
本の紹介
生涯自分の寺を持たず、托鉢の乞食僧として過ごした良寛。
質素で、自然を愛し、自然に根ざした生活を送った良寛は、まさに『スローライフ』
の先駆にして最高の体現者だった。
そんな良寛の暮らしぶりを身近に見ていた解良栄重の『良寛禅師奇話』にあるエピソードから、
疲れてしまった現代人に向けた「豊かな生き方」
のヒントを探る本。
どうかすると私たちは、肩書きと名誉の甘いワナをめざし、高収入にあこがれて危ない橋をわたるのもやむなしという、
自己中心の考え方に傾いてはいないだろうか。
それが嵩じて犯罪的な行為に至らないまでも、金儲けや名誉を重んじる競争社会は異常な熱気を帯びている。
一時的な勝者となったところで、必ずや最後には負け犬に転落するのは目に見えている。
足ることを知って人をうらやまず、自他を比較する無益な競争をやめ、
安堵な精神生活をわがものとするほうがいいのではないか。
良寛は、その安堵の思想を教えてくれているのである。
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