ヤマアカガエル


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トノサマガエル

田んぼの生きもの写真集1

 アカガエル類やトノサマガエル、ダルマガエル、ヌマガエルなどは浅い水辺でないと産卵できない。ところが浅い水辺はすぐに抽水植物で覆われてしまう。そうなるとこれらの両生類は産卵できなくなる。これらの両生類が生き残ってこれたのは、河川の後背湿地がしばしば洪水による撹乱を受け、植物で覆われない浅い水辺がいつも存在したからである。
 後背湿地はその後、水田になり、これら両生類が必要とする開けた浅い水辺が水稲耕作によって恒常的に出現するようになった。しかも耕起,田植えを行う時期は南北両系の生物がすみわけしている境の時期に一致していた。そのおかげで南北両系の生きものは水田耕作と共存することが可能になったと考えられる。
 田植え前の水田で繁殖する生きものは北方起源のものが多い。北方系両生類の胚は高温に弱く発育できる限界は最高でもニホンアカガエルの28.5℃である。だから北方系両生類は水温が上昇する前に胚発生が完了するように早春に産卵する。産卵水温はほぼ5〜15℃の範囲である。
 一方南方系の両生類であるヌマガエルは4月下旬に冬眠から覚めた段階で卵巣が発達しきっていない。5月下旬以降に産卵可能な状態になることからヌマガエルの産卵は田植え後になってしまう。産卵水温はほぼ15〜25℃の範囲である。
 近年は圃場整備が進み、直壁のコンクリート水路で底も深く、両生類や魚類が水田に上がれないような構造になっている。また、田植え作業は昔より約1ケ月早くなり、さらに田植え後1ケ月経った頃に落水時期(中干し)をむかえる。
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