招かれざる助っ人
<回想編その2>

回想編2回目の今回は、東京のニット製品会社に勤務していた時の反省です。今振り返ってみますと、笑えるかもしれませんが、当日のTさんの心境を思うと、申し訳ないことをしてしまったかなとちょっぴり懺悔。
すみませんでした。

写真は、その当時田舎に帰ったとき我がおふくろとのツーショットです。
親孝行のつもりで・・・
(こんな懺悔のページで怒られるかも)




東京でのニット製品販売会社「東京N」に勤務していたある年。
先輩のIさんと二人、朝から取手のある量販店に来ていた。有名な○○ー○ー○堂という全国的に有名な大きな店であります。実はその日は1Fの正面イベントコーナーを使い、婦人ニット製品のバーゲンセールをやることになっており、二人が販売の応援で行きましたのです。
状況を説明しますと、東京Nが3Fの一角を借りてテナントとして婦人ニット製品の店を出していました。そのお店の責任者がTさんという人です。
Tさんは東京Nの取引先の偉い方だったのですが、定年退職した後東京Nに入ってきました。Tさんはずーっと婦人ニットの仕入・販売をやってきたようでした。入社後、少しして取手の○ー○堂に店を出すことになったのです。あまり詳しいいきさつは知りませんのですが。

その日は海老名から行くというので朝早く起きて電車に乗りました。
海老名から新宿、山手線を降りて、上野から常磐線というコースです。小田急・常磐線直通の綾瀬行きという電車もあるのですが、なにぶん準急で各駅停車に近いゆっくり電車だったもんですから。お店の開店は10時でした。

小生はデパートで販売の経験はあったのですが、Iさんはあまりないように思います。
なにしろ1Fの正面のイベントスペースを30坪くらいはあったでしょうか。テナントを出してから初めてのビッグバーゲンということで、Tさんの意気込みはすごいものがありました。応援の二人にもそれは充分伝わってはきましたのですが、二人にとって見れば単なる応援それもわざわざ取手くんだりまで来てやったんだという気持ちが少々。
まあ、そんな気持ちが知らず知らずに出てしまうのか売上のほうはいまいちでした。
婦人ニットとは言え、ワンピースとかスーツとかの結構な値段のするもんです。メーカーもそこそこのブランド品ばかりなので、そんなにバカバカ売れるもんじゃありません。
自慢ではありませんが、婦人服の経験は小生はゼロ。セーターやシャツなどの小物とちょっと勝手が違いますわな。

そのうちに平日ということもあり客足もまばらになってしまい、二人とも暇を持て余すありさまです。
お昼は忙しい場合は交代でとるようにするのが普通なのですが、そんな状態で二人一緒に行くことになりました。(これがいけなかったのです)

さて、Iさんは大のアルコール愛好家。小生とは会社の帰り、1日おきには赤ちょうちんで一杯やる間柄であったのです。
以上のような条件が重なった場合はほぼ予想がつくというものです。
まず乾杯!
自分の本来の業務ではなく手伝いという意識もあって、お昼の一杯はまた格別な味なのであります。心地よいのど越しを満喫しながら休憩時間をめいっぱい使って楽しいひとときでした。
それでもやはり勤務中でありますから、二人で2本。大ビンではございますが。
幸い二人とも顔にはでないタイプですので、あからさまに酔っ払いとわかることはありません。
でも、やっぱり臭いますよね。当然。
できるだけお客様には近寄らないようにしておりました。
まあ正直なところ、Tさんには感ずかれたとは思いますが、こちらのほうが先輩なのでなにも言われませんでした。もちろん会社にチクるようなことは許しません。暗黙のルールで。
そのせいかどうかはわかりませんが、その後Tさんから応援の要請がくることはありませんでした。



次回「社員旅行のスタッフ」に続く。