国内では本州以南琉球列島までに分布する。また、近年北海道でも移殖による分布が認められる。
その一方、大都市周辺では開発が進むに従って生息場が次第になくなり、水路のコンクリート化や水
田と水路の落差によって、生息場所が失われてきた。国外では、朝鮮半島、中国大陸、台湾島に自然
分布している。なお、アメリカに移入されたものは定着しなかったという。生息場は平地の池や湖、
水田や用水、河川の下流域の流れの緩いところなどで、属名もイネの属名に由来する。昼間岸辺に近
い浅いところで、水面付近を群泳するのをよく見る。塩分に耐性も強い。食性はプランクトン動物や
プランクトン植物のほか、小さな落下昆虫などを食う雑食性。プランクトン植物だけが消化器官内に
見られた例もある。底生生物はほとんど利用しない。本種は顕著な昼行性で、明るくなると活動を開
始して、日中は浅いところで盛んに摂餌し、夜間にはそれより少し深いところや水草の中で過ごす。
産卵期は5月から8月末で、孵化した個体は大半が未成熟のまま越冬し翌年の春に成熟し、産卵後6月
から7月には死ぬ。 [引用文献:山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚]
写真は平成16年5月2日のよく晴れた日に福島潟を散策した時に撮影したメダカ。潟の岸辺近くを
いくつもの群れが群泳していた。群れの中でも、遅れがちなメダカをパチリと撮影した。幅広い尻び
れから、たぶん♂だろう。