魔女アデル2



 
魔女アデルと相対するのは2度目
1度目は邪魔が入った
今度は、邪魔が入る余地は無い
戦いの目的を考えれば、邪魔が入ったお陰で、また次なんて事もあり得ない
これが最後
これで最後
どれほど手強い敵だとしても、“アデル”を倒して私達は未来へ行く
―――“魔女”を倒すために
私達はそれぞれ武器を構えて“魔女”の周囲に散開した
私達の間を張りつめた空気が走る
戦いの前の緊張
それと同時に、激しくなる戦いの予感に、不思議と鼓動が高鳴った

無表情に、無感情に“魔女”が動く
様々な魔法の攻撃が無造作に生み出され、無差別に襲ってくる
SeeD達の連携を妨げる様に魔法が落とされる
身を翻しかわした先に、目には見えない衝撃が走る
それと同時に、他方へと伸びる魔法の輝き
一度に繰り広げられる複数の行動
SeeD達が放つ魔法の攻撃は“魔女”には効かない
僅かの間でも動きを封じる為に放たれた魔法は、魔女へとぶつかる事もなく消滅していく
―――前の時とは違う
戦いの中でぼんやりと感じる違和感
ゆっくりと魔女の腕が上がる
高く掲げられた腕に、魔力が集まっていく
合図を送るまでもなく、一斉に繰り出される攻撃
“魔女”の身体へと近づくにつれ、魔法の攻撃が突き刺さる
身体に痛みが走り、幾つもの傷が出来上がるが、今はそんなことを気にしている余裕はない
僅かなずれを生じながらも、同時に繰り出された攻撃
一瞬の間を置き、“魔女”の声が上がる
悲鳴とも怨嗟の声ともつかない声
痛みからか、無秩序に魔法が放たれる
それと同時に繰り出される物理的な攻撃
―――今がチャンスだ
攻撃を続けるなら今が絶好の機会
瞬時に下された判断の元、動き出そうとした身体が止まる
“魔女”がゆっくりと手を差し伸べる
ただ一つの入り口の方へ
振り返った視線の先に、立ちつくすリノアの姿があった
 
 

 To be continued


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