英雄とテロリスト
(始まり SideS)
式典への参加
ガルバディアの新政府樹立の式典には、世界各国の政府、著名人への招待状が配られた
その中で、ガーデンは、多少複雑な招待の受け方をしていた
正式な客としての式典への招待
そして、式典会場の警備の要請
これまでの行いからして、諸外国の要人があつまる場所にガルバディア軍の兵士を配備する事を避けた結果の決断
ガーデンは、式典出席者と、式典警備者の二組を送った
スコール達は、その日デリングシティのホテルに一泊する事にしていた
「長い式典だったわね」
スコール達は招待客として式典に参加していた
朝から始まった式典が様々な行事を経て、終わったのは日も落ちた頃
………疲れた………
人混みの中、好奇の視線にさらされて、スコールは精神的に疲れていた
……元気だな
長かったとか、疲れたとか言いながらも仲間達は元気いっぱいだ
「スコールはどうする?」
気がつけば、スコール以外は、扉に手をかけ、出かける準備を整えている
………………
「俺は行かない」
よくこんな時間から出かける気になるな……
「そう?むりには誘わないけど……」
仕方ないとでも言うような態度で、キスティス達は出ていった
スコールは、日の暮れた夜の街へと視線を移した
式典の為に華やかに飾り付けられた街
鮮やかな色彩と、集まった人々の姿
街に流れる雰囲気は違う、それでも、あの日の魔女のパレードを思い出す
あの時こそが、すべてが動き出した時
あれから、いろいろな事が一度に起こった
なにもわからないまま、流されるままに戦いを繰り返した
……だから、か?
与えられた任務の為に、足早に通りすぎた街
作戦に失敗し、大きな戦いに引き込まれた街
だからこそ、平和なこの街を見ておきたいと願ったのかもしれない
………
スコールはゆっくりと、部屋の外へと向かった
出席していたのには気づいていた
だが、こんなはずであうはずのない相手だった
「食べる時位、嬉しそうに食べろよ」
むっとしたまま、食事を続けていると、ラグナが困ったように言った
……だれのせいだ……
ラグナが微かに笑う気配がした
「ところで、他の奴らはどうした?」
そういうラグナも、キロスとウォードは一緒にいない
よく探した訳ではないが、あの目立つ二人を見落とす事はないはずだ
「出かけた」
あの二人も出かけたのか?
ラグナも含めて、ガルバディアの出身だ、行く場所や、会う人もいるのかもしれない
「スコールは行かなかったのか?」
そっちだって、行ってないだろ?
それとも、キロス達も遅れてくるのか?
「遊びに位出かけた方が良いぞ」
………よけいなお世話だ
スコールは、無言のまま、食事を続けた
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