解放2



 
怖かった
初めて触れたアデルの過去
触れたのはほんの一瞬
今までのジャンクションの中で一番短い時間
今まで感じた事の無い心
私がずっと持ち続けていた感情
様々なモノが入り交じって
“アデル”という存在は私に恐怖を抱かせた
“魔女”という存在
死ぬことの出来ないという言葉の真実
そして、触れてしまったもう1人の存在
狂った“魔女”の存在
意味を持たない言葉
強く望むのは滅び
未来の魔女を形作っているのはただそれだけ
未来の魔女に飲み込まれていくアデルの姿が見えた
私は逃げ出した
結果として私がしたのは作戦通りの行動
でも本当は、ただ逃げ出しただけ
最後に脳裏に刻み込まれたのは、存在を繋げるために、自らの騎士を手にかけたアデルの姿
私は、自分の場所へ戻ると同時に気を失っていた
目が覚めたのは全てが終わったずっと後のこと

レインの姿が見える
この間過去の世界へと意識を飛ばしたおかげではっきりと思い出せるレインの姿
子供だった私の記憶はとても曖昧で
本当は、あの時にかいま見たレインの姿にひどく動揺した
知っているレインと違ったから
覚えていた筈のレインとはずっと違っていたから
それでも、レインはレインだった
私が覚えているレインでもあった
忘れてしまったのならもう一度………
違和感を感じながらも誓った言葉
もう一度あの瞬間を取り戻す
そう思っていた
思っていたはずだったのに………
時間圧縮の作戦を聞かされてずっと思っていたことがある
直接レインの元へ行くということ
そうしてレインを助け出して………
私が出来なくても、きっとおじさんがやってくれると思ってた
きっとレインの元へ行くはずだって
行かない筈がないって、そう想っていた
それは私の勝手な思いこみ
思い描いた理想の幻想
考えてみれば、一度も確かめた事が無かった
おじさんの気持ち、スコールの気持ち
そして、レインの気持ち
これは私の希望、私の望みだから、時間圧縮の瞬間に時の彼方に存在するレインの元へ私が行かなければならなかった
行くことが出来ない事態に陥ったのは私が弱いから
誰のせいでもなく私の責任
―――冷静に考えられるようになったのは後になってから
目が覚めたばかりの私は、全てが終わった事を聞いて
当然の様にレインを探した
見当らないその姿にレインの行方を聞いた

あの場所におじさんとスコールが居なかったこと
それが私にとって、最後の救い
 

 To be continued


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