チュウサギ
日本には夏鳥として普通に渡来し、本州から九州までの各地で繁殖する。西南日本には稀に残留するものもある。水田や湿地で生活し、川の流れの中や干潟に出ること少ない。餌は昆虫、カエル、アメリカザリガニ、魚などだが、昆虫の占める割合がダイサギやコサギよりやや大きい。産卵期は4〜8月、卵数は3〜5個、抱卵日数は23日くらい、巣立ちまで25〜30日くらいである。夏羽では、くちばしは黒く目先は黄色い。冬羽では、くちばしは黄色く先が黒いことが多い。体の大きさはコサギとダイサギの中間だが、くちばしの長さはコサギより短い。
アオサギ
日本では北海道、本州、四国、対馬で繁殖し、北方のものは冬期は暖地に移動する。川、池沼、水田、干潟などに棲息し、水の中をゆっくり歩いたり、じっと立ち止まって待ち伏せたりしながら魚を捕らえる。カエル、昆虫類なども餌にする。丘陵地のよく茂った林などに集団繁殖し、沿岸の小島にコロニーが作られることもある。巣は樹上に小枝や枯れ草を積み重ねた粗雑な皿形で、梢に作られることが多い。産卵期は4〜5月、卵数は3〜5個、抱卵日数は25〜28日くらい、巣立ちまでの日数は50〜55日くらいである。全国的にアオサギのコロニーの数が減ってきている。
コサギ
日本では本州から九州までの各地に留鳥として繁殖し多い。近年、分布を広げる傾向にある。冬期には一部の個体は南方へ渡る。川、池沼、水田、干潟などの水辺で広く生活する。海にも現れることがある。採餌方法は変化に富み、岸辺で待ち伏せしたり、水中で歩きまわったり、魚群のいる浅瀬で走りまわったりして、魚などをくちばしではさみとる。産卵期は4〜8月、卵数は3〜5個、抱卵日数は23日くらい、巣立ちまでの日数は25〜30日くらいである。一年中くちばしが黒く、足指が黄色いのが特徴である。
ムクドリ
日本では北海道から九州までの全国で繁殖するが、四国と九州では繁殖は局地的で少ない。冬期には積雪の多い地方のものは、一部の個体を除いて大部分、暖地に移動する。平地や盆地の人里付近に棲む鳥で、樹木の点在する村落地や市街地に多い。繁殖期はつがいで生活し、本来の営巣場所は樹洞だが、人家の屋根のすき間や戸袋、巣箱などもよく利用する。産卵期は3〜7月、卵数は4〜9個、抱卵日数は11〜12日くらい、巣立ちまでの日数は21日くらいである。芝地、畑などの地上を歩きながら、ガの幼虫などの昆虫を餌とすることが多い。また、秋期にはムクノキ、エノキなどの木の実も好んで食べ、育雛期に雛にサクラ類の実を運ぶこともある。
カルガモ
全国で数多く繁殖する。冬期、湖沼の結氷する地方のものは暖地に移動する。狩猟鳥である。全国の平野部に広く分布している。繁殖期には水田、川、池沼などで生活し、水辺を歩く、泳ぎながら水面をついばむ、水中に首を突っ込むなどして、草の実や葉、水草、さらには水生昆虫や貝のようなさまざまな動物質の餌も食べる。水辺近くの草むらや休耕した畑、竹やぶなどの乾いた地上に巣を作るが、水辺を離れた所に作ることも多い。産卵期は4〜7月、卵数は10〜12個、抱卵日数は26日くらいである。
キジ
本州から九州までの各地に留鳥として棲息し繁殖している。ヤマドリよりも開けた環境に棲息し、平地から山地の明るい林、林縁、草原、農耕地などに見られる。主に地上を歩いて餌をとり、草の葉や実、昆虫やクモなどを食べる。夜のねぐらは樹上にとる。繁殖期はにはオスの縄張りに複数のメスが棲みつくことが多く、交尾をし産卵する。産卵期は4〜7月、卵数は6〜12個、抱卵日数は23〜25日くらいである。