ハグロトンボ
 本州、四国、九州に分布し、青森県や九州南部では産地が限られる。離島では粟島、佐渡島、淡路島、隠岐、壱岐、対馬、五島列島、天草諸島、甑島列島の下甑島、種子島、屋久島などに分布する。
 体長は60mm(腹長 雄:42〜52mm、雌:40〜48mm。後翅長 雄:35〜42mm、雌:36〜44mm)ほどである。翅が黒いのが特徴で、雌雄とも翅に縁紋をもたない。体色は雄が全体に黒く、腹部背面が金属緑色であるのに対し、雌は黒褐色となる。よく似た種類として、本種と同じように翅が黒いアオハダトンボがいる。おもに平地から低山地のヨシやミクリなどの抽水植物や、エビモ、バイカモ、セキショウモなどの沈水植物が繁茂する緩やかな流れに生息する。幼虫は水生植物の繁みの中で植物につかまって生活している。
 アオイトトンボ科の一種?
  【同定作業中】
 ノシメトンボ
 北海道、本州、四国、九州に分布する。離島では南千島の国後島、飛島、粟島、佐渡島、淡路島、隠岐、見島、壱岐、対馬、天草諸島、甑島列島などに分布する。体長45mm(腹長25〜32mm、後翅長28〜37mm)ほどで、雌雄ほぼ同じ大きさ。翅の先端に黒褐色の斑がある大型のアカトンボで、とくに西日本産の個体は大型になる傾向が強い。未成熟なうちは、雌雄とも橙色の地色に黒色条斑がある。成熟した雄は、鮮やかな赤色ではなく暗赤色になる。コノシメトンボやリスアカネも翅の先端に黒褐色の斑があり一見よく似ているが、翅胸の斑紋などで見分けることができる。幼虫は、やや緑色を帯びた淡褐色地に複雑な濃色斑のある、体長18〜20mm(頭幅5.6〜6.3mm)ほどのヤゴである。おもに平地から低山地の、水際に植物が繁茂する水深の浅い開放的な池沼や水田などに生息する。幼虫は水底の植物性沈積物の陰に潜んで生活している。
 マイコアカネ
 北海道中部から九州南部にかけて分布し、国外では朝鮮半島、中国、ロシア、台湾に分布する。
雄は成熟すると顔面が青白い色になり、このことから舞妓アカネと呼ばれている。
腹長は18〜25mm、6月後半頃から羽化するが、アキアカネやノシメトンボよりはやや遅れる傾向がある。
雄は8月頃より赤化するが、生殖期は9〜10月に活発化する。成熟成虫は、おもに平地から低山地にかけ
ての池沼、水田などに生息するが、どちらかといえば平野部に多い傾向がある。

 シオカラトンボ
 日本産トンボの中で最も普通に見られるなじみ深い中型のトンボ。腹長は32〜38mm。国内では北海道から沖縄本島にかけて分布し、国外では朝鮮半島、中国、ロシア、台湾に分布する。成熟成虫は、平地から山地に至るまでの池沼や湿地、河川の淀みから人工的な水田や貯水池など広範な止水環境で観察される。羽化は早い個体では4月より始まり、9月頃まで見られる。成熟成虫は10月頃までの長期にわたって観察される。
 オニヤンマ
 北海道、本州、四国、九州に分布する。体長95〜100mm(腹長 雄:60〜76mm、雌(産卵器の先まで):75〜86mm)ほどで、日本国内に生息するトンボ類のうち最大で、とくに雌は大きい。体色は雄雌とも黒色地に黄色の縞模様があり、成熟個体の複眼はエメラルドグリーンで美しい。成虫は6月から10月頃に見られる。成熟した雄は、小川のような小さな流れの上を往復飛翔してパトロールをする。交尾は細い枝先などにぶら下がっておこなわれ、2〜3時間に及ぶこともある。交尾後の雌は単独で砂泥底のごく浅い水域を訪れ、腹部を砂泥底に垂直に突き刺す行動を何度も繰り返し産卵する。幼虫期間は2〜3年といわれている。平地から山地の小川や湧水、湿地、滞水など極めて広範囲に渡って生息し、幼虫は水底の砂泥中や落葉など植物性沈積物の下に潜んで生活している。

[http://www.denen.maff.go.jp/InterServ/MULTIMEDIA/html/contents/ikimono/menu/main.htmlを改変

田んぼの生きものヘもどる