美白の女王<前編>


帰省したときに近くの道の駅「みどりの里」。やっぱりわき腹のお肉が余裕ありですわ。
数年前に大ブレイクしました「美白の女王」を覚えていらっしゃいますでしょうか。
そうそう、あのダイエットでものすごい財産をお作りになったあのSその子さん。
なんと小生、Sその子さんとも関わりを持っていたのでございます。
今回はそのお話をいたしましょう。



我が社では毎年1回健康診断がございます。
7月ころから10月くらいに実施するのです。若者は割と簡単な検査で終るのですが、35歳を超えた中年及び熟年、初老年クラスになると検査項目が一気に増えまして、「バリウムでの胃レントゲン」「心電図」「便採取による大腸ガン検査」などがあるのです。
バリウムを飲む時に「ゲップを我慢してくださいよ!」と言われるとよけいに「出るんじゃねえのかな」と気になってしまいます。
「○○さんが噴出しちゃって前一面バリウムが飛び散っちゃってよお、もう一杯飲まされてたよ」「俺も心配だなあ」そういえば小生もビールを飲むと必ずゲップが出ますわな。
しかも、胃をふくらます薬を先に飲ますんだろ?条件が揃いすぎてるわ。

毎回心配しながら受けるのです。
幸いというかゲップを出したことはありませんが、今度は大丈夫だろうかときになります。
それと、検査の前の日と当日朝と2回取る「便(以後、現物と呼びましょう)」もなかなか大変ですよ。
小学校での頃はのそれは、マッチ箱に小指の先ぐらいの「現物」をいれて、ランドセルに入れて学校へ持っていったものです。
もちろん、給食などありませんでしたのでランドセルの中にはおいしいおいしい弁当箱も一緒に仲良く入っていたのでありました。
まさに「入るもの」も「出るもの」も同じ様なものなんでございましょう。
現在は、プラスチックの細長い容器に、栓と一緒の棒が指しこんであって、その棒の先に現物をつけて密閉してしまうという優れものになっております。
中は液体が入っているので、解けてしまうような状態になります。
これなら臭いませんし、検査の方も楽なのでございましょうなあ。
2回分の「現物」を検査して、大腸ガンの検査をしてくれるのです。

健康診断の結果は、後日通知を頂くのですが、中には再検査必要とか要観察などの項目が見つかるわけです。

さて、小生の結果と申しますと、どうした訳か「γ−GTP」とかなんとかいう値がいつも標準記録をクリアしておりました。
これが、陸上記録会でしたら喜ぶところなんですが、このクリアは喜べないクリアなのです。
この値は「血液中のアルコール濃度」とかで、単純に言ってしまえば酒の飲みすぎとでも言うんでしょうか。

そんなバカな。
そんなに飲んでるという意識はない。
いや、飲んでいない。
飲んではいないと思う。
たぶん飲んでいないんじゃないかな。

一緒に「肝脂肪」の要観察も毎回ついてきました。
一日中椅子に座って画面に向かう仕事のせいでしょうか、どうしても運動不足になってしまいます。
そういえば、いつの頃からかズボンのウエストが変化してきましたわ。
若かりし頃に買った背広(無理していろいろ買ったわよ。カッコつけて)は、ズボンは尻が入らず、上着は肩幅がいっぱいいっぱい。
とても着れない。
おまけに、「尿酸値」が高い、要注意ときた。
尿酸値といえば、「痛風」と思い浮かべます。
自分は痛風を患ったことはないのですが、世間一般では「贅沢病」と言っております。
栄養の取り過ぎとでもいうんでしょうか。
これも全く見に覚えがないのでございます。私がいつ贅沢をしたというんでしょう。相当質素な生活をしているつもりなんですが。

その年の健康診断は今までの検査で一番よくなかったのでした。
そして又、いつもはないのですが後日カウンセラーのような方が来社して、結果のよくなかった人にアドバイスしてくれることになったのです。
当然のことながら、小生もそのリストに入っておりまして、順番に呼ばれました。


「アルコールの値が高いようですねえ。
毎日どのくらい飲まれるんですか?」
「はあ、缶ビール1本程度ですが。」
「そうですか?(全然信用していない様子)その程度でしたら大丈夫でしょうけどねえ。(そんな訳ねえだろう?本当のこと言いなさいと言いたげ)」
「・・・・(本当なんですよ。そりゃ皆んなと飲むときはそんなもんじゃありませんけど、家で飲むときは1本なんです。)」
「それじゃあ、もしかしたらアルコールが体質に合わないのかも知れませんねえ」
「・・・・(おらあ、高校のとき初めて飲んでからずーっと続いてるんだ。
いまさら体質に合わないなんて言われても」
「でも、このままではまずいですよねえ。
尿酸値も高そうだし、脂っこいもの好きですか?」
「好きなほうです。弁当のおかずにいつもウインナ−が入ってるんです。」
「そりゃあ、いけません。ウインナ−は油の固まりのようなもんです。」
その後、カウンセラーがつぶやくように放った一言。


「まあ、私だったら酒やめますけどねえ。それに体重も10キロくらいオーバーですねえ。」


ちょっとショックでしたよ。マジで。
あきれかえったような感じで言われましたし、缶ビール1本っていうのも全く信用してないような態度でした。
本当なんですよ。本当に。

「じゃあ、ここはひとつ禁酒してみっか。」
てな訳で、その日から禁酒宣言をしたのでありました。



果たして「禁酒宣言」の結果は?
はたまた、Sその子さんとの関わりはどんなことだったんでしょうか。

次回「美白の女王 <後編>」につづく