黒燕尾のコンダクターが映ります。まさかのフルオケ編成。クリスマスにオーケストラコンサート、という発想はすごくアリだし、光一さんは今年ナイツテイルのシンフォニックコンサートなども経験していますので、ナルホド!と思ったんですけど。どこかに「これはオケコンのリベンジなんじゃないか」という思いもあってゾクゾクしたオープニング。
KinKiさんは2人とも真っ白なロングジャケット。剛さんは最近スタンドカラーのシャツをよく着てますね。逆に光一さんはボタン3つぐらい外した開襟が多い(豊満なバストアピール)。どちらもお似合い。「KinKiは白」って長瀬君も昔言ってたぐらいですけど、昨年の冬コンでは白衣装全然着なかったから残念に思ってたんだよね…。純白KinKiの需要わかってくれててあざす!
01 Harmony of December
これまでにもこの曲のオーケストラアレンジは聞いたことがありますが、またちょっと違う感じ。この曲ではバンドさんは全然いなくて、まさに流れるようなオーケストレーションでした。歌と演奏の呼吸を合わせるのすごかったな。
剛さんはヘッドフォンではなく、イヤフォン姿。無理しないで…とモンペ的に思ってしまいますけど、少しずつ変わっていく姿を見せようとすることが、剛さんの仕事をする上でのモチベーションになってくれているのかな。そしてよく見ると、光一さんはイヤモニをしてませんでした。この曲は皆がその場の音を聴き合って奏でていたのですね…。なんか音楽の原点だなという感じもする。
02 SNOW!SNOW!SNOW!
イントロのフルートかっけえ!やっぱりこのライブのための描きおろしアレンジってことですよね…豪華…。この曲はなんといっても剛さんの歌いっぷりがめちゃめちゃカッコよかった。ちょっと今まで見たことがない感じで。なんだろう、歌の主人公に憑依しているというか。スノスノの男って、君を失ったことというよりも、この恋を失ったことに対しての陶酔感がすごくて、理が勝ってる男だなって思ったりするんですけど(やすすに対する悪意)。勿論、情感たっぷりには歌ってるんだけど、そういう方向でのオラつきがにじんでるように感じてたまらなかったですね。
MC1
ちょこっとMC。2人で自由に話してください、という感じではなく、ソーシャルディスタンスもあるし、1人1人それぞれ喋る、というスタイルだったと思うんですけど、相手が喋っているのにスーンとしたまま終わるわけはなく、結局光一さんが剛さんにつっこんで、剛さんは光一さんに話しかけちゃう、みたいな流れ。それに巻き込まれる堂島くん…スマン…。
03 銀色 暗号
剛さんの2コーラス目の入り一体何?!って目を疑いました。1、2歩歩きながら歌うんですけど、あの小さなステージの一体どっから歩いてきた?!なんだよこの…かっこよ仕草!スノスノでは「主人公に憑依してるのかな」なんて思ってたけど、そんなんじゃないですね。そういえばケリーの244分配信でも、「Wedding
Funk」あたりでこういう感じになっててうはあ…(かっけえ)って思ったんだった。これは配信ライブをやるなかで出てきたものなのかもしれない。客が目の前にはいなくて概念化していることで、逆に本来的なモテ仕草が解き放たれている部分があるのかもしれない。
最後の♪堕ちて 堕ちてく…、のところで、見上げながら愛の成就を歌う剛さんと、下ハモを目線を落としてかみしめるように歌う光一さんが対照的。対照的だからこそ美しい一対。
04 愛のかたまり
普通に雪だるまの着ぐるみで歌う2人。顔も白く塗っている。どうしてこうなった…(笑)。足は全部ニョキー出てるのでさすがに短パンをはいて。手を出す穴が前についているので、なんか手も肘から先だけがニョキーって出てる感じで、マイクを持つことができず、スタンドマイクで歌ってます。中途半端に出た手のやり場に困っていろいろやってたのがかわいかったですね。しかしアレンジはきちんとオーケストラバージョンで、とても丁寧に歌ってるので、ライブCDとか出てもこれが着ぐるみ曲だとは全く気づかないだろうクオリティでした。自分は、誰かが着ぐるみを見た時点で、「着ぐるみ着ればおもしろくなるってもんじゃないよね」みたいに考えてしまうひねくれた人間なんですけど、しれっと着て普通に歌ってるのが良かったです。あとかわいい(ダメ)。「愛のかたまり」でこれをやるってのも大正解だったと思う。「愛のかたまり」はやっぱイジリやすいのかな。光一さんは替え歌も歌ってたしなあ。親孝行な子供のような曲だよ。
05 シンデレラ・クリスマス
シンデレラ・クリスマスをフルオケで聴ける日が来るなんて…!しかもフルコーラスで!なんてロマンティック。ステージ床面のLEDも美しい。剛さんが、♪ガラスの靴さえ…、のところで靴をポンと叩いたのとかもう…たまんねえ…。そしてアウトロに入ったところで、光一さんの顔がなんかふっと緩んだんですよね。笑うまではいかないけど、ちょっとふわっと。それがもう綺麗すぎた。この曲だけで1,500円だろ?!
MC2
「KinKi
Kidsのブンブブーン」にリモート出演してくれた、花咲徳栄高校吹奏楽部の話を始める光一さん。「ロケ先でリモートで聴いたから音質はよくなかったけど、すごいかっこよくって」、「何か一緒にやれないかなと」、「僕らの念願が叶って、今日きていただきました」と語るんですけど、この一連の流れを、気持ちとして2人が完全に共有しているのが改めてすごいと思ったんだよな…。彼らの演奏を見て、同じように感動して、何か一緒にやれないかなって思って、それを実行に移す、という流れ。テレビやラジオで見聞きした限りでは、「ご一緒できたら」と彼らに語りかけてたのは剛さんで、ライブの企画としてこれを提案したのは光一さんだったみたいですけど、きっと話し合ったわけでもないんだろうに、同じことを感じて、同じことを考えてしまうのがね…。それが「音楽」だったから尚更なんだろうけど。そういう存在がいるってことがさ…素敵という言葉ではちょっと言い表せないな…。
06 フラワー
高校生の皆が演奏した後に、バンド・オーケストラの演奏に合わせてKinKiが歌う。間奏も、高校生パートとプロパートは分かれてましたね。プロが演奏してる時にはダンスしながら曲にノっている高校生。それを見つめながら歌っているKinKiさん。歌ってる時めったに笑ったりなんかしない二人だけど、自然に笑顔になります。見ているこちらも幸せ。最後はみんなで演奏して、銀の紙吹雪が舞う中でエンディングを迎えました。
個人的には、間奏で高校生パートの後にプロの演奏が入ってきたときに、当然だけど「あっ、すごい上手い、美しい」って思って、ここにいる高校生たちもそんなふうに「わあ…」って思ってきいてるんじゃないかな、って思ったとき、涙腺が決壊しました。まるで自分が高校生になったような気持ちになってしまって、いつもだったら「ふーん」と聞いていたであろう演奏の、本来持っている美しさが曇りなく届いてきた感じがしました。
何故二人が高校生と「一緒にやれないかな」って思ったのかというと、「この子たちを見て自分たちおぼえた感動を、他の人にも届けたい」ということと、「この子たち自身に、人を感動させる力があるんだよってことを伝えたい」ということだったと思うんですよ。共演するKinKiも勿論輝くんだけど、どう考えてもそれが目的ではない。あくまで媒介することが目的だったのだと。この共演が奇跡的だったのは、高校生がキラキラ輝いてたからだけではなくて、そういう利他的な考えから出発した結果、KinKiと、高校生と、バンド・オーケストラのプロの間に、互いを称え合う気持ちが生まれて、それが音楽とともに空気に溶け出していたからだと思うんですよね。そしてそれが配信にもしっかりと乗っていた。つきつめれば画素の光の変化を見つめていたにすぎないのだけれども、その音と空気を感じることができた。それこそがクリスマス・イヴの奇跡だったと思います。
以上
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