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“狸”“山嵐”“赤シャツ”“マドンナ”・・・、これは夏目漱石の「坊ちゃん」に出てくる登場人物の渾名である。 これに劣らないくらいの渾名を付けられる栄誉を、小生は浴してきた。 小・中学生の頃は、“マッカ”(マツカサの簡略呼び。私は興奮したり上がったりすると、すぐ顔が赤くなったから)、教員になってからは、“ジンタ”“ウルトラマン”“中曽根さん”“トッキー”などなど。 私の教え子たちも各分野で活躍され、なかには還暦を迎えた方々もおられる。 私のあまり好まない言葉に、「教師冥利」がある。しかし最近、この言葉にピタリと当てはまる事象があった。 遊佐町の唄「お花畠」保存会は、有名な「お花畠」の歌のアレンジと歌唱を佐々木正氏に依頼され、それをCD化するとともに、その発表会が開催された。アレンジと歌唱を担当した佐々木氏は、私の教え子である。 私もそのCDを頂き、鳥海山を眺めながらマイカーで聴いた。前奏部分の一歩一歩踏みしめながら登る情景を音で聴きながら、私の目にはいつか涙が溢れていた。何と素晴らしい教え子からのプレゼントであったことと。正にこれが「教師冥利」なのかと、実感したのであった。
時間に遅れそうになった私は急いでホテルに駆けつけ、まずはトイレに飛び込んだところ、本日の主賓、中曽根氏が中におられたのである。 講演の中で中曽根氏は、誕生間がない小泉内閣を「ワイドショー内閣」と評された。あれから5年、時の流れは瞬く間に流れ、日本のトップリーダーの交替があり、小泉氏から安倍氏に引き継がれた。 戯れ言はさておき、今年は戦後61年である。 私は数年前から、「日本は本当に戦争に負けてしまった。」との感を強く懐くようになった。ある会合で、「今の世の中どうなっているんだ!!」という議論が交わされた。 想定を超える事件が、次から次へと勃発している。また、「金権社会では思想や理論も金で買えるんだよ!」という、恐ろしい発言もあった。 皮相的とは申せ、世相の根底に、人の生き方の指針になる“哲学の貧困”が潜んでいることが指摘できる。叫ばれている地域間格差社会は間もなく津波のこどく押し寄せ、数十極集中型の日本が形成されると予想される。 これまで私は、阿部次郎、夏目漱石、芥川龍之介の関わりについて調べてきた。 もしこの三人が生身でこの世に現れたら、どんな言葉を発するだろうか。人間尊重・人格尊重思想の回復を願ってやまないのである。 |
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この随筆は、土岐田先生は教員時代に付けられた渾名の数々をユーモアで紹介していますが、先生の寛大なお人柄と実直さが良く表れ、まだまだお若かった当時を懐かしく思い出されます。 随筆にある渾名で、“ジンタ”という渾名を付けたのは、遊佐高校時代の私達だったのです。 当時、“ジンタ”という歌(「美しき天然」作詞:武鳥羽衣 作曲:田中穂積(1905年に発表された曲))が、多少流行っていたのですが、先生は、この歌やリズムを気に入っていたのか、この“ジンタ”のリズムを口ずさみながら校内を歩いていることがあったのです。 その様子を目撃した生徒達が、誰からともなく、先生を“ジンタ”と呼び、校内に広まったのでした。 |
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因みに、ジンタとは、昔、田舎回りのサーカス小屋のなかでよく演奏された音楽で、三拍子が“ジンタッタ ジンタッタ、ジンタッタ”と聞こえたことから、「ジンタ」とよばれるようになったらしい。 | |||||||||||||
「美しき天然」武島羽衣作詞・田中穂積作曲/志賀静男編曲 |
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