がんばれ元気
関拳児との約束
圧倒的な強さで防衛を続けるWBA世界フェザー級チャンピオン関拳児を追いかけて、元気は中学を出
ただけで東京に上京して父が所属していた永野ボクシングジムに入門する。
そこで出会ったのは幼い頃、託児所で一緒だった皆川昇だった。昇も小さい頃からボクシングを続けて
いる元気の姿に影響させられた一人だった。元気と同じフェザー級でプロの道を目指すことになる。
元気はバイトで働きながらジムに通い17歳でプロテストを受験する。しかし、テストの日、テスト
会場であの関拳児と偶然に再会した。すぐさま関の元に近寄った元気は頭を下げて
「僕、堀口元気です」
「ん!?堀口元気!?」
「はい。シャーク堀口の息子です」
関は驚いた。何と目の前にいる少年が、12年前に自分にボクシングの恐ろしさを教え、リングの渦と
なって死んでいったシャーク堀口の息子だったのだ。自分に父の代わりに世界チャンピオンになって
欲しいと言ってくれた坊やが目の前に現れたのだ。
「あのときの坊やか・・・・大きくなったな・・・。プロテスト受けるのか」
「はい。関さんと同じフェザー級で受けます」
そして関は立ち去ろうとして元気に言った。
「俺とやりたいなら全部KOで登って来な」
「はい!!」元気は力強くそう答えた。プロテストを左のカウンターで倒した元気は見事、合格。
ついに父と同じ、プロの道を歩むことになった。
元気のプロの道に刺激を受けたのは火山尊だった。火山は元気の存在を許せなかった。オリンピッ
ク候補と騒がれながらエリートコースの道を捨てて、プロとしてフェザー級新人王に参戦してきた。
元気、昇、火山は順当に勝ち続け、元気と昇は準決勝で同門ながら対決することになってしまった。
ジムのホープ同士を対決させたくない永野ジムは、昇に東日本新人王戦を強制的にあきらめさせてし
まう。これが元で昇は永野ジムを辞め、移籍する。いつか元気との決着を夢見ながら・・・
戦わずして決勝に進出した元気の決勝の相手は火山尊だ。火山は小学校からの因縁の相手だったが
打たれないボクシングスタイルから、打たせて打つプロスタイルに変わっていた。これは元気の強打
を想定して打たれ慣れる必要性があったからだ。しかし、火山は打たれたダメージで目に異常をきた
してしまった。もし元気の強打を浴びたら失明の恐れがあるのだ。
元気は火山の失明の話を知ってしまい思い悩む。元気の弱点は気の優しさだ。弱肉強食のボクシン
グの世界で勝ち残るには、こんな甘さは許されない。元気がプロとしてやっていけるか試される試合
となった。
東日本新人王決勝戦は元気の不安のなかに行われ、プロになってからパンチを磨いてきた火山の攻
撃にプロ入り初のダウン。元気は怖くて火山の顔面を打てず、またダウン。
火山がプロに入ってから始めてみせる高度な防御テクニックで元気はパンチをヒットさせることが
出来ず、2ラウンドになってまたダウン。
「俺は火山さんを失明させてまで、勝ちたいのか!」
元気は父や三島らと歩んできた道を思い出していた。しかし、どうしても火山の顔面を打てずにリン
グの上で苦しんでいた。このまま火山の顔面を打てないまま終わるら、元気はこの道には向かない男
である。何とかボディにパンチを集めて反撃を試みるが、火山はこれを読み、容赦なく、元気をメッ
タ打ち。ついに5ラウンド終了のゴング。残された最終ラウンドにすべてをかける。
最終ラウンドも火山の一方的な攻撃にさらされ、もうろうとする意識のなか元気の心の奥に潜む闘
争本能が爆発。左右の連打を全身の力を込めて連打。火山はガードすることも出来ずロープに詰まっ
たまま元気の猛攻を浴びて棒立ち。勝負有りと見たレフリーは止めにはいるが、元気はふりほどいて
攻撃を辞めない。激しい連打。両陣営がリングになだれ込み試合を止めた。
試合のダメージで担架で運ばれ、火山は一命を取り留めたもののボクサーとしては再起不能と診断
された。無意識なまま、闘争本能で勝利を手にした元気だったが、火山を再起不能にしたことで心は
傷つき、もうボクシングを捨てるとさえ思ってしまう。そんな苦しむ元気を立ち直らせたのは小学校
時代からの恩師芦川先生だった。芦川先生も死んだ三島が託した元気を見守り続けている。元気は芦
川先生のお陰で、火山の思いも背負い、この先の道を歩み始めた。元気が世界を目指す器か試される
一戦だった。
元気は関と約束した全部KOを続け全日本新人王に挑む・・・
関拳児を目指してに続く
拳キチ伝言板
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