冷える夜は危機一髪

人生には思わぬハプニングがつきまとうものでございます。
小生はあんまり歓迎しないのですが,少年時代からずーっと仲よくされていることがある。
元旦マラソンのときも出演していただいた..そう例の、あのお祭の笛である。

今回の訪問時期は、出張採寸中のことであります。
その日もビッチリと組まれた訪問予定表に従って一生懸命制服の採寸に精を出しておりやした。
採寸の時期というと1月〜3月であるから,当然夜になると気温はさがります。
もともと胃腸の丈夫でない小生のことですので,そのあたりの配慮は十分にやっておりやした。


そりゃたまにはストレス発散にカラオケなんぞもやりますわ。
この写真は東京で友達とあったある会合。歌った曲はたしか「麦畑」
だった。



のではございますが,間がさしたんでしょうな。
その日は突然にやってまいったのでした。
たしかお客様の好意でなにかにおいのやや強いものをごちそうになったのだと思います。
当然お口の中は食べカスが歯の間に微妙に残るということでありやす。
常日頃から接客時の臭いに関しては細かい配慮をいたす小生ですので,対策を考えました。
その結果として出した結論が,すぐ近くにあった自動販売機の牛乳を飲むことであります。
昼食の後で口臭を消すためによく飲んでいたのです。
お昼時はまだ暖かいので腹が冷えることはなかったんですね。
でもその日の場合は,気象条件がマイナスに揃ってしまいました。


それから7時前後くらいだったと思います。
まだ2〜3人のお客様を残しておりました。
残りの場所は海老名市上今泉5丁目。
催してくるとなかなか歯止めがききません。
全身の力を抜くようにしてそーっと動かなければいけないのです。
どう考えてもあとのお客さんをこの状態のままでこなすのは不可能です。
どっかで何とかしなければ...。
いろいろな場合を頭の中でシミュレートしながらも,とりあえず次のお客さんの方向へと移動していくしかないのでした。


めざすお客さんの家の前。

うまい具合に一番はずれのうちである。
しかも家の前10m離れて高さ1m弱のやぶが生い茂っているではありませんか。
回りは真っ暗。
少し離れたところに外灯がポッとひとつ。
チャップリンの「街の灯」って映画があったけれどそんな雰囲気のところ。
だけど小生そんな余裕はない。
もう出口にあふれだしそうな状態である。
え−い。かまうもんか。

やぶに身を沈めたのである。

ところがその場所。
結構な斜面になっている。
当然のことながら斜面の下すなわちお客さんの玄関に向かうことになった。
一瞬の安らぎと安堵感の直後,わが体内からいきおいよく発射されたやわらかめのカレーは斜面に逆らうことなく溶岩のごとくゆっくりとくだり落ちた。
小生の股の間を流れくだる瞬間,強烈な臭いが顔面を通り抜けていった。

あーあ。なんとか危機は脱した。


文面となんのつながりもない写真です。でもすっきりした顔で写っているところはあっているかも。


そういえば紙ももってないや。
しょうがない。この際ハンカチで...
記念のハンカチはその場に奉納することにした。
まさかポケットに入れて持って帰る訳にいかないもんね。


10分後。
すっきりした顔ですぐ前の家にお邪魔し,採寸を始めておりやした。

もちろん。水道は外にないので手は洗っておりません。


次回「こんなちっちゃなくせして」に続く