現役を退いた今も拳キチさんは殴られ続けている

 春のシーズンになると進学、転入、就職などで新しい事を始めたがる。我がリバーサイドボクシングジム
でも練習生が膨大に増えて縄跳びもやる場所がないほどになっている。こんなに大勢初心者が現れれば、指
導に手が回らなくなるのが現状です。やはり新人ならば早くトレーナーに認められて集中的に指導して欲し
いと思うのは当然のことだ。しかし何せ人が多すぎて指導してもらう時間がきわめて少なくなる。私がミッ
トを受けてやると新人は当然「認めてもらうチャンスだ」と思うはずである。私の立場からすると正しいホ
ームから正確なパンチを打ってもらいたいと練習生に望むが、練習生は「パンチの強さを指導者に認めさせ
たい」と心の中で思うのだ。強いパンチを打って「お前、なかなかパンチがあるな」と誉めてもらい自分は
才能があるとトレーナーに認めてもらい多い練習生の中でも、集中して教えて欲しいという願望がある。だ
から私がミットを構えると、とにかく思いっ切り叩く。そのパンチが振り回すものでミットに正確に当たる
はずがない。空振りして私の顔面に・・・。「痛てぇ・・・ヘタくそ。オメー動かないミットに当てられな
いのか!」練習生は「すみません」と言った顔。こんな事はしばしばある。現役時代なら殴られるのは分か
るが、退いた今も殴られ続けているのだ。
 最近は女性の練習生が多いので私がよくスパーリングの相手をする。勿論、私は打たない。現役時代、強
打でならした私だ。私が打てばひとたまりも無い。打たせても痛くないし、殴らせている。女性練習生は「
殴って申し訳ない」と言いながら楽しそうにパンチを打ち込んでくる。それがなかなか楽しい。
 しかし殴られるのが快感となってはいけない。危ない方向に進まないよう心がけている???

  
 拳キチより    (6月17日作成。)
 


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