米アレルギーに関する記事

文責 石巻稲作研究会

太田 俊治

 

 消費者の中に、ご飯を食べるとアレルギー症状を呈する症状が在る事を知り

少しでも米アレルギーの改善に寄与できることを願い、以下に寄稿する。

 

 米アレルギーのアレルゲンは、大別して2種類に大きく分類される。

一つ目は、米のタンパク質由来のアレルギーで有る。このアレルギーは米の蛋白質の

科学的な除去・撤去等によるアレルゲン除去米として加工された製品でのみ改善できる。

米でんぷんの分子結合にまでタンパク質がかかわり、一般の調整(精米・炊飯等)では

そのアレルゲンを除去できない。

二つ目は、米のでんぷんの種類とその分子結合の違いにより起こる米でんぷん消化性が

原因のアレルギーである。このアレルギーは、米に含まれるアミロース(分子結合が直鎖状でブドウ糖に分解されやすい)と、アミロペクチン(分子結合が稲穂の枝梗(シコウ)の様に枝分かれした分子構造でブドウ糖に分解されるのに時間がかかる)の2種類のでんぷんが関係している。

 多くの米アレルギー経験者の経験談に基づき、低アミロース米系統(コシヒカリ系)

及びアミロースを含まないもち米で米アレルギーを誘発することから、米アレルギーの

一時的要因として、アミロペクチンの組成とその比率が原因と考えられるので、高アミロース米での米アレルギー対策が考えられる。

しかし、高アミロース米はインディカ種に代表されるように米のアミロースが多くなるとぱさぱさして粘りを失い食味も悪くなる特性がある。

視点を換えて米アレルギーの歴史を考えたとき、昭和20年代より以前には、米を食べて病気(アレルギー)になることなど無く(日本民族は葦豊原瑞穂の民と称され太古より米を主食としてきた)そうすると、米の品種改良の結果としてくしくも米アレルゲン

要素が現代水稲品種の中に発現し一部の日本人の中で米アレルギー症状が発症して来たのではないかと推察できる。

“ササシグレ”の米アレルギー効果

 上記考察の結果から、米アレルギーの改善の為には、昭和20年代より古い品種で

且、高アミロース・低タンパク質の特徴を兼ね備えた米が望まれる。低タンパク質の

遺伝資源は、水稲品種“亀の尾”に由来するものであり、“亀の尾”が現代品種の良食味米のルーツとして評価される理由の一つである。その後代品種として開発された、

“ササシグレ”は、高アミロース・低蛋白特性を兼ね備え、高精白しなくとも米アレルギー効果を示し、又炊飯時のかおりが良く軟らかい甘みは食欲を刺激します。

 米アレルギーでお悩みの方の一助となることを祈念し、米アレルギーの序章とします。