ボクシングマガジン

現在、主流ボクシング雑誌は「ボクシングマガジン」「ワールドボクシング」の2つですが、私は高校
の時はボクシングマガジンしかなく、それを20年近く買い続けています。今回はボクマガの思い出を
書こうとおもいます。
オラは高校生だった頃、金も無く、ボクマガを本屋で立ち読みしていました。「ああ・・。買って読みたい
なあ」毎月こんな事をしながら、どうしても買いたくてバイトして買おうと決心しました。バイトと言っても
金は安かったのですが、それでも一生懸命働きました。オラは本屋に行って「ふふふっ。今月で立ち読みは最後
だそ。来月から勝って読む」私は本屋でにやついていた。オラの町は本屋が事実上1件しか当時は無かった。
今出こそ、大きな本屋がありますが、当時はボクシングマガジンを売っている唯一の本屋として私の心の
オアシスでした。
1月後、私ははじめてバイト料が手に入った。オラは発売日を待ち、学校から自転車をこいで10キロ。
本屋に急いだ。「ふふふふふっ。今日から買うのだ!!」私は一目散に本屋に入ってスポーツコーナーに
言ってボクマガを捜す。「無い!ボクマガがない!発売日間違えたかな?」オラはレジの人にかけよって
「あの・・ボクシングマガジン、今日、発売日じゃなかったですか?」そう私が尋ねると
「あら・・さっき買って行った人がいました。売り切れです」どびゃーーーん!私は目に涙を浮かべた。
オラの町にはボクマガは1冊しか売っていないのだ。オラは何のために今日まで・・。私は悔やんでも悔やみ
きれず、涙をためて自転車を走らせた。隣りにある古川市にはさすがに、ボクマガはたくさんうっているので
必死に10キロの片道を走らせた。そして本屋に「あった。あった!」オラのボクマガ手に入れた。オラは
読みたい思いをぐっとこらえて、家まで7キロ、自転車を走らせ、それでも我慢できずに自転車の籠の上に
ボクマガ開いて見ながら家まで帰る。家に帰ってじっくり読む。「おお。このツルッパゲ(マービン・ハグラー)
また勝っている。強そうだなぁ。」ふむふむ。オラは幸せ気分だった。「レナード、ファイトマネー17億円か
・・・。オラの日当2500円なのに、レナードの日当17億とは・・」私は世界の凄さに満喫していた。
1月後、オラは発売日に必死に自転車こいで本屋に行く。「びえーーん(涙)また無い!」オラは涙をためな
がらまた10キロの片道を走り、買って家まで7キロ。私の学校から本屋まで10キロだから、合計27キロ
死ぬ思いだ。また1月後、買いに行くと「しめしめ・・ボクマガあったぞ」私は幸せ気分で家に持ってかえる
そして次の月「無い〜(涙)」、そして次の月、「あった!ばんざーい」。こんな月日を過していたが、どうにも
私より一足、早く買っていくやつがいる。「くそー。いつか、とっつかまえてブン殴ってやる」と言う怒り
さえ、覚えるようになる。社会人になると車も運転できるし、のんびりいろんな本屋にボクマガを買いに行ける
ようになる。「オラって幸せ。ふふふっ」そんな気分だ。そしてジムに通いはじめて、生まれてはじめて
ボクシングを語れる仲間がたくさん出来はじめて「余は満足じゃ。」そんな月日を過しているうちにいつのまにか
私の近所にもジムに通っている人がいる事を知り、いつのまにか仲良くなった。話すれば1日中、ボクシングの
話で盛り上がった。「来月はレナードの試合だな」「ハグラー強いな」「戦ったらどっち勝つかな?」何て
楽しい毎日だった。その友人が昔話を語りはじめる。
「昔、本屋に行くと俺より一足先に買って行くやつがいて、買いそびれると10キロの片道を自転車で買いに
行ったけなぁ」と言うとオラもふと昔の話を思い出し、
「何かオラみたいなことあったんだ」「あら・・お前も?」
「何処の本屋?」「高橋売店っていう本屋」「ははははっ。オラと同じところだ・・・??」
2人は一瞬、沈黙して、顔と顔を見詰め合い、一斉に
「お前、だったのかぁぁぁ!!」

何たる事、運命は皮肉である。本屋の宿敵は身近にいたのだ。


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