がんばれ元気

関との決戦前夜




 WBA世界フェザー級チャンピオン関拳児vsWBC世界フェザー級チャンピオン堀口元気の対決は正式に 決定した。因縁の堀口元気との対決の前に、関は長年愛し続けていた芦川先生と会っていた。
「堀口との一戦は久々に燃えられる一戦になりそうだ。試合前に山籠もりするつもりです」
「山籠もり・・・?」
「しばらく会えなくなる・・。戻ったら貴方にプロポーズします」
「・・・・・」
関は芦川先生を家まで送ると車で帰っていった。その現場を元気は目撃してしまった。元気は12歳も年上の 恩師、芦川先生を愛していたのである。関とデートを重ねていることを知り、肩を落としていた。元気の姿を見つけた 芦川先生は歩み寄る。近寄ってきた芦川先生に元気は関との関係を聞いた。
「好きなんですか・・関さんを・・」
「今度プロポーズすると言われたわ」
芦川先生は元気を優しく抱きしめ
「堀口君、私だった結婚を考えるし恋いもするわ」
「僕だって結婚を考えています!!僕は真剣に先生を・・!!」
芦川先生はそれ以上言わないで欲しいとばかりに元気の口を手でふさいだ。
「分かっていたわ・・貴方は私に対して・・・教師と、お母さん、お姉さん・・・恋人のすべての面影を求めているわ」
「いえ、先生!!」
「そして私も、貴方に対して、貴方の後ろに三島栄司さんを見ていたかも知れないわね・・・」
「・・・・」元気はしばらく言葉がなかった。そして元気は強く芦川先生に語った。
「これから僕は、先生に対して男としてつき合います。関さんと対等の男として・・・先生を必要とする・・・ 愛する男として・・・堂々と関さんと勝負します!!僕が試合に勝ったら先生にプロポーズします!!」
「ありがとう・・バカだなおぬしは・・」芦川先生はそう言って泣いていた。
元気は先生の思いを試合にぶつけ、勝利したらプロポーズするする事を誓った。そして元気も関と同じく、試合 に向けて、一人で昔、父と走ったかすかな思い出の場所をもう一度走って見るつもりでいた。
 一方、関は山の中の山中を一人、飢えに耐えながら特訓を開始。異常と思える程の山籠もりを続け、野獣と化す。 最後には熊とまで格闘し、一発で熊の頭蓋骨を割り倒すほどになっていたのだ。
 元気も父と走った思い出の場所を走り、日々を費やし、いよいよ5歳から目標としてきた関拳児との対決前夜 を迎えていた。これが終われば勝っても負けても目標は達成されたことになる。田舎の祖父母の元へ帰るつもりでいたのだ。
 決戦前夜、元気は芦川先生を助手席に乗せて、夜の道を車で突っ走っていた。元気は自分には似合わぬ道を無理に突っ走って 来てのではないかという思い、自分に夢を壊されてきた人たちのせめてもの償いだと明日の決戦を強く心に 誓っていたが、不安になったのか?それとも恐怖が脳裏によぎったのかは分からぬが、
「先生・・このまま海につっこんで良いですか?」と言った。
「そうしたかったらして良いわ・・私は良いのよ・・貴方と一緒なら!!」
その言葉に元気はアクセルを目一杯に踏んで、全速で崖っぷち目掛けて突っ走った。そして急ブレーキ!。車は かろうじて海に落ちずに止まった。
「私は本気で言ったのよ」芦川先生は元気の唇にそっとキスした。二人は激しく愛をぶつけ合った。そして 芦川先生は試合を放棄するように勧めた。
「闘志をむき出しにしてきた関さんは怖いボクサーよ・・・逃げよ・・・ねっ!」
関に殺されるのではないかという不安は元気だけではなく、芦川先生も同じだった。元気は車をどこまでも走らせ、 ラブホテルの前まで来て車を止めた。二人がしばらく沈黙して、元気は再び車を走らせ、道路の片隅に車を寄せて止めた。 「どうしてだか・・・僕はやっぱり逃げられない・・・」
「そうなのよ!男の人は・・ボクサーは・・結局、女には逃げられないのよ!!勝手に勝負に愛までかけて・・・ そのくせ逃げては来てくれないのよ!!」
芦川先生は泣き続けた。かつて関と死んだ恋人三島栄司が芦川先生をかけて勝負した。そして12歳も年下の自分の小学校の教え子 まで関との戦いに愛を賭けるのだ。元気は5歳からの夢を投げ捨てることが出来ず、芦川先生の愛を振り切り最終目標である 関拳児との一戦を迎えるのだった・・・。
 
統一戦!関拳児VS堀口元気に続く

拳キチ伝言板

 
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