魔女の城2



 
扉の中に広がる広い空間
綺麗に整えられた城の内装は傷んだ所は何処にも見受けられないというのに、何故か廃墟の様相を呈している
足を踏み入れるのとほぼ同時に、部屋の中に仄かな灯りが浮かび上がる
そして、辺りに感じる生き物の気配
―――柱の間に垣間見えるモンスターの姿
「まさに、悪役の居場所って感じだな」
きっとたぶん、この城の中に人の姿は無い
凶悪なモンスターが見え隠れするこの場所に人間が住むことは出来ない
「そうだな」
サイファーの呟きに答えを返して、スコールは辺りを歩くモンスターへと目を向ける
人の気配に気が付いていないのか、別の理由があるのかモンスターがこちらに気付いた様子はまだ無い
「なるべく無駄な戦いは避けていきましょう」
戦えば戦った分だけ、体力や戦力を消費する事になる
最後に“魔女”との戦いになるのは必至、それなら不必要な戦いはやらない方が良い
「城の中は広いわ、効率を考えて2手に別れるべきね」
言葉を切ったキスティスの視線が真っ直ぐにスコールへと向けられる
別れるだけの人数は充分に居る
2つに別れるというならその方が効率は良い
「ソレで構わないと思う、が………」
此処に居るのは、サイファー、キスティス、セルフィ、ゼル………
2人と3人に分けるには、2人の方が心許ない
「どう別れるかが問題だよねぇ」
セルフィが肩をすくめるのとほぼ同時に、閉じたはずの城の扉がゆっくりと開いた

「力の封鎖かぁ………何をどうやったのか解らないけれど、宣告してくれるのは在る意味親切だよね」
ライフルを肩に担ぎながら、のんびりした口調でアーヴァインが話しかける
「親切って言うより、プレッシャーかけてるって気もすけどな」
辺りに視線を走らせながらゼルが答える

人員を2つに分けるという作業は、少し遅れてアーヴァインが現れると同時にあっさりと決定した
時間圧縮が始まり、その事に気付く事が出来さえすれば、時間の流れの中に取り込まれる前に移動を始める事は意思さえしっかり持っていれば簡単な事だ
元々、誰が未来へ行くか明確な作戦が決まっていた訳じゃない
アーヴァインも時間圧縮を感じ取ったとき、決着を付けたいという気持ちが強かったせいか気が付けば未来へと辿り着いていたらしい
決着を付けたいという気持ちは分かるからか、誰からも文句は出なかった
それどころか歓迎する声が起こったときに、辺りへと宣告が響き渡った
曰く、自分達が持つ様々な能力を封印するという言葉
声だけが響いた位では、力を封じるなどという事を信じることは無かった
だが、言葉と同時に身体に感じた違和感
いつもよりも重く感じる身体、切れの無い動き
誰もが同じ事を感じたのか、顔色が変わった
そして、意見も反論をする暇も無くキスティスによって決定した組み分けの結果、スコールはゼル、アーヴァインと共に城の中を探索している
“魔女”と戦う前に、自分達の力を取り込んでいるモンスターの姿を求めて………
数歩先を先行していたゼルが足を止める
「居たぜ」
覗き込んだ部屋の中に巨大なモンスターの姿があった
 

 To be continued


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