(C)インターネットランド>小学校>１年生>道徳>作文 夢
小林正樹（TOSS山形）
残念ながら、１年生を担任したことがない。
担外の教務となり、１年生へ補欠授業に入ることとなった。このクラスでの道徳授業は２回目となる。なかなか４５分間もたせるのは難しい。それでも１回目よりは子どもたちを掌握できたのではないかと感じている。
七夕飾りの時期。一人ひとりきれいな飾りを作り、願い事を書いていた。
「心のノート」低学年版の１年生の欄に、「しょうらいのゆめ」を書かせた。
「先生、飾りに書いたのと、違うことでもいいですか。」
「もちろん、いいよ。あとで大きな声で発表してもらうよ。みんなの前で発表したいことを書いてね。」
・・・・・一人ひとりに黒板前で発表させた。かわいらしい発表ばかりである。
「これからみんなと同じ１年生が書いた作文を読みます。時々、この作文から問題を出しますから、よ〜く、聞いててね。」
「みんなの姿勢がよくなったら、読み始めるよ。・・・・・では、始めます。」
【音読１】
おかさんのゆめ
ひらまつ ゆうき（１ねん）
ぼくは、おかあさんに、
「ちいさいころ、なにに なりたかった。」
と、ききました。すると、おかあさんは、
「いろいろなものに なりたかったよ。
おつかいで クリーニングやさんにいくと クリーニングやさんになりたいと
おもったし、えんそくで ステキな バスガイドさんを みれば、バスガイドさんに
なりたいと おもったし、かぞくで レストランにいけば ウエィトレスさんに
なりたいとおもったよ。」
といいました。
発問１ お母さんに、子どもの頃何になりたいと思っていたのですか。一つでもいいから、言える人？（挙手を促す）
「クリーニングやさんです。」
・・・よく聞いてたねえ。（「クリーニングやさん」と板書する。）
「バスガイドさんです。」
・・・その通り。（「バスガイド」と板書する。）
「レストランの人です。」
・・・そう。レストランの人だね。なんて言うのかな。
「ウエィトレスです。」
・・・そうだね。見たことありますか。（「ウエィトレス」と板書する。）
「この後、どうなるのかな。続けますよ。」
【音読２】
だから、ぼくは、
「そうしたら、おかあさんのゆめは、かなわなかったんだね。」
というと、おかあさんは、
発問２ お母さんは何と言ったでしょうか。予想でいいですよ。言える人？
「かなったと思います。」
・・・おぉ、ちゃんと「〜ます」って言えてえらいなあ。
「一つだけかなったと思います。」
・・・「一つだけ」、なるほどねえ。
「全部、かなったと思います。」
・・・全部かぁ、楽しそうだねえ。
※以上のように、挙手して発言できる子にどんどん発表させる。
発問３ みんなに聞くよ。
１ 全然かなわない。
２ 少しかなった。
３ 全部かなった。
どれかに一回手をあげよう。・・・決まったかな。
※挙手させる。人数を板書する。理由を言いたい子には言わせる。
「朝は、クリーニングやさんになって、お昼はバスガイドさんで、夕方からレストランに行くんだと思います。」
・・・こんな楽しい考えが出される。ニコニコして、驚いて聞いてあげる。１年生担任になりたいなあ。
「さあて、次に答えが書いてあるんだ。聞きたい人？・・・じゃあ、読むね。」
【音読３】
「ううん、ぜんぶかなったよ。」
といいました。だから、ぼくは、
「どうして？」
とききました。すると、おかあさんは、
「だって、おとうさんの ワイシャツに アイロンを あてて いるときは、
クリーニングやさんに なったきになるし、ゆうくんに べんきょうを
おしえているときは がっこうの せんせいに なったきになるし、
おとうさんの くるまに のれば、おかあさんは バスガイドよ。
そして、みんなに しょくじを だすときは、ウエイトレスさんに
なったきぶんよ。」
といいました。
おとなって いいなあ。
※読みながら、「クリーニングやさん」「バスガイド」「ウエィトレス」に○を付けていく。
「全部、なれたんだね。みんなが書いた“しょうらいのゆめ”も、きっとかなうよ。
友だちと遊んだり、給食を食べたり、掃除したりも、勉強もしたり、いろんなことをやると、
夢がかなうんだよ。もう少しで夏休み、暑さに負けずにがんばろうね。」
・・・こんなことを話して、授業を終えた。
予想以上の反応を楽しむことができた道徳の時間となった。
※以前の実践は、ここをクリック。