとして大きく左右展開できない分もこの噴水の演出に託した感がありました。
暗転。スクリーンのツアータイトルの中の「T」と「K」から、青と赤の2つの光が飛び出し、ふわりと宙を舞って2つが真ん中で合わさったとき、スクリーンがそこから左右に割れ、二人が登場しました。もう泣ける。
01 愛のかたまり
ステージの中段の段高いところに二人で並んで登場。「愛のかたまり」って、個人的には最高に大好きな曲というわけではないんですよ。
でも今回、キンキの冬コンあるんだなあと思ったとき、真っ先に「愛のかたまり」がきけるんだな…と思ったんだよね。そういう存在の曲なんですよね。
衣装は光一さんが黒のリボンタイと、金モールが豪勢にあしらわれた臙脂色のロングジャケットの三つ揃。剛さんは空色のショートジャケットに、鏡の破片みたいなのがたくさんついてるやつ。
袖丈も短くて手首が見えてかわいい。中は緑色のラメラメしたやつだったな。下はピンクのパンツ。水色・ピンクって配色は前半のステージングでは照明でもよく使われていたので、実はマッチしてた。
それにしてもウィアコンみたいに見事に二人バラバラな衣装です。
02 The Red Light
コーラスで「この曲だ!」とわかって悲鳴。剛さんの超ギュインギュインなギターソロで悲鳴。その後ろの一段高いところに立った光一さんが踊りだして悲鳴。大変な熱量の曲になりました。
遂にライブでこの曲がきけるのか!というファンの盛り上がりもすごかったけど、これだけのものになったのは、何より二人が本当は二人で踊りたかったからなんだろうな。
でもそれができないなかで、それ以外の方法でどう最高にみせるのか、ということをとても考えてくれたからだと思う。
剛さんのギターは、ソロライブではあまり聞けないようなロックテイストのザ・カッコイイやーつで痺れたし、中盤のキーボードソロのところでは、ギター持ったまま結構長くフリーダンスしてたんだよね…。たまんね。
あと剛さんは歌い方変えてましたよね?♪これ以上〜(↑)、って最後の上がる音をしゃくって歌うのは元々なんだけど、より下を響かせて、上はファルセットで抜いて歌ってる。
この方が楽なのかもしれないけどめちゃかっこよかったな。ライブ初披露のこの歌ですら、もう別の歌になっている(進化を遂げている)。今回のライブの剛さんの歌って、実は全編そんな感じ。
03 lOve in the φ
かっこよ!かっこよ!レッライからのこれはちょっと漏らしそうになった。Kコン以来実に8年ぶりです。アレンジにブラスもバンバン入りまくって、かなりテイストが変わってます。
つーかベースが超かっけえ(しかし大晦日はこの時点でまだ多聞ちゃんの存在に気づいていない)。
今回ステージは奥が上段、バンドさんのいる中段、前面ステージと3層が作られていたのですが、上段と前面ステージをつなぐスロープが左右にあって、ステージをぐるっと囲む四角いランウェイのようになってました。
この曲ではそのスロープに顔まで全身LEDをつけたダンサーが表れてパフォーマンス。剛さんはスタンドマイクにギターでステージ中段の定位置。
光一さんは踊りながらステージ奥の上段、前面ステージと移動。アレンジがガラッと変わってる分、光一さんが踊る振り付けがあのままなのが逆にアツい。
04 雪白の月
ダンサーパフォーマンスの時間をゆっくり取りつつ、剛さんはギターを外して、二人並んで歌います。ステージの上、天井のように吊るされた12枚のビジョンにうつる映像は、
窓からみた雪景色のよう。ルイスのトランペットソロが最高に優しい。
東京のときもはっとしたんだけど、この曲の最後の、♪君がいなくなって初めて 幸せの意味を知った…のところを、剛さんは空を見上げて歌うんですよ。
しかも悲しげにではなく、とても優しく、温かく。これは「君」に対する感謝だよね…。
この曲って、後悔とか自責の念みたいなのでいっぱいいっぱいな印象があって、こういう解釈は今までなかった。すごくはっとさせられました。
ジャニーさんが亡くなったことが曲の解釈を変えてしまうって、こういうことなんだろうな。
MC1
剛 わたくし、満を持してカッコいい衣装を提案したのですが、大きなご迷惑をおかけしている堂本剛です。
光 つい数時間前に41歳になった、まだ王子をやっております堂本光一です。
剛 大変ですよ。王子やるのも。
光 この衣装着れば誰でも王子になれますから。
剛 ボクはそういうの着ても若干違うんですよね。
光 別に好き好んで着てるわけじゃないよ?デザイン画が上がってきたからいいんじゃないですかって言ってるだけで。…アンタまぶしい!
剛 こういう迷惑かけると思ってなかったのよ。照明浴びてキラキラってなっていいかなって思ったら。
剛 KinKiの曲って難しいね。耳壊してからさらに難しい。今回演奏さしてもらってるけど、演奏も難しい。
光 こうしてステージに剛くんも戻ってきてくれてね。
剛 いろんな方々の母性の愛の海を漂ってきたらなんとか立てました。
光 昔、地元で車にも正月飾りみたいなのつけてたよね。道路にみかんめっちゃ転がってた。最近見ないよね。
剛 あってもプラスチック。確かにみかんを心配しちゃうよね。
光 家に帰ったら「あっ、みかんなくなってる」って。子供のころそんな思い出がある。
光 こういう時期にドームでコンサートやるのも21、2年くらいになるんですけど、いいの?シンデレラガールじゃなくて。シンデレラガール、キラキラしてるよ。
剛 もうオレらは服でキラキラしていかんと。
光 そうですよ。昔は稽古場に行くにしても、寝ぐせのままとかヒゲ伸びたままとかで行ってたんだけど、40手前あたりで親族に言われたんです。
「そんな感じでいつも行ってるの?その年でその感じはただの汚いおっさんだよ?」って。それ以来ちょっと小ぎれいにしてる。
剛 えらいわー。
光 ね、堂島君。
堂 ぼくもずっと口の中に口内炎があって治りません。治りが遅いんです。
光 昔、コンサートを飛び出しで出なきゃいけないときがあって、キラッキラの衣装着たまま新幹線乗ったのおぼえてる?
剛 おぼえてる。あんな恥ずかしいこと忘れるわけない。
光 あと、名古屋駅が大変なんですよね。裏動線通してもらっても、乗る車両から結構離れたエレベーターで上がらなきゃいけなくって。
そうしたらファンの皆さんがわーって、入場券しか買ってない人も乗ってきちゃって。
剛 そんなことしたらドタマカチ割るからね?
光 もう車両に乗ったら身動きとれないくらいぎゅうぎゅうなんですよ。それで「すいません、すいません」って言いながら一生懸命移動するやん。そして自分の席にやっと座れると思ったら、もう東京駅っていう。
剛 あったねー。
光 すごく人気があったころ(笑)。
剛 ものすっごく人気があったころ(笑)。
光 いまもこれだけ人が来てくれてるんだから、人気だとは思いますけど!
剛 …もうプロンプターに「早くいってください」って出てる。プレッシャーがすごいきてる。
光 じゃあ剛くんスタンバイしてくださいよ。カッコよく曲紹介してください。
剛 (サングラスをかけて)えー、次はー…
光 それタモさん!
剛 次はキンキキッズでーす。ファンの人に投票してもらって人気の高い曲をきかせてくれるということなんでスタンバイお願いしまーす。
05 Bonnie Butterfly
06 LOVE SICK
東京ではよくわかってなかったけど、イントロのベースがなんか「Funkyレジ袋」みたい…と思ってカウコンでベース見たら森多聞くんだったので、五度見。ここでやっと気づいたという。
あまりに衝撃で、ずっとうへえうへえ言ってた。2曲ともアレンジがすげえよかったなー。16ビートというよりもっとゆったりな8ビートになってた。てかラブシック結構久々じゃない?!
調べたら15コン以来7年ぶり!
2曲のつなぎのインターミッションでは、ゆったりとですが、剛さんがギターもったまま、二人同じ振り付けでリズムをとるところがありました。そんな些細なことがすごい幸せに感じたな…。
07 SNOW!SNOW!SNOW!
ここで光一さんはジャケットを脱いでベストに、剛さんはギターを外して。でも立ち位置はそのままなので、横ではなく剛さんが中段、光一さんが前面のセンターに縦に並ぶ感じになります。
かわ島くんのソプラノサックスソロあり。剛さんソロのメンバーの達者さはほんと有り難い。みんな見事に上品。
ここまでのセットリストの構成をみると、①アップテンポ、②アップテンポ、③歌い上げ、みたいなリズムですよね。
剛さんはソロライブの時に、「歌の精度が求められるスローバラードは(今の耳では)難しい」と言っていました。爆音がダメだからアップテンポがダメというわけではなくて、
音の返しをコントロールできれば、むしろノリで行ける曲のほうがやりやすいと(KinKiにノリでいける曲少ないけど…)。
きっと剛さんが言ってる「歌の精度」って、とんでもないレベルを想定しているんだろうなあとは思うけど、何よりも本人がそう言っているのですからね。そこは尊重したい。
今回は基本的なセットリストを組んだのが剛さんだったようなので、そういう剛さんの思いもセットリストに反映されている感じがしてちょっとほっとしたな。
そうやって工夫しながら入れてくれた歌い上げ系の曲たちも見事な歌になってましたし。
08 WANT YOU
これはこの後やる「ボーダーライン」の次に意外だった選曲です。でもすごくKinKiっぽくなくて(安室奈美恵っぽくて)いい。いやファンはいろんなKinKiが見たいもんでさ。
再び剛さんはギターガンガン弾いててたまらんかったけど、何より、「ONE…TWO…」って踊りながらカウントしていく光一さんがめちゃくちゃかっこいい!!!!あと歌もすごくセクシーな音域だし。
これ、剛さんが、光一さんがかっこいいから入れたんじゃないかと勝手に思ってるんだけど!
09 Give me your love
これも意外!「会いたい、会いたい、会えない。」のカップリング。
ラジオのジングルとしては最近よく聞くけど、カップリングを記憶から消しがちなKinKiさんからしたらダイバッテキだよ!とか謎の上から目線で思った。
振り付けはYOSHIEさんかしらって思うぐらいすっごい動き回るやつで、しかも割と中央にダンサーさんが密集して踊るもんだから、どこかENDLESS SHOCKの「HIGHER」を重ねながら見てしまってたな。
間奏がアレンジされてかなり長くなっており、その前半は音がふっと少なくなって打楽器だけでダンスパート、後半は音が入って剛さんのギターソロとなるんですけど、
ダンスパートの入りに剛さんがコンダクターのようにちょっと手ぶりを入れるんですよね。そして剛さんのギターソロの時には、一段高いところで弾いてる剛さんの方を振り向いて、
その足元に手をかけながら光一さんがリズムをとる。ダンスとギターをパキっと分けているようなのに、少しずつ重なっているその時間が愛しくてしょうがなかった。
そして、剛さんのギターソロのあと、最後に踊り出す光一さんの表情がほんと楽しそうでさ…。勝手な「HIGHER」フィルターもあるんだけど、
ここまで休み無しで踊ってヘトヘトにもかかわらず、嬉しさが伝わるようなダンスだったんだよな。泣けた。
この曲のサビでは派手なヒップシェイクが多用されてたのですが、それに合わせて光一さんの腰の部分だけをビジョンのカメラが抜いて素早くズームイン・アウトしたりしてたもんで、
客はかなり盛り上がってましたね…。ビジョンのダサ演出はちょっと個人的にはやりすぎかなーと思うけれども。普通に見たい。
MC2
※ 剛さんがタオルで女優のように汗を丁寧に押さえてたもんで、客から歓声が。汗を押さえるだけで歓声!スタア!剛さんはすぐ喋りだしましたね。喋ること、いっぱいある模様…。
剛 昨日カウントダウンおわってケータリングに行ったら、お寿司の出張があって。お寿司も食べたし、年越しそばも食べました。
光 寿司職人の方がいらっしゃって。東京でお話ししたあれがあって、寿司職人の方を呼んでくださったのかなと。
剛 それしかないです。
光 ただボク、ステージ本番の時は生物食べないんです。
剛 オマエはどんだけ人の親切を無にするんですか。終わってから食べるとかあるでしょ。
光 だって今日もステージあったわけじゃない。そのときピーピーなったらいやでしょ。今日終わってあったらいただきますけど。多分もういないんじゃないかな。いないほうが面白い(笑)。
でもそうやってくれることがスタッフの愛だなと思って。
※ 「常に下痢です」を思い出した(笑)。
剛 ノドグロとかめちゃめちゃおいしかったけどなー。
光 えっ、ノドグロあったの?!ノドグロの何?
剛 炙りです。
光 炙りなら食えんじゃん!火通してんじゃん!今持ってきてくれへんかな!?
剛 ちょっとイキって言いたくなるくらい、めーちゃーくーちゃーうまかったからね。握ってくれてる大将に、満面の笑みで「幸せです!」って言ったくらい。
光 オレってそういうの逃すタイプなのよ。若い連中とかと一緒にいるとき、一瞬事故で女の人のパンツみえたりしてみんな騒いでるんだけど、オレだけ大体見逃してるの。
※ そんな昭和の青春ドラマみたいなラッキースケベのワンシーンあるう?
剛 それはまあ…切ないというか。
光 剛くんはそういうことあっても、「ああ、見えたな」ってぐらいでしょ。
※ そうあってほしい光一さん…ドリーマー…
剛 「おおぅ…(ニコニコ)」ぐらいで終わるかな。でもそんなところで運使わなくていいですから。
光 昨日ホテル戻ったのが3時くらいだったんです。なんかネタになることないかなって部屋で過ごしてたけど、なんも起きんかったわ。何時ごろ寝た?
剛 3時半ごろかな。
光 はやっ!ボクは年越しの時のみんなの笑顔が忘れられなくて…
剛 1ミリも覚えてないやろ?
光 …あんまおぼえてない(笑)。
剛 次の日もあるから、早めに寝ようと思いました。
光 えらいなー。なんか私会場を出るのがいつも遅いんですよ。
剛 昨日はノドグロ食べてたんでちょっと遅くでましたけど。それなかったら、ご飯もいいやってなって、もっと早かったと思う。今日はたこやき6個と、どん兵衛半分ですよ。
光 私たこやきのみです。それでいいやと思って。
※ 関係ないけど東京では買えないどん兵衛(W)おいしいよなあ。
光 昨日は朝7時くらいに寝ました。だって普段寝るの9時とかだもん。昨日は早いほうですよ。
剛 9時に寝るって恐ろしいわ。ショートスリーパーってこと?
光 最近本当に短いですね。4時間寝たら十分です。
剛 まず無理ですね。寝とけって言われたら15時間ぐらい寝れますね。
光 オマエそのまま死んでまうぞ!
剛 そのまま死ねたら本望じゃないですか?
光 でもね、人間は寝てる時がメインだっていうことを言っている学者がいるんですよ。そうじゃないとなぜ睡眠をとるのかが説明できないから。
剛 ボクの持論は、睡眠は死にゆくための練習だと思ってる。
光 ちょっとー、新年早々に死にゆく話しないでよ!
剛 でも死っていうのは恐怖じゃない?だからそれがいきなりくるよりかは、って。
光 まあね…ジャニーさんが亡くなったことも恐怖だったけど。でも、何かまた新しい道ができるんだなとも思いましたね。
光 お知らせですが私、「フォードVSフェラーリ」という映画のアンダ、アンダバサーになっております。明日にでも見に行ってください。
剛 またかんでるやん。アンバダサー?
光 アンバサダー。
剛 サーターアンダギー。
光 剛くんもMISIAさんに曲を提供するそうで。
剛 なんか急にそうなったんですよ。
※ 急に光一さんのバースデーケーキを押して堂島君が登場します。話が長かったからでしょうか。
剛 じゃあ皆さん、お手元のペンライト持っている方がいらっしゃったら彩っていただいていい?
※ なんて上品なマダム主催のバースデーパーティなんでしょう…
光 今回ペンライト売ってないからね。持ってきてんだね。
剛 一緒に歌いましょうか。
※ 剛さんの本意気ハピバが聞けて嬉しかったですね。♪ディアこういち~~…ぁ~~~んってなってた。
剛 41歳お誕生日おめでとうーーー!!!
光 41本のろうそくってこんなに多いんだね。
剛 (ろうそくの一つを指して)これが「銀狼」の時のオマエや。
光 そうか。じゃあ(他のろうそくを指して)こんときのおれが「愛よ、眠らないで」の時のおれやな。皆知らんやろ?
剛 ここ「家なき子」。
光 (笑)。
※ ちょっと泣いていいですか…。
光 どうしました堂島君。
堂 ちょっとケーキ食べたいなって。
光 つまんでいいよ。
剛 でも先に…ね。
光 じゃあイチゴいただきますよ。…いちごもおいしい。
剛 外国の人。イチゴモオイシイ。
光 (笑)。キュウイも食べよう。…キュウイモオイシイ(笑)。
剛 誕生日のプレゼント何しようかなって悩んで、ここにはないんですけど、あれだけいじり倒したんで、めちゃめちゃオシャレなティッシュケースとランチョンマット、楽屋に入れときます。
光 マジでいらないすよ。去年その話引っ張ったからなー。ちょっと、バンドの方全員にききたいんですけど、家でティッシュケースに入れ替えるよって人?挙手で……めっちゃいるやん!
剛 そうだと思いますよ。ランチョンマットもきこ。
光 一人でご飯食べる時もランチョンマットひく人?……めっちゃいるやん!!
剛 ぼくからも一ついいですか?昨日ノドグロ食べた人?
光 うわあああああ!!!
※ これが一番いた(笑)。
光 建さんもティッシュ入れ替えるんですか?
建 なんかそのままだと殺伐としてるじゃない。インテリアとしてね。
光 堂島君はどっちも手上げなかったね。
堂 うん。何個入りかで買うと箱の色が変わるのが嬉しいから。
※ ヤバイ、堂島君がいちばん不思議…。
光 ホテルによってはテレビのリモコンがケースに入ってたりするやん。これ必要?って思う。テーブルの上置いといてよ!
剛 そこに収納しておくとちらからないし。テーブルガチャガチャしないし。
光 帰ってきてからテレビつけるまでの効率を考えれば絶対テーブルのほうがいい!
※ ホテル利用者の中には全くテレビをつけない人もいるとすればすぐ論破される光一さんの効率論でしたー。
剛 リモコンだってテーブルのギリッギリのとことか置かれたまま外出されたら、「落ちひんとは思うけど、いつ帰ってくんのかな…」ってなるでしょ。
光 うちリモコンがすげーいっぱいあって。昔、剛くんがくれた集約できるリモコンも含めていっぱいあるんですよ。そのリモコンは大きさ順に並べたい。
※ 15コンの時に色紙であげたリモコンみたい。ちゃんともらったことを多分初めて言っている。それを7年越しに知るという…。
剛 大きさ順に並べたいのであれば、ケースに入れればええやん。
光 どんだけケース好きやねん。
剛 今オマエもケースに入れたいもん。ちょうどぴったりはまるケースあれば入れたいもん。
光 (笑)。きっちりしたいんだね。シャンプーとかのラベルもこっち向いてないと嫌って言うてたもんな。すごくね?絶対そんな人と結婚したくない(笑)。
剛 高級旅館の出迎えの女将の列くらいきれいに並んでますよ。とにかく今年1回ティッシュケースを体感してみてくださいよ。それでアリやったらやればいいじゃない。無理やったらやらなくていいし。
光 41歳、一人暮らしも続くと思うんで。
剛 ま、そらそうやろな。
光 朝方、「暴れん坊将軍」のテーマで起きないようにしないと。
剛 光一くんさあ、プロンプに「次の曲いってください」って出てから5、6分しゃべってますよね。なんとか締めようと一生懸命やってんねんけど、どんどんいくやん。
光 今日、楽屋に舞台監督が「今日のMCの時間配分大体こんな感じで」ってきたときに、ここのMCが30分くらいになってたの。
それに対してオレ、「30分なげーって。しゃべる方の気持ちにもなれよ。もうちょっと考えたほうがいいよ」って言ってた(笑)。
剛 オマエそういうとこあるよな…。
光 「30分のカウンター出したほうがいいですかね」って言うから、「だからさ、カウンター出すと30分喋んなきゃいけないみたいになるじゃん?」って言ったらもう30分以上になってるってことですね。どうもすいませんでした!
剛 その説明を小芝居でやるからまた長くなる!でも新年から笑顔が絶えない時間があるということはいいですね。
09´ Happy Happy Greeting
皆さん一緒に歌いましょう。ということで元日のみのハピグリ。1日しか歌わないのにバンドアレンジも今回仕様でさ…。
しかもカウコンにはいなかったSASUKEさんが間奏でソロ吹いてたのでもう感無量。素敵だった。ダンサーさんもあの懐かしの振り付けをやってくれてましたね。
ハピグリといえば、旧東京宝塚劇場閉館の際のジャニーズカウコン(’97‐’98)、その年明け一発目にKinKiが歌うため、山下達郎さんがジャニーさんに軟禁されて仕上げた曲。
ここにもジャニーさんを感じてしまったな…。
10 たよりにしてまっせ
堂島くんのブルースハープソロからのインターミッションをはさんで。大阪は多聞ちゃんのえげつないベースソロよかったわあ。
衣装はまたしても二人バラバラで。光一さんは黒いジャケットに金の横じまが入って…なんだろう、将軍が鷹狩に行くときに付けてるみたいな肩当てがついてた。
腰からひらひらとドレープのついた布が下がってて、一見ロングジャケット風。下は黒の革パン。つよっさんは黒いラメのカットソーみたいなの上に黒金の文様の入った生地でできた、
飛行機の膨らむ前の救命胴衣みたいなやつを着てた(ファッション知識ゼロ)。丈の短いベストでもなくて、被って前身頃と後ろ身頃を脇で紐でつないでるように見えたので。
こういうかぶる衣装って、ウィアコンの光一さんの衣装でもあったなあ。ジャケットの上から被る白い裃みたいなやつ。
和風っぽくもあり、形が不思議にスペーシィな感じもあり(ちょっとスペクトラム風というか…古い…)、なによりすごくすらっと見えて合ってたなー。
10~13までは1曲ごとにMCを挟むスタイルでユルユルと進行しますが、ちょっと「お遊びコーナー」とは言えないくらい1曲1曲よかったな。「たよりにしてまっせ」終わりでは、中段の定位置でギターをセッティングする剛さんに対して光一さんが声を掛けます。
光 剛くん、やっぱりスラッシュみたいにして。
剛 えい(鳳啓介風)。
光 スラッシュは「えい」って言わない(笑)。
剛 言ってなかったっけ?
元日は「ジェフ・ベックみたいにして」「リッチー(・ブラックモア)みたいにして」とも言ってましたね。本当に光一さんがスラッシュみたいにしてほしかったのであれば、剛さんは曲が終わってもギターを弾くのをやめずにマイケル(光一さん)に怒られるとこまでやんなきゃいけなかったのでは!
11 買い物ブギー
アレンジもダンスもめちゃくちゃかっこいい。今回のセットリストで一番攻めてたなあ。剛さんはこの曲ではファンクっぽいポワワワ~ンって乾いたギターフレーズを弾いてましたね。光一さんは♪わてほんまによういわんわ…の1回転2回ひねりターンみたいな体の動きがめちゃめちゃかっこよかった。ダンスというより体操の演技のようで…ディスっているわけでなく、こういう目覚ましい動きが個人的には光一さんは合ってるなあと思ってるので。もう一回みたいよー。大人が寄ってたかって最高にかっこいい「買い物ブギー」にしたという感じだったんですけど、剛さんの「♪あほかいな」だけはいつも笑わせに来てました。
剛 ジャニーさんが「たよりにしてまっせ」と「買い物ブギー」を歌うんだよ!って言った時には、「もうちょっと何かあるやろ」って思ったよね。
光 「何言ってんだこのおっさん」って思ったでしょ。
剛 あと最初のグループ名が「KANZAI
BOYA」だよ!って言った時には、荷物まとめて奈良に帰ろうかなと思いました。
光 ぜってーうれねーと思ったよね。
剛 ジャニーズはすごいところかもしれへんけど、こればっかりは違うぞと。眉間にしわをよせてました。数日間その名前で活動しましたけど、名前を呼ばれるのも恥ずかしいし、楽屋に入るのも恥ずかしくて。
光 その楽屋に入るか迷ったよね。
剛 うん。入るってことは認めるってことやから(笑)。そのあとになって、カッコいい名前見つけた、「KinKi
Kidsだよ!」って言った時にも、ぼくらは「…ん?」って思ったけど。
光 「ふざけんなよおっさん」って思ったでしょ。
剛 おっさんは言い過ぎ。でも今になると「KANZAI BOYA」がすごくいとおしい。KANZAI
BOYAのままでいっててもよかったんじゃないかってくらい。
光 どうやろ。いけてたかな。おれたち、カンサイボーヤ!
剛 いけてたと思うねん。「KANZAI
BOYAで『硝子の少年』、どうぞ」って。だから今回曲にしようと思ったんです。当初そういう予定ではなかったんですけどね。
※ 名前が違ったとしても二人ならいけてたと思うという、未来は変わらないという絶大なる自信よ…。
光 「買い物ブギー」が私メインで歌ってるので、次剛くんなんかやれば?って話だったんですけど。
剛 それで「KANZAI
BOYA」って曲作ったんです。「Please hot green
tea!」から始まるんですけど。ジャニーさんが「熱いお茶ください!」ってどこ行っても言ってたので。
光 大阪入って2日前に建さんと和食を食べにいったら、冷たいお茶がでてきて、建さんが「熱いお茶だよ!」って、ジャニーさんと同じこと言うんだなって(笑)。
12 KANZAI BOYA
「ジャニーさんが僕らに最初にくれた伝説のグループ名の曲を作りました。皆さん『これなんやろな』と思ってもずっとこう(ハンズアップ)しててくれたら、終わります。
至高のFUNK、きいてください」という剛さんの前置きあり。FUNKに馴染みのあるひとも、そうでない人も両方をちゃんと想定していますね…。
光一さんがはけて、剛さんのみ残って中段で歌います。でもギターはなしでハンドマイク。以前はすべての曲の歌詞がビジョンに出ていたこともあったと思うのですが、
今回出てるのは未リリース曲と「ボーダーライン」のみ。特にこの曲は歌詞のテロップの出し方も凝ってて、ジャニーさんをディス…イジってましたね。周りをふんわりジャニーコスのダンサーさんがジャニーさんを彷彿とさせるような振り付けで踊るのもかわいい。
しかし「至高のFUNK」の言葉に偽りなし。歌詞はジャニーの口癖オンパレードでコミカルなんだけど、ジャニーさんの「名付け」が愛そのものであるということが歌われてる。
だから、「魂だけになっちゃったからもう皆に名前つけられないよ!信じられないよ!暇だよ!」ってジャニーは思っているだろうという剛さんの解釈が最高ですね。それこそ愛ですね。
終盤、音がブレイクしたので終わったかな、と思ったら、vansonのキャップを被った光一さんがステージ真ん中に駆けてきて、おもむろにサングラスをかけ、ジャニー風に、「YOUたちに新しいかっこいい名前を思いついたんだよ!“KinKi
Kids”だよ!」と叫び、「♪そんなに変わって な い!」と歌って、みんなで天を仰いでオチ。なんだオチのある曲って。いやー最高でしたね。東京では帽子とかサングラスとか小道具なかったと思うんだけど、大阪から追加したよう。光一さんメインの「買い物ブギー」で「あほかいな」だけを剛さんが歌ったように、剛さんメインの「KANZAI BOYA」で光一さんが「KinKiKidsだよ!」と叫ぶという。ここでもそういうちょっとした重なりが本当にたまらなかったですね。
光 わざわざ帽子を取り寄せました。
剛 この曲をリハーサルで作ってた時、なんか最後ひとひねりほしいなって思って、ジャニーさん登場したらオモロイなって。「ちょっと光一君にきいてもらっていいかな、ジャニーさん役」って。それで大役を引き受けてもらって。
光 光栄ですよ。ジャニーさんになれるなんて。でも帽子被っちゃったから頭直して!
※ 大平さんが登場し、大晦日のコントアゲイン。
光 リハーサル通りできたじゃーん!
剛 なんやねん(笑)。さっきな、髪の毛とかやってもらったときに、「いやほんとに剛さんすごいっすね。あんな大勢の人の前に立ったから、なんだかわかんないけど全身筋肉痛なんです」って言ってた(笑)。
光 今日もやるからねっていったら、「光一さん、ほんと勘弁してください」って(笑)。
光 今回のライブはどこかにジャニーさんを感じられるような構成にしてみました。「KANZAI
BOYA」とかディスってるようなところもありますけど。
剛 いやディスってないよ。愛あるイジリですよ。
光 でもあの歌詞深いよね。だって、もう名前つけられなくなったから暇だよみたいな。これからの子たちはジャニーさんがつけた名前じゃなくなるんでしょ?
剛 すごい霊媒師の人がジャニーさんを降ろして、若い子たちの前で、「…コーンポタージュ」とか言ったらいややな。
光 新しい形ができていくとは思いますけどね。
※ サンプラーが出てきました。MC中になんか出てくるパターンがすごく多かったですね。出すタイミングをもうスタッフに委ねてるってことですよねえ。いや委ねないでちゃんと時間で進行しろよとスタッフは思っているかもしれないけど(笑)。
剛 自分の体のこともあって、この歌好きやけど歌えんのかな?とかいろいろ考えながらセットリストを選んでた時、「何この曲?」ってのが出てきたんです。これは「Back
Fire」以上に歌わなあかんと。「Back
Fire」はいつもはじかれちゃうけど、「ボーダーライン」はねじ込まないと、と思って。みんな「何この曲?」ってざわざわしたんですけど、「申し訳ない、この曲だけは入れてほしい」って強いまなざしで訴えたんです。そしたらなんとこの曲が残り、2019年を締めくくる最後の曲になりました。
光 「ボーダーライン」で終わるとは思ってなかったですね。昨日のカウントダウンは、会場的に25時には絶対終わらなきゃいけないというルールがあって。始末書とか書かなきゃいけなくなるんです。生放送の中継とかもあっていろんな計算のもとにやってたんですけど。そのなかで、「ボーダーライン」を2019年の締めにするのであれば、15分開演早めなきゃいけないよねってなったってのが、本当のところでした。だってまるで開演はやめたの、MCが長いため、みたいになってたやん!
剛 MCが長いため、もありますよ。やめてーそんな「ボーダーライン」が悪いみたいに。アンタ謝りーさ「ボーダーライン」に!
光 いやあ「ボーダーライン」で終わるとは思わなかった。
剛 どうしてもこれで締めたかったね。
光 昨日終わったの、24時59分15秒くらい。
剛 ぴったんこに奇跡的にきましたね。1回ごたつきましたけど(笑)。
13 ボーダーライン
「知ってる人は懐かしいなと思って一緒に歌ってください。知らない人は変な曲やなと思って聞いてください」という剛さんの前振りから。「とん」「とん」「おじい」「んだっ」「んだっ」「おじい」と手元にあるサンプラーで二人がCDに入ってた当時の二人が喋ってる音を出しながら歌うのですが、歌入り前に剛さんから落とされる「とんこつあじ~」が強力すぎて光一さんはいつも歌の出だし笑ってた。最後の「とんこつあじ~」は、剛さんがまるでギターで高い音をキュイ~ンと出してる時のような引き顔でボタン押しててバカだったー。
ていうか、「ボーダーライン」ですよ。一体どうゆうことなの。Bアルバムの曲なんて全部ソラで歌えるくらい聞いたけど、2019年から2020年にかけてこの曲をKinKiが嬉々として歌うなんて誰が予想したでしょうね…。予測不能。そういうとこがたまらない。この曲の時の多幸感は半端なかった。付き添いで来たような男性客がことごとくサンプラープレイでゲラゲラ笑ってたのもほほえましかった。とにかく全員が笑顔になる曲でした。
実は元々いい曲だってのもある。でも何か…妙に報われたような、満たされたような気持ちになったんだよね。今の二人の声でこの曲をきけることもものすごく嬉しかったし。うまく言えないけど、新しいことにチャレンジすることって、何事においても続けていく上での最重要な推進力だと思うんだけど、どんどん更新されることで過去が取り残されていく寂しさ、みたいなものもあるじゃないですか。そして過去は定型的にしか振り返るものではなくなっていく。でも、このチョイスって、まさに過去を愛おしむ行為だと感じたんですよね。だから古参であればあるほど、ずっとKinKi好きでよかったな、みたいな気持ちがあふれた。今が大事、未来が大事、でも、過去も大事、って思ってくれてるのかなって。大袈裟ですけど。
光 アイル…
剛 「とん」
光 セナ。ヨシ!
剛 「とん」「とん」「とん」「とん」、日野の2「とん」。
光 昨日「光の気配」が歌えなくなるって事件がおきましたけど。
剛 すごいいっぱい喋ってすごい雑に曲紹介してって投げてきたからー、「人生の壮大な歌です」って言って、そのまま入って、「ブラの気配」とか言ってたやつが♪hummm~~~、って。アレはちょっと無理やったね。
光 「ブラの気配」とか言ってるやつが何を♪humm~~~、ってうとてんねんって世界ですよね。
剛 なかなかの世界でしたね。ご本人は気にされてますかね?
光 堂島君、この話した?
堂 坂本真綾さんに?怖くて言えないです。
光 今日はしっかり歌いたいと思います。あまりこの辺(谷間♡)は見ないように。
剛 少なくともボクは見てません。
光 …どこ見てんのよオオオ!!!
剛 見てへんわ。
光 見てないから気配感じた?
剛 オマエが前のめりで来るから、照明切れてくるんでアレ?って見ただけです。そしたらこう(前かがみ)やってるから。
光 もう1回確認していい?これから歌うよね。何もせえへんほうがいい?
剛 ご本人がホームパーティとかされたときに、例えばこの話を知らずにライブのDVDをもらったから見ようとかなった時に、「…ブラの気配?」って。家族でテレビ見てたときにお色気シーン始まった時みたいな空気になるやん。
光 じゃあ真面目に歌いましょう。
剛 そらそうですよ。
光 どんなにMCでふざけてても、歌になるとビシッと世界を変えるってのが我々の良さですから。
剛 そう。
光 よかった(笑)。同意してくれてよかった。
14 光の気配
15 銀色暗号
16 恋涙
17 TOPAZ LOVE
ここからはアコースティック・ブロック。バンドさんも半分以下の数になって、音数がぐっと絞られます。「銀色暗号」はピアノ1本で。「恋涙」からは堂島君のハーモニカや、ギター、ベース、パーカッションが入って。「TOPAZ
LOVE」からはストリングスがフルに入って。かつ15~17は共作ブロックでもある。「Family」は入らないのね…と思うけど、あれは最後に歌う「YOU…」に最も近い曲。だからあえて外したのかなと。「光の気配」の歌は元日が一番好きだったな。この曲はしばらく歌い納めなのかもしれないし。
衣装は下は前のままなんですが、光一さんがジャケットを脱いで白シャツ、剛さんは白いTシャツにスパンコールのカーディガンを羽織って。二人とも胸のところに片翼の刺繍模様が入ってました。ヲタ的には比翼の鳥キタコレ!という感じですけれども、比翼の鳥は、片方が傷つけばもう片方も飛べなくなってしまう、儚い関係ですよね…。二人は片翼ではなく両翼だからこそ、一人が傷ついてもそれを負って飛んでいけるのだと思うし、そうやって役割を交代しながら、一人では飛んでいけないところまで飛んでいけるのだと思う。あんなに大きな羽根を広げながらも、お互いそれを邪魔だと思うことなく、並んで前に飛んでいけることがすごいのだよな。
剛さんが耳を患ってからのキンキコンの構成を考えたとき、当初は剛さん本人も「音圧の低いアコースティックならなんとか…」と言っていたわけで、このブロックを聞いている間、もし昨年冬コンがあったら全編こんなふうになったのかもしれない…と思わずにはいられなかったですね。それでも全然いいんですけど、ここまでこのライブを体感してきた身には、やはりどこかで「でも…」という気持ちも湧いてきてしまいました。それほどここまでのライブが素晴らしいものだったということです。今回のライブで前半ファンクを取り入れた形でやってくれたことは、剛さんにとってすごい覚悟だったんだろうな。そんな気負ったものではなかったかもしれないけど、かつては「ソロをKinKiに持ち込むとかありえない」と言っていたのですからね。KinKiとしてやりたいことと、剛さんのできることの交わることろにこだわったからこそ、こういう形になったのだろうな。それでも剛さんにしてみれば、「もっと光一のやりたい曲も教えてほしかった」ということになってるんだと思いますがね…。
光一さんは、やはりKinKiでドームライブをすることにあたっての「意味」をいうのを考えずにはいられない人で、意味がない=停滞、ととらえているところがあるように感じます。光一さんのそういう透徹した態度が、このグループを守ってきたのだよなあ、とつくづく思う。攻撃は最大の防御だと知っているというか。でも、逆にいえば、意味があればいいんですよ。前に進めてるな、と思えればいい。今回剛さんが提示したセットリストというのは、光一さんにとってはとても意味のあるものだったのだろうと思います。てか、剛さんがドームで演ることにこだわったセットリストを作ってきた時点で、もうすでに意味があったのだろうと思います。光一さん、普通にブラックミュージック大好きだしな…。
18 kissから始まるミステリー
19 硝子の少年
インターミッションを挟んで。二人とも足元にかけて赤青のグラデーションになってる三つ揃えのラメラメジャケット。剛さんはインナー襟なしだった。でも二人とも体のラインがややもっさり見えてあまり好きじゃなかったな。剛さんはギターを持って中段の定位置。光一さんは奥の上段で。キスミスは、ダンサーさんがステージ周りの四角いランウェイを踊りながらぐるぐると歩き回ってたのが絵的にカッコよかったですね。光一さんだけが踊っているわけですが、例のサビの指差しの振り付けはやってなかったな。あれは二人でやる時まで封印ぽい。
それにしても剛さんがギターを弾いて「硝子の少年」を歌う日がくるとはね…。ちょっとこの辺では感傷的な気持ちになってしまったな。終盤のこのブロックは、辛そうな表情を浮かべているわけではなかったけど、剛さんは一点をみつめて歌と演奏にかなり集中している感じがありました。
20 薔薇と太陽
やっぱりこの曲はアガる!炎の特効もバシバシ上がる。しかもイントロのリードギター、剛さんも弾いてるよ!ビジョンではシャルドネ選手権が毎回開催されてて、そのたびに歓声が上がってました。この時の光一さんの表情も毎回見事にいろっぺー。あと個人的には♪バッキュバン、の前の光一さんのターン後の足さばきをガン見してしまう。何回見てもどうなっているのかよくわからない。あとルイスがエンドの音をさらにハイノートにして吹いててぶはってなりましたね。オリジナル再現するのだけでも大変なことだと思うんですけども。
21 薄荷キャンディー
剛さんはギターを外して。しかし、薔薇太の直後の薄荷キャンディー…あれだけ動いてた光一さんには酷よな?!と思ったけど、息切れもなく歌い上げてたからすごい。しかも元日は汗すらかいてなくて逆に心配になったわ。前半は本当に汗かきかき踊ってたのに。
22 Harmony of December
「この曲のタイトルもジャニーさんがつけてくれたんです」という光一さんのご挨拶から。天井の12枚のビジョンがぐっと下がってきて、その一つ一つが壮麗な窓の模様を映し出します。
まるでカテドラルの中にいるような雰囲気に。このビジョンにはいろいろな映像が映し出されてましたが、ドームの外を感じさせる映像をまるで窓のように映し出していたのが印象的でしたね。
すなわち、空が見えたんです。ジャニーさんのいる空が。二人が見上げた時に空が感じられたのならいいな。こういう点にもスタッフさんの愛情を感じますね。
ドームの三分の一を覆うかのような星空の電飾にもそれを感じました。アウトロをバンドさんが残って演奏し、本編終了。
E1 僕の背中には羽根がある
「硝子の少年」とともにライブ皆勤賞だったこの曲も、セットリストからついに外れたかーとか思ってたら、やっぱりやりました。ていうか今回は外すべくもない曲でした。二人はさっきの衣装のジャケットを脱いで、ベスト姿になって出てきます。この曲はケーナが印象的ですけど、かわ島くんがちっちぇリコーダーで味のある音を出してた。
光 ジャニーさんが亡くなってから、歌の一つ一つに、どうしてもジャニーさんを思ってしまいます。ぼくらに羽根を授けてくれたのはジャニーさんだなと思うし、その羽根を大事に育てて、ずっと一緒に生きていくのかなと思います。……ジャニーさんとともに、そして剛くんとともに、生きていければいいなと。
※ 最後のご挨拶は毎回大体一緒でしたけど、最後の一言は、元日だけ言ってましたね。くっ…こういう出し惜しむとこ!すき!でも言わなくても知ってたよ(痛)!
剛 最後に、ぼくが作詞作曲した「YOU…」という曲を聴いていただきたいと思います。夏にジャニー喜多川社長が亡くなり、お葬式をして、彼の体が火を浴びて魂になるそのさなかに、「ジャニーズ伝説」というステージのラストを飾る楽曲制作のオファーが舞い込んできました。ジャニーズの歴史を彩るステージですから、彼が僕に何かを託したのではないかと自然に思えるタイミングだったので、素直にその場で引き受けさせていただきました。いろいろ書いていくなかで、実は二つの歌詞が存在する形になりました。一つは天国の社長から、残された僕たちや、これから入ってくる子たちに対しての愛のメッセージ。そうしてもう一つ。スタッフにもどっちがいいかなって相談したりしていたんですけど、こっちもすごくいいねって気に入ってくれて、じゃあこっちはKinKiのステージで歌えばいいんじゃない?ということになりました。ぼくたち二人のなかで生まれた友情を書いたものです。社長が火を浴びている数十分間、一秒一秒がそれぞれの思いに彩られていて、先輩・後輩がそれぞれの姿で現実に向き合っていました。そこで強く感じたものがありました。その場を去り外に出ると、降っていた雨も止んでいて、夕暮れ前の空にうっすらと虹が泳いでいました。さっきから、ジャニーさんジャニーさんって、僕たちはずっと言ってますけど、いつまでもしつこくそういう風に言うグループがいてもいいのかなと思います。みなさんもジャニーさんの話、いっぱいしてほしいなと思います。ジャニーさんとお別れした日に存在した、二人の物語をつづった「YOU…」をおききください。
E2 YOU… ~ThanKs 2 YOU~
「YOU…」を今回歌うだろうな、ということは何となく予想していたんですけども、“もうひとつの”「YOU…」の存在に動揺し、さらにそれがあのソロライブでちょっとだけ明かされていた「あの日泣いていたあいつ」(=YOU)のことを歌ったものだということをきかされたわけで、もう何というか、そこまで見せてくれるの?!とこの時点で既に動悸が。
君が涙を 初めて見せてくれた 気づかないふり できなかった
どんな人にも 悲しみが流れてる 背中を 掌で撫でた
We’re the ones… We’re the ones… We’re the ones…
夢を叶えることできずに 羽根に傷負った子供のよう
伝った悲しみを こらえる僕と 涙をふせた君と
強がりあったあの時 We re the ones…
雨が化粧して 街がきらきらしている 太陽は虹を奏でる
水たまりへと 広がる空に立てば 未来の歌が聞こえた
We’re the ones… We’re the ones… We’re the ones…
蒼い 地球(ふね)で 待ち合わせて 僕ら 命(たび)へ出た
強く光った この奇跡を 歌おう 愛を
幼いころの 自分へ会いに行こう 思い出そうよ 自由を
このステージは 世界は僕らのステージ 信じよう僕らの全てを
We’re the ones… We’re the ones… We’re the ones…
We’re the ones… We’re the ones… We’re the ones…
この曲の全てがあまりにもすごくて、もう呆然とするしかなかった。「あの日の二人の物語」という、とてもハイコンテクストな内容であることにも慄きましたが、この曲自体が、KinKi Kidsでギリギリ抱えきれるかというくらいな大曲であることに慄いた。ジャニーズ版の「We are the World」ですよ。ストリングスアレンジとか鳥肌ですよ。そしてそれを二人が堂々と歌い上げていることに慄いた。なんだこの人たち…自分の応援してきた人たちって、こんなにもすごい人たちだったの…みたいな畏れもあった。ちょっといまだにこの曲を聴いたあの時間の衝撃が一体何だったのか自分でもよくわかってない。とにかく呆然としました。
この曲を作ったのは剛さんだけど、これを提示された時に光一さんはどう思ったんだろう。そんなことが気になるほどでした。でも、受け止めてくれるだろう、という信頼のもとにこの曲が作られていることはわかっていたと思います。それは甘えとかなんかじゃなく、何よりも光一さんがフェアな人だからです。良いものを良いとハッキリ言える人だから。剛さんがこの曲の話をしているとき、光一さんは横でじっと聞いているだけで、何も語りませんでした。でもこの曲を歌っている姿からは誇らしさを感じたんだよな。きっとKinKi Kidsであることを一層誇らしく思っただろうね。それほど素晴らしい曲でした。
歌詞を見ると、ジャニーさんが火葬されるときに、それぞれが悲しみを湛えるなかで、光一さんが泣いていた、そして泣いていなかった自分が、光一さんの背中をさすった。その数十秒間の話なんですよ。その時、光一さんの今の悲しみを理解できるのは、今この世で自分だけなんだろうと思ったのではないか。ジャニーさんと、光一さんと、剛さんと、3人で過ごした時間というのが長かったでしょうからね。だから、自分の今の悲しみを理解できるのも、光一さんだけなんだろう。二人が悲しみを完全に共有し、分け合うことができる瞬間なんて、もう二度とないのかもしれないけど、光一さんから涙があふれたあの瞬間、広い宇宙の中で君だけが僕であり、僕だけが君だった。そういう掛けがえのない真実を感じたことが、この曲を作る原動力になったんじゃないかと思います。あの日存在した、二人の物語。
そしてどこかで、光一さんが弱さをみせてくれる瞬間を、剛さんは待ち望んでいたのだろうとも思う。変な意味じゃなく、弱さをみせる瞬間が多くあった自分とのフェアネスの問題からね。自分だって君が支えてくれたように支えられるんだと。だから曲の後半は、しっかりと前を向いていかなきゃという気概に満ちた内容になってますよね…。剛さんは光一さんとの関係性において、常々こういうフェアネスを気にしているように感じられて、またそこが大好きなところでもあるんですけど、こんな大きな曲を作ってしまうこと自体が、KinKi Kidsにとってはこの上ない支えなんじゃないですかね…。誰にもできないことですよ…。
呆然としている中でエンディング。アウトロが流れる中で二人がちょっとご挨拶。左右からプロジェクションスクリーンが閉じていき、閉じかけて二人だけが見えるギリギリの大きさになったとき、剛さんが「おれたち!」と言い、二人で「KinKi Kids!」と、ちょっと照れ臭そうに手を挙げて宣言して、スクリーンの後ろに消えていきました。
スクリーンには再びツアタイが映し出され、TとKから飛び出した青と赤の光が中央で合わさり、最後のプレゼントとして、優しい笑顔のツーショット写真が大きく映し出されました。この自然な写真を見たとき、必ず「ああ…」という声が会場から漏れていました。「ああ…」なんでしょうね。私は「ああ…ありがとう」と思った。何に?KinKi Kidsと、それを授けてくれたジャニーさんに。何で?二人からファンへの「ありがとう」も感じたし、二人からジャニーさんへの「ありがとう」も感じたからだと思います。そして後日、あの写真がジャニーさんの病室で撮られた、たぶんスリーショットの一部であったことが分かった時、多分ジャニーさんからファンへの「ありがとう」も、ジャニーさんから二人への「ありがとう」も感じていたんだなと思いました。惜しみない愛をありがとう。本当に感無量のコンサートになりました。
以 上
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